京王電鉄は12日、今年度の鉄道事業において総額380億円の設備投資を行うと発表した。「日本一安全でサービスの良い鉄道」の実現に向け、駅・車両の安全対策と連続立体交差事業を着実に推進。自然災害への備えやバリアフリー設備の整備などの利便性向上施策にも取り組み、安全で快適なサービスの提供をめざす。

  • 京王電鉄の車両5000系(2022年12月のイベント取材時に撮影)。昨年度の1編成に続き、今年度も1編成を増備する

着席ニーズに応えることを目的に2018年2月から運行開始し、好評を得ている座席指定列車「京王ライナー」のサービス拡充を図るため、5000系の新造車両1編成(10両編成)を増備。昨年度の新造車両と同様、リクライニング機能付きロング・クロスシート転換座席を搭載する。

通常時は電車の発車案内や各種情報を表示し、事故・災害等の発生時には列車の運行に支障が発生した区間や振替輸送経路等をわかりやすく表示する「お客さま案内ディスプレイ」について、多言語対応と異常時の案内機能を向上させた多機能化を進める。2023年度は聖蹟桜ヶ丘駅など20駅に導入するほか、府中駅や多摩センター駅などで行先案内盤を従来の4色表示からマルチカラー型に更新し、視認性を向上させる。

  • クロスシート時の車内(2022年12月のイベント取材時に撮影)

  • 新たに増備する1編成も、リクライニング機能付きロング・クロスシート転換座席を採用(2022年12月のイベント取材時に撮影)

駅施設のリニューアルも実施。新宿駅新線口改札内のエスカレーターについて老朽化に伴う更新工事を進める。下北沢駅でホーム上屋の改修、府中競馬正門前駅、神泉駅、南大沢駅で旅客トイレのリニューアル工事も実施する。

その他のおもな取り組みとして、防犯カメラの設置など車両とホーム上における防犯安全対策、京王線(笹塚~仙川間)連続立体交差事業の推進、ホームドアや段差隙間対策などホーム安全対策、 踏切道における安全対策、自然災害への対策、省エネルギー施策の推進、カーボンニュートラルを実現した環境負荷の低い機器への更新、DXを活用した業務省力化等の推進、職場環境改善施策の推進を挙げている。