オンラインスタイリングサービスの「DROBE」が、関東と関西の20代〜50代の女性1200人に「ファッションの好みや傾向」について調査。結果を発表しました。今回はこちらの資料から、筆者が気になった「東西差」や各都府県の興味深いデータを紹介していきます。

  • ※画像はイメージです

関東は「生地や素材」を重視。関西は……?

まずは、関東と関西のざっくりした方向性の違いから確認していきましょう。

「服を選ぶときの基準」については関東勢(※1)が「生地や素材を重視する」と答えた一方、関西勢(※2)は「着回しできるか」を重視すると答えた人が多い結果となりました。見た目や着心地を気にする関東に比べて、関西はコスパの良さを重視している傾向を感じられますね。

  • ファッションアイテムの「選択基準」(グラフはすべて「DROBE」調べ)

続いては、不要になった服の扱いについて。「可燃ごみとして捨てる」と答えたSDGsどの吹く風な関東に比べ、「フリマアプリで売る」と答えた割合が多かったのは関西でした。なるほど、こちらも「元は取るぞ」という関西のコスパ意識を感じられる内容です。

  • 不要になった服は「可燃ごみとして捨てる」

  • 不要になった服は「フリマアプリで売る」

また、「ガラもの」などの派手めなアイテムを「好き」と答えた人の割合は? 関東13%に対して関西は21%という結果に。おおよそ倍……まではいかないぐらい。

  • ガラものが好きと答えた割合

こうして見ると、関西は「コスパ重視」で「派手目が好き」ということで、割と……どころか従来のイメージそのままといった印象で意外性がまったくないのが逆に気になります。個人的には、今やインターネットの登場により「ファッションの地域差」ってかなり減ってきているんじゃないかなと勝手に思っていたのですが、そんなことないのかな……。

たとえIT化が進んだとしても土地に根付いた気質や文化というものは簡単には消えないものなのかもしれません。エスカレーターの「どちら側に立つか」も未だにけっこう地域差ありますもんね。

関東で独自の動きを見せる神奈川

さて、ここからは他にも特色のある都県をいくつか紹介していきますよ〜。

まずは、関東勢なのに独自の動きを見せる「神奈川」について触れておきます。前述の、「ファッションアイテムの選択基準」で、関東は「生地や素材」を、関西は「着回し」=コスパを重視する……と紹介しましたが、この流れだと「安さ」も関西が重視してそうじゃないですか? ところが大阪(2位)や兵庫(3位)を抑えて神奈川が1位。同じく関西は「ガラもの」を好む傾向がありましたが、実は個別の都道府県で見ると、「ガラもの」好きと答えた人が割合として最も多いのは、神奈川。ワッツ?

  • 派手な服が好きな神奈川

安くて派手なものが好きな一方で、ファッションに「上品さ」を求める人の割合が最も高かったのも神奈川。ふーむ、神奈川だけ関東の中でずいぶんと独自路線だなあと思いつつ、やっぱり昔から港があった地域はファッショににあれこれうるさい……じゃなくておしゃれなのかもしれません。実は「上品さ」2位は兵庫(※3)だったりします。

ロゴ入りアイテムがなぜか嫌いな東京人

もうひとつ、東京の人はなぜか「ロゴ入り」アイテムが嫌いという不思議なデータに触れてみます。しかも他県と比べても「どちらかというと嫌い」「嫌い」を合わせた数が5割を超えるという突出ぶりです (他県では4割前後が平均)。

  • ロゴ入りファッションを嫌う東京

データによれば、関東勢は「デパート」などの高級服飾店を利用する人が多い傾向にあるそうなので、いわゆるハイブランド・ファッションにふれる機会が多いようです。ハイブランドって、いわゆるロゴ入りアイテムばかりじゃないですか。これは筆者の邪推も含まれますが、東京人はハイブランドにふれる機会も多い→「ハイブランドをひけらかすなんて……くそ〜」→ロゴアイテムが嫌い……という流れかもしれない。そう考えると合点がいく気がしなくもない気がします。

土地が育んできた性質が垣間見えて面白い

ということで、関東と関西の「ファッションの好みや傾向」の違いでした。昭和、平成、令和と世の中が変わっても、土地が育んできた人々の性質はけっこう昔から変わらず受け継がれているのかも……と想像できて、ちょっとした楽しさを感じられる結果でした。皆さんも、「うちの県はこうだ!」みたいな特色がありましたらSNSなどで教えてもらえると嬉しいです。

  • 感心する筆者

※1 いずれも年代は50代
※2 大阪、兵庫40代、京都30代
※3 2位は、兵庫と東京