「過言ではない」という言葉を見聞きしたことがあるけれど、具体的にどのように使えばいいのかわからないという人もいるでしょう。
本記事では「過言ではない」の詳しい意味や使い方、例文を紹介します。言い換え表現や対義語、英語表現も併せて押さえておきましょう。
「過言ではない」の意味とは
「過言ではない」とは、「大げさ過ぎるわけではない、言い過ぎではない」という意味の言葉です。
そもそも「過言ではない」の「過言(かごん)」とは、物事に対して言い過ぎていることを意味します。この「過言」に、否定を表す「~ではない」をつけることで、「過言ではない=言い過ぎではない」ことを表現できます。
「過言ではない」は、ある物事を過大(過少)評価せずに話しているときに使います。
「過言ではない」の使い方と例文
「過言ではない」は、ある物事に対する評価や説明をしたいときに使う言葉です。
事実をねじ曲げたりうそをついたりしているわけではない、決して言い過ぎではないと伝える表現なので、誰が聞いてもすんなり納得するようなことに対しては使用しません。
例えば、ボクシングの大会に出場したことがないけれどとても強い人について「彼は実力では日本一だと言っても過言ではないよ」と表現することは可能です。しかし、実際にボクシングの日本チャンピオンである人について「彼は日本一だと言っても過言ではないよ」と言うのは不自然です。
「過言ではない」を使うときは、多くの場合「~と言っても」+「過言ではない」という表現をします。また、「ない」を「ありません」に置き換えることもあります。
【例文】
・彼女の身に起こったことは、奇跡と言っても過言ではない。
・この映画は感動的なストーリーと役者の名演技で、今年一番の傑作と言っても過言ではない。
・優勝できたのは彼のおかげと言っても過言ではない。
・彼の作るパスタは本場を超えていると言っても過言ではない。
・彼は業界一優れていると言っても過言ではない。
・私の高校時代は、ほとんど野球にささげたと言っても過言ではありません。
「過言ではない」の類語・言い換え表現
「過言ではない」には、似たニュアンスの言葉があります。意味や例文とともに紹介します。
大げさではない
「大げさ」とは、ある物事を実際の状態よりも誇張することです。「大げさではない」とすることで、ある物事を過度に強調しているわけではない、という意味になります。
【例文】
・彼の反応は大げさではない。誰だってあの状況なら同じように騒いでしまうだろう。
・あの報道は決して大げさではない。実際に、地球温暖化は深刻な状況に直面している。
言い過ぎではない
「言い過ぎ」は度を越えて言うことを指します。「言い過ぎではない」とすることで、ある物事について必要以上ではなく、適切に伝えているという意味になります。
【例文】
・この結果から分かるように、彼は数学の天才だ。決して言い過ぎではない。
・彼の実力と人脈は素晴らしい。言い過ぎではなく、彼は次期社長にふさわしいだろう。
「過言ではない」の対義語
「過言ではない」の対義語も併せて押さえておきましょう。
誇張である
「誇張」は、事実を実際よりも大げさに表現するときに使用します。物事を大げさに言うことで、印象を強めたり評価を高めたりするために用います。
【例文】
・たった1週間で10キロ痩せられるドリンクだなんて、明らかに誇張である。
・彼とは一度食事しただけなのに、恋人として報道するなんて、ひどい誇張である。
(話を)盛る
「盛る」には「容器に物を入れて満たす」などさまざまな意味がありますが、俗語として大げさに言うことを表す意味もあります。
【例文】
・それはさすがに話を盛っている。
・彼女はよく話を盛りがちだから、話半分に聞いた方がいいよ。
「過言ではない」の英語表現
「過言ではない」を英語で表現する方法を紹介します。
- it is no exaggeration to say that~
「~と言っても過言ではない」という意味の表現です。「exaggeration」は誇張という意味の単語です。
【例文】
It is no exaggeration to say that she is a genius.
(彼女は天才であると言っても過言ではありません)
- it is not too much to say that~
「~と言っても過言ではない」「~と言っても言い過ぎではない」という意味の表現です。
【例文】
It is not too much to say that this project changed the company's future.
(このプロジェクトが会社の未来を変えたと言っても過言ではありません)
- can safely say that~
直訳すると「~だと安全に言える」で、「~と言っても過言ではない」「~と言ってもいいだろう」といった意味になります。
【例文】
I can safely say that the project will be completed on time.
(このプロジェクトは時間通りに完了すると言っていいでしょう)
「過言ではない」を正しく理解して使おう
「過言ではない」は普段の会話やビジネスシーンでも使えます。しっかり意味を理解し、適切な場面で使えるようにしましょう。
また、類義語や対義語を覚えておくことで表現に幅が出ます。さまざまな場面や状況に応じて、使い分けましょう。