京阪ホールディングス、京阪電気鉄道、京阪流通システムズは19日、リニューアルオープンを迎える「SANZEN-HIROBA」の内覧会を実施した。5000系と2600系が加わった「SANZEN-HIROBA」に地元園児たちが招待され、スタッフの説明を聞きながら興味深そうに見学していた。

  • 「SANZEN-HIROBA」に新たに加わる5000系5551号車

「SANZEN-HIROBA」は樟葉駅に隣接するショッピングモール「KUZUHA MALL」内にあり、京阪流通システムズが運営。2014年のオープン当初から初代3000系が展示されている。9年ぶりのリニューアルにあたり、新たに5000系先頭車(5551号車)の半両分と、2600系(2601号車)の先頭部が加わることになった。

京阪電気鉄道の5000系は1970(昭和45)年に登場。慢性化するラッシュ時に対応するため、当時としては珍しい5扉車としてデビューした。5扉のうち2扉は「ラッシュ用ドア」となり、閑散時はドアを閉め切って天井から座席を降ろし、3扉車として運用に就いた。2021年、ホームドアの整備にともない、惜しまれつつ京阪線から引退した。

  • 「ラッシュ用ドア」を含む2ドア分を展示

  • 車内もデビュー当時の姿を復刻。「ラッシュ用ドア」前の座席が昇降する

  • 車体側面でプロジェクションマッピングが行われる

「SANZEN-HIROBA」に展示される5551号車は、車外の塗装や座席の色など、車内外の設備を1970年デビュー当時の姿に復刻。車体前面に行先方向幕・種別幕がなく、「準急 淀屋橋 枚方市」と記された板を掲出している。5000系の最大の特徴である「ラッシュ用ドア」も展示され、内覧会では座席の昇降シーンを見学できた。ただし、安全上の理由から、「SANZEN-HIROBA」では基本的に座席の昇降を行わないとのことだった。

5000系の車体側面には、デビュー当時のラッシュ時の様子が映し出される。当時の混雑を見ると、改めて5000系の功績が理解できることだろう。

5551号車と同じく「SANZEN-HIROBA」の展示車両に加わる2601号車は1978(昭和53)年デビュー。2022年に引退を迎えた。こちらもデビュー当時の姿を復刻。旧塗装はもちろん、下部にある通称「ガイコツテール」も見学できる。

  • 園児たちは興味深そうに5551号車を見学していた

  • 5551号車の近くの壁面は5000系の設計図をもとにデザインされている

  • デビュー当時の姿を復刻した2600系2601号車の先頭部

  • 「ガイコツテール」も健在

  • 20分ごとに光と音の演出が行われる

  • リニューアル後も初代3000系は展示される

「SANZEN-HIROBA」では、20分ごとに光と音の演出も行われる。演出は3パターン(車両カラー・季節・時間)あり、このうち「車両カラー」「季節」では現行の発車メロディが流れる。

リニューアルオープンを迎える4月21日は、10時10分からリニューアルオープニングセレモニーを開催。当日は8代目「おけいはん」も登場するとのこと。なお、「SANZRN-HIROBA」のリニューアルを記念し、京阪線を走る8000系の8006編成・8007編成・8008編成を対象に、5月14日まで記念ヘッドマークを掲出する。