名古屋鉄道は26日、国土交通大臣宛に鉄軌道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表した。実施は2024年3月の予定。消費税率変更に伴う改定を除くと、1995(平成7)年以来の変更だという。

  • 名古屋鉄道が鉄軌道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表

現在の輸送需要は、新型コロナウイルス感染症によるテレワークの定着等により、コロナ禍前の水準に戻らない見込みとしている。電力料金や資材価格の高騰による経費増加の懸念もあるという。一方で、安全・安心・安定輸送の確保に必要な既存設備の更新や、社会環境の変化に合わせた投資は必要不可欠としており、構造改革による経費の削減などに取り組んでいる。しかし今回、不足する費用の一部を利用者に負担してもらうため、運賃改定を申請したとのこと。

改定概要として、初乗り運賃を現行の170円から180円に値上げする。申請した運賃の改定率は、普通運賃が10.5%(増収率9.3%)、通勤定期が11.6%(増収率10.6%)、通学定期が0%(増収率0%)。これにより、定期割引率は通勤定期が45.1%から44.6%に、通学定期が82.2%から84.3%となる。なお、普通運賃で利用の多い7kmまでの区間は改定率を抑えるほか、知多新線・豊田線・羽島線・空港線に設定している加算運賃は変更されない。

名古屋本線の一部区間に設定している暫定運賃については、対象区間や設定額を区間ごとに見直し、認可後に特定運賃の届出を行う予定。過去の駅移設にともない設定していた特定運賃(上飯田駅、西ノ口駅、柳津駅を発着する一部区間)は、今回の改定に合わせて廃止し、通学定期を含め、本来のキロ程に応じた運賃を適用する。

申請運賃が認可された後、特別車両料金(ミューチケット)も改定の届出を予定している。現在は1乗車360円で設定されているが、改定後は基本料金を450円、閑散時間帯割引料金(平日9~16時台および土休日全時間帯)を300円とする。現在、車内精算した場合に座席指定を行えないが、改定後は車内精算料金を500円とし、座席指定を可能にする。