俳優の船越英一郎が主演を務める、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『テイオーの長い休日』(毎週土曜23:40〜、全8話)が6月3日、スタートする。
同作で船越が演じるのは、元“2時間サスペンスの帝王”熱護大五郎。仕事が1年以上なく、付き人の売れない俳優・萩原匠とともに、自宅で優雅に過ごす日々を送っている。
そんななか、3人の子持ちの元マネージャー・吉田ゆかりは、 ある事情を抱え、熱護のマネージメントをすることに。しかしこの男、かなりの偏屈で、ゆかりは振り回される。一方、熱護はゆかりの亡き夫が残した洋食店で起きた不審火騒ぎに興味を持つ。そして、なぜか“2サス”の主人公の扮装で洋食店に現れ……。
プロデューサーに逆らえない新人脚本家、バラエティでくすぶっているドラマ志望の中堅ディレクター、過去に傷を持つ人気俳優と、様々な人間を巻き込みながら、熱護は「自分のやり方が時代錯誤だということくらい、百も承知だ」と我が道を邁進していく。
船越英一郎、東海テレビプロデューサー・松本圭右氏のコメントは以下の通り。
■船越英一郎
「船越英一郎で、どんなドラマを作ったら面白いだろうか」。2人のプロデューサーが、“船越ありき”で作り出してくれた作品で、その2人からの熱烈なラブレターとして、受け取らせていただきました。
熱護は、一言で言えば、「不器用で可哀そうな初老の男」です。本当はすごく純粋で、情に厚くて、涙もろくて、俳優としての矜持、あるいはルールを自分の中にたくさん作り上げている。なんでそんな不器用な生き方をするんだろうか、と思うのですが、自分でルール、“足枷”をたくさんつけて追い込むことで、俳優という表現者にとって最もふさわしい生きざまを貫いているんです。僕、船越英一郎の中に、熱護大五郎が住んでいるようにも思いますし、熱護の中には、僕が住んでいるような気もします。言ってみれば、違う環境で、違う親に育てられた双子、といったようなところでしょうか。
このドラマの一番のテーマは『再生』です。どうしても視線が下向きになりがちな3年間が過ぎて、社会全体が再生の時を迎えているような気もします。そうした時に、これから未来に向かっていくみなさんの背中を優しく押すような、そんなあたたかいコメディードラマがここに生まれたと思っています。
お年寄りから小さなお子さんまで、幅広い世代のみなさまに必ず共感していただけると確信しています。今の時代、家族みんなでひとつのテレビを囲むということも多くないかもしれません。でも、それぞれで、このドラマをご覧いただき、ふっと顔を合わせた時に「こないだのテイオーさあ……」と話題にして家族の団らんが生まれる。そんなドラマになったら、作り手冥利に尽きます。
『テイオーの長い休日』、明るく、楽しい、そしてちょっぴり泣けるドラマです。ぜひともみなさんでご覧ください!
■松本圭右
日本のテレビ業界が舞台で、2時間ドラマの帝王が主人公……誰がどう考えても、この役は船越さんにしかできない! とはいえ、仕事がない! とか、偏屈! とか、船越さんとは全く違うキャラ設定をつけてしまった……怒られたらどうしよう……ドキドキしながら船越さんに会いに行くと、船越さんが笑顔で一言。 「いいじゃん。台本も面白いね!」。心の底からホッとしました。と、同時に船越スマイルに魅了され、「ああ、だからこの人は帝王なのだ」と妙に納得しました。
人生は思い通りに行かないもの。ある日、突然、今までの自分の「普通」が通じなくなることは誰にでも起きることです。ですが、そのことは決してこれまでの人生を否定するものではないはず。そんな苦境に立たされた「変われない男」を船越さんに演じていただき、同じように頑張っている誰かの背中を押すドラマをお届けできればと思っております。
物語にはもうひとり、キーパーソンとして数年ぶりに社会に復帰する子育て世代のシングルマザーも登場します。仕事、夢、家族、喪失、様々なテーマをこれでもかと盛り込んだエンターテインメントを目指しますので、土曜の夜、登場人物の誰かに感情移入していただき、人生の荒波に立ち向かうエネルギーを感じて頂ければ幸いです。
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