今回は、ステレオタイプの人の特徴やステレオタイプな考え方の身近な例などを紹介します。
「ステレオタイプ」とはよく聞く言葉ですが、一体どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。意味が分からない人はチェックしてみてくださいね。
ステレオタイプな人とは? 意味を解説
「ステレオタイプ」とは、多くの人に浸透している先入観や固定観念を指します。つまり、ステレオタイプの人とは、「先入観や固定観念が強い人」という意味です。
性別、国籍、職業などさまざまな分野において、「ステレオタイプ」な考え方をしてしまう人は決して少なくありません。
ステレオタイプとバイアスの違い
「ステレオタイプ」が無意識に型にはまった考え方とすれば、「バイアス」は、ステレオタイプな考え方に加えて、それに基づく評価や感情なども含まれるものです。 「日本人は受け身な考え方を持っている」と考えることはステレオタイプな考え方です。
しかし、例えばいたずらに対して「日本人は受け身な考え方を持っているから、渡航者の仕業だろう」と評価した場合、それは「バイアス」だといえるでしょう。 近年はインターネット上のデマも多く見受けられるため、情報の精査が大切です。
ステレオタイプの語源
「ステレオタイプ」という言葉は、活版印刷で使用していた鉛版(ステロ版)に由来します。新聞や書籍など、型を使って同じものを大量に印刷するために使われることから、型通りな考え方をする人や、固定概念や先入観などを指す言葉として使われるようになりました。
ステレオタイプな人の特徴5選
「ステレオタイプな人」には、思い込みの強い人というイメージがあります。他にはどのような特徴があるのでしょう。
5つの特徴を紹介しますが、総じて自分の意見より、周りや世間の「常識」を重んじるタイプの人が多いといえます。
自分の考えに自信を持っていない
自分の考えに自信がない人は、他人の言動に影響されがちです。 特に、有名人や地位が高い人の発言を聞くと、「有名な人やえらい人が言っているのだから、正しいに違いない」と疑うこともなく信じ込む傾向です。
自分の考えを発言して批判されることや、同意を得ないことを内心恐れているのです。そのため「常識」とされる言動をしておけば間違いないと無意識に考えているのでしょう。
もし自分がこのようなタイプだと感じたなら、何か意見に同意する際に自分も本心からそう思うのか、言ってる人が「えらい人」であるので同じように思うのか、ちょっと立ち止まって考えてみるとよいでしょう。
思い込みが強い
ステレオタイプな人は、思い込みや先入観にとらわれている人ともいえます。 たった一度や数回の経験でそれがすべてだと思ってしまい、あまりに先入観が強いと、自分とは違う考えが頭に入ってきません。
ものごとにはさまざまな側面があり、場所や時代、人が変われば違う考え方もあるということに思い至らないのです。
平凡を好んでいる
世間一般的な考え方が最もよいと考えているため、平凡で常識的であることを好みます。目立ったことや人と違ったことはあまりしたいと思っておらず、目新しいことにもさほど興味を持たないでしょう。
多数派に流されやすい
多数派や周囲の人間の意見に流されやすいことも、ステレオタイプな人の特徴だといえます。自分の軸となる考えをあまり持っていないために、多数派の意見に流されてしまうのです。
現状維持を望んでいる
ステレオタイプな人は、革新的な方法よりも、今まで取られていた方法を好む傾向にあります。現行の方法で上手くいっている間は、方法を変えることに時間をかけるよりも、今使っているものを動かしている方が、時間的にも費用的にもコストがかからないと考えている人が多いです。
ステレオタイプな考え方の身近な具体例3選
ここでは、ステレオタイプな考え方の身近な具体例を紹介します。
地域性・県民性
地域や県民性は、ステレオタイプな考え方の例の一つです。
大阪の人は全員ボケとツッコミができる、大都会に住む人はいつもせかせかしている、京都の人は本音と建前がしっかりしているなど、住んでいる地域・県ごとに異なるイメージを抱きませんか?
実際は特定の地域に住んでいる人全員が当てはまることはないのにも関わらず、上記のようなイメージを無意識に抱いてしまっているのは、ステレオタイプの考え方だといえるでしょう。
血液型
血液型による性格の違いも、広く信じられているステレオタイプの考え方の一つでしょう。
例えば、A型は几帳面で神経質、B型は自己中心的で変わり者、AB型は繊細で天才肌、O型はおおらかだが短絡的、などです。
人相・見た目
人相や見た目だけで相手の性格や得意分野を決めて話してしまうことも、ステレオタイプな会話の一種だといえます。
物静かな人はスポーツが苦手と思い込んだり、眼鏡をかけているだけでまじめそうに見えたりするのも、ステレオタイプの考え方の一種です。
ステレオタイプであることのメリット・デメリット
この章では、ステレオタイプな考え方がもたらすメリットとデメリットについて解説します。
メリット
ネガティブなイメージが強い「ステレオタイプ」な考え方は、一方でものごとの予測をたてやすく、効率よく動いたり、情報を処理したりするときに役立ちます。
例えば、駅の自動販売機の前で困っている外国の人がいれば、切符の買い方が分からないのだろうと考えるでしょう。これは、外国の人は日本語が分からないという先入観から来るものです。それでも、声をかけられて助かる人は多いといえます。
先入観から予測したことが、次の行動につながる可能性もあるのです。
デメリット
思い込みや先入観で判断すれば、ものごとの本質を見誤り、周りの人との間で軋轢を生むことがあります。
女性(男性)はこうあるべき、〇〇好きな人は悪い人、この世代の人は仕事をしないなど、強固な思い込みは差別や偏見につながります。
歴史的にも、あまりに強い偏見から起こった暴力事件や、戦争にまで発展した例もあります。くれぐれも過剰な、特に悪いイメージの思い込みは避けましょう。
ステレオタイプの人の特徴や考え方の具体例を理解しよう
本記事では「ステレオタイプ」の意味や語源、ステレオタイプの人の特徴や考え方の例などについて解説しました。
「ステレオタイプ」な考え方のよい部分は使いつつ、自分の意見を持つことで、さまざまな場面で臨機応変に対応できますよ。