「よもやま話に花が咲く」といった表現を聞いたことがある人は多いですよね。一方で、この「よもやま話」の意味を知らない方も多いのではないでしょうか。今回は「よもやま話」の意味や語源、使い方・例文などを解説します。
「よもやま話」とは? 意味と語源
ここでは、「よもやま話」の意味や語源を解説します。
「よもやま話」の意味
よもやま話とは、「さまざまな話」と言い換えると分かりやすいでしょう。漢字では「四方山話」と書いてよもやまばなしと読みます。
世間話、とりとめのない話という表現で使われることが多く、重要な会話ではないニュアンスを含むことが一般的です。 「よもの話」「よもやまの話」ということもあります。
「よもやま話」の語源
よもやま話の語源は諸説あります。最も有力なものは、「四方八方」を語源とする説です。
四方八方はあちらこちらという意味があり、あらゆる方向の話、つまりさまざまな話となります。さらに四方八方には「よもやも」という読み方もあり、この音が転じて「よもやま」になったといわれています。
もう一つの語源の説として、「よもやま話」の漢字表記である「四方山」には四方の山という意味があり、四方、つまりありとあらゆる方向ということから、いろいろな話や世間話を「よもやま話」というようになった、というものもあります。
「よもやま話に花が咲く」とは?
「よもやま話」を使ったフレーズのなかでも耳にすることが多いのが、「よもやま話に花が咲く」「よもやま話に花を咲かせる」ですよね。
これは、「話が盛り上がっていること」「雑談で賑わっている様子」を意味します。よく見聞きする言葉なので、覚えておきましょう。
「よもやま話」の使い方・例文
ここでは、「よもやま話」の使い方を例文で紹介します。下記の例文をチェックしておきましょう。
- 久々に旧友に会って、長い時間よもやま話に浸ってしまった
- 気のおけない友人とよもやま話に花が咲いた
上記のような使い方が一般的です。ずっと同じ話題で話しているというよりは、次々と話題が変わりさまざまな話をしている様子を表します。
「よもやま話」の類語表現は?
ここでは、「よもやま話」の類語を紹介します。
世間話
類語として挙げられて、最もよく使用される言葉は「世間話」です。
世間話の意味は「世にあふれる当たり障りのない話」であり、プライベートや職場で重宝するコミュニケーション手段の一つです。 世間話として話されるものには天気やニュース、趣味の話題などさまざまなものがあります。
ちなみに、初対面の人と話す場合に役立つといわれている世間話は「木戸に立てかけし衣食住」といって、季節・道楽・ニュース・旅・天気・家族・健康・仕事・衣料・食・住居の話題がよいとされています。
井戸端会議
井戸端会議は主に女性達が長話をしている様子に対して使用される表現です。 その昔、長屋の女性達が井戸の周りに集まり、水くみや洗濯をしながら長話をした様子を見た男性達が、皮肉交じりにこう呼ぶようになったといわれています。
そのような経緯を見ると、あまりよい意味では使われていない表現かもしれません。 また、話をしている人の対象も女性、特に主婦に限られている傾向があります。 そのため、使い方の例としては「主婦達が井戸端会議をしている」「井戸端会議をしていたらあっという間に時間が過ぎた」などです。
たわいもない話
たわいもない話とは、「取るに足らない、たいしたことがない話」という意味が一般的です。
対象者は限定されておらず、どのような場面でも使う表現であり、「他愛もない話」と書くこともあります。イメージとしてはよいも悪いもなく、「たわいもない話で盛り上がった」「クラスメイトとたわいもない話をする」などが通常の使い方です。
とりとめもない話
「とりとめもない」は「まとまりがない」「はっきりしない」などの意味が一般的ですが、単なるおしゃべりとして、悪い意味を含まずに「とりとめもない話をする」と表現されることが多いです。
「よもやま話」の対義語は?
「よもやま話」の対義語として、はっきり定義されたものはありません。強いていうならば、よもやま話は悪い意味では使われないため、「与太話」がそれに該当するものと考えてよいでしょう。
与太話の意味や使い方などを詳しく知りたい場合、下記の記事をチェックしてください。
よもやま話は「意味のない話」という意味が強いため、「真面目な話」「真剣な話」も意味的には反対になると考えられます。
「よもやま話」は英語で何という?
よもやま話は日本語独特の表現ですが、英語にも似たようなニュアンスの言葉は存在します。
ここでは、「よもやま話」を英語で表現する際のフレーズを紹介します。
talk about this and that
直訳では「あれもこれもと話した」と訳せます。「talk about~」で「~について話す」、「this and that」で「あれもこれも」です。
chat
chatは日本語でもそのままチャットとして日常的に使用する言葉です。 chatは「おしゃべり」と訳し、一般的に親しげにくつろいで話す場合に使われます。
chit-chat
chit-chatは「あまり重要ではないおしゃべり」や「雑談」「世間話」という意味があります。 とりとめもない会話を意味する言葉と考えてよいでしょう。 chitそのものには、実は深い意味はありません。 上述した「chat」よりもさらにカジュアルにしたスラングです。
「よもやま話」の意味や使い方を理解しておこう
よもやま話について、理解できましたか。 英語にも似たような言葉が存在することを初めて知った方も多いのではないでしょうか。 「よもやま話」の意味や使い方を知って、「よもやま話」を正しく使えるようになりましょう。