“ぼさぼさ”とした自然体が愛らしいサンリオのキャラクター“ぼさにまる”がアニメ化。4月3日よりフジテレビ系情報番組『ノンストップ!』(9:50~11:25)の番組内で毎週月曜から木曜に放送されている。主人公のうさぎ・さくらの声を演じる上白石萌音にインタビューし、本作の魅力やさくらとの共通点、声優業への思いなど話を聞いた。

  • 上白石萌音 撮影:加藤千雅

本作は、人と同じように言葉をしゃべるぼさぼさな動物“ぼさにまる”たちの物語。ある日突然、ぼさぼさ姿になった“ぼさうさ”さくらは、“ぼさる”自分に動揺するが、マイペースなベテラン“ぼさねこ” のキャシー、せっかちな性格の“ぼさはむすたー”の蘭と過ごしていく中で、次第に素の自分を受け入れていく。

上白石は、本作に惹かれ出演を快諾。「すごく魅力的な企画だなと。ただかわいいだけではない、ちょっとシュールで、どこか意味深な、すごくやりがいのありそうな光栄なお仕事だなと思いました」と述べ、「のほほんとしていますが、少し見方を変えるととても深くて、アフレコしていて面白いです」とすっかりハマっている様子だ。

演じるさくらのキャラクターにも惹かれたという。「見た目はすごくかわいらしいですが、それだけではない魅力があって、そこにハマってしまう感じがしました。いろいろなことに好奇心があって、キラキラしたものや素敵なものに憧れる気持ちを持ちながらも、冷静で客観的で斜めから見ている部分もあって、共感ができる子だなと思いました」

さくらを演じる際は、普段の姿のときと、ぼさっとしているときで、声のトーンを変えているそうで、「ぼさっとなる前は、私にはないハツラツさを出そうと頑張っていますが、ぼさっとしているところや、ちょっと引いているところは、普段のトーンでやっています」と説明。普段の上白石は「完全に“ぼさ”です(笑)」と話した。

さくらとの共通点を尋ねると、「力の抜け方や、ど真ん中の答えとは違う考えをしているところが愛しいなって。私も穿った見方をするタイプなので、わかるなと思います」と共感。普段からいろんな視点で考えるように心がけているという。

「天邪鬼なので、人と同じは嫌というのがあって、違う視点で見ようという意識もあります。作品を読むときや台本を読むときもなるべくいろいろな見方をしたいなと思いますし、一つに凝り固まらないというのは大事にしているところかもしれません。なので、さくらの視点にはっとしたりもします」

また、本作から素のままで人生を楽しむ素晴らしさを改めて感じたという。

「この作品は、いつも一生懸命かっちり生きていかなきゃいけない、みたいなものから解放してくれる気がします。ぼさっとしていてもいいじゃんって。そういう部分があったほうが人生って豊かだよねって。素のままの自分で一緒にいられる相手がいるというのもすごく素敵なことですし、そういう自分も受け入れて、今までと違う自分の新しい一面や個性、生き方を、力を抜いて楽しむってすごく素敵なことだなと思います」

上白石の素はどんな感じか尋ねると、「ローです(笑)。テンションが低く、ぬべーっと生きています(笑)」と回答。イベントやインタビューにおいても自然体で話してくれている印象があるが、「最近、そうなれてきたのかもしれません」と言う。

「前は、しゅっとしているときのさくらみたいな姿で常にいなきゃと思っていたのですが、最近はぼさっとしていてもいいかなって。そして、ちゃんとしなきゃいけないときはするというような。肩ひじ張らないで外にいられる瞬間は増えてきたかもしれません」

そして、素の自分でいられるようになってきたのは、「素のままでいられる相手がたくさんいるということだと思います」と語る上白石。経験を重ねる中でそういう人たちが現場でも増えてきたようだ。

また、「飾らずにそのままの自分で活躍されている方々にすごく魅力を感じます。それって一番強いじゃないですか。人前に立つときは飾らなきゃって思うし、よく思われたいと思ってしまいますが、自分を塗り替えるのは違うのかなって最近思います」と続け、「ギャップが少ないほうが生きやすい気がします」とも話した。

ギャップを少なくするという意味では、「素の自分を見せられるように普段の生活もしっかり生きたい。どっちも歩み寄りが必要」という意識もあるそうで、「プライベートでお友達と会うときなども、嫌な思いをさせないようにとか、どの瞬間が最後になってもいいようにという思いをなんとなくですが持っています」とプライベートにおいても瞬間瞬間を大切にしている。