クレーマーの対応は、接客業やサービス業では避けられない仕事です。ただし、クレーマーの心理や性格が分かっていれば、落ち着いて対応しやすくなります。

本記事ではクレーマーの心理や対処方法を紹介します。

クレーマーの心理・性格

  • クレーマーの心理・性格

    クレーマーの心理・性格をおさえておきましょう

クレーマーの心理・性格として、主に以下の9つがあげられます。

①怒りやすい
②自分を認めてもらいたい
③自分が偉い人だと相手に思わせたい
④得をしたい
⑤ストレス解消
⑥正義感が強い
⑦話し相手がほしい
⑧家族や上司に日頃から抑圧されている
⑨心の病気

クレーマーのなかには、クレームを言っている自覚がない方や、寂しさからクレームを言っている方もいます。お客様がどのような理由からクレームを入れているか注意深い観察が重要です。

①怒りやすい

クレーマーに多いのは、単純に怒りやすいだけの人です。怒りの沸点が低いので、店員の些細な言動にイライラしてしまうのでしょう。理不尽な要求をしてくることは少なく、きちんと謝罪することで、トラブルを解決できます。

また、来店時から既に機嫌が悪いお客様も、些細なきっかけでクレーマーになることがあるので、丁寧な接客を心がけるとよいでしょう。

②自分を認めてもらいたい

自分を認めてもらいたい欲求が強く、クレーマーになるお客様もいます。ミスや問題を指摘することで、承認欲求を満たそうとする人です。自覚なしにクレームをつけることが多く、むしろ本人は「アドバイスをしてあげている」という感覚でいるのでしょう。

③自分が偉い人だと相手に思わせたい

自分が偉い人だと相手に思わせたいという欲求で、クレーマーになる人もいます。このタイプは、「クレーマー=偉くて強い人」というイメージがあり、店員に謝られたい、ちやほやされたいという欲求のもと、クレームをつけていると考えられます。

また、店員ではなく一緒にいる人に、「店員にクレームをつけることで自分の強さをアピールしたい」と考えていることもあります。

④得をしたい

クレームをつけて得をした経験がある人は、得をしたいがためにクレーマーになることがあります。理不尽な要求をしてくることもあるので、理不尽な要求をされたときの対処法として記事後半の「クレーマーへの対処方法」を参考にしましょう。

⑤ストレス解消

ストレス解消のためにクレームをつける人もいます。ストレス発散ができれば何でもよく、誰かに当たりという心理で、クレームをつけてきます。理不尽な言いがかりをつけてきたり、要求を出してきたりするため、対処に困るクレーマー客です。

⑥正義感が強い

クレーマー客には、正義感の強さゆえにクレームをつける人もいます。お年寄りに多く、ほかのお客様に同じことが起きないように、とクレームをつけるパターンです。

適切な対応をすれば、納得して帰ってくれるでしょう。

⑦話し相手がほしい

話し相手がほしいために、クレーマーになる人もいます。1人暮らしの人やお年寄り、寂しくて誰かと話したいと感じている人が、このタイプのクレーマーになりやすく、クレームをつけたいのではなく、暇つぶしや誰かとの会話を求めていることが多いです。

⑧家族や上司に日頃から抑圧されている

日頃から家族や上司などの身近な人物から抑圧されている人は、解放される外で大きな態度をとるケースがあります。このケースの人は、「②自分を認めてもらいたい」「③自分が偉い人だと相手に思わせたい」につながることもしばしばです。

⑨心の病気

クレーマーには、精神的な問題を抱えている人もいます。パニック発作や動機を引き起こす可能性もあるため、あからさまに否定したり、面倒な態度を出したりしないように気をつけ、注意深く様子を見ながら対応する必要があります。

クレーマーを落ち着かせる接客方法

  • クレーマーの心理・性格

    クレーマーの対応には要注意です

どのようなお客様でも、クレーマーになる可能性はゼロではありません。そのため、クレーマーになりそうなお客様には、以下のような対応を心がけましょう。

  • あからさまな否定はNG
  • あいづちや言い換えを活用する
  • 感情的にならないように

これらを意識するだけでも、お客様を不快にさせることが少なくなるはずです。お客様をクレーマーにさせないためにも、以下で詳しい内容をチェックしましょう。

あからさまな否定はNG

お客様へのあからさまな否定はNGです。なぜなら、「できません」「無理です」など直接的な否定は、悪気がないとしても相手を不快にさせてしまう可能性があるからです。

お客様を怒らせないためには、真っ向から否定せず、否定するにしてもクッション言葉を用いて柔らかいニュアンスに変えるなどの気配りが大切です。

あいづちや言い換えを活用する

お客様との会話は、あいづちや言い換えを活用するように意識しましょう。お客様の要望を肯定し過ぎてはいけませんが、お客様の話の内容を理解していることをアピールすると、話を聞いていることが伝わり、お客様に安心感を与えられます。肯定的なあいづちをうち、否定する際は言葉を柔らかく言い換えて、お客様と会話しましょう。

感情的にならないように

お客様の前で、感情的にならないように配慮しましょう。クレームの対応は常に冷静に、平静を装って対応する必要があります。こちらまで感情に任せて言いたいことを言っていると、トラブルを余計に大きくしてしまうことも。

クレーマーにつられて感情的になりかけそうになったら、対応を上司に代わってもらうのも一つの方法です。

クレーマーへの対処方法

  • クレーマーの心理・性格

    クレーマーへの対処方法をお伝えします

お客様がクレーマー客になってしまったら、以下のように対処します。

  • 理不尽な要求は断る
  • クレーマーへの対処を組織で行う
  • 難しい場合は弁護士に相談する

クレーマーへの対処は1人で行わないことが非常に大切です。同僚や上司と一緒に対応しましょう。

理不尽な要求は断る

クレーマーの理不尽な要求はしっかりと断ります。一度でも理不尽な要求を通してしまうと、再度同じようにクレームをつけてくるようになります。そのため、理不尽な要求は受けないようにしましょう。

クレーマーへの対処を組織で行う

クレーマーへの対処を組織で行うようにしましょう。上司や同僚と一緒に対応することで、焦らず適切な対応ができるようになります。また、1人で対応すると、担当が変わった際に同じようなトラブルになってしまう可能性もあります。

クレーマーから自分だけでなく社内の人を守るためにも、組織内でクレーマーの対処法を共有して、1人ではなくチームでクレーマーに対応しましょう。

難しい場合は弁護士に相談する

クレームが悪質で対処が難しい場合は、弁護士に相談するのも一つの手です。法律のプロである弁護士は、難しいクレーム内容でも適切な対処法が分かります。間違った対応をして訴訟問題にならないためにも、難しいと判断したクレームは、弁護士に相談しましょう。

クレーマーの心理を知り、正しい接し方を心がけよう

  • クレーマーの心理・性格

    クレーマーの正しい接し方をおさえておきましょう

クレーマー客がクレームをつけたい心理はさまざまです。どのタイプのクレーマーか注意深く観察しながら丁寧に対応すると、対処のコツが掴めます。

また、クレーマーを落ち着かせる接客方法も紹介しました。どのお客様もクレーマーになり得ることを踏まえて、日頃からお客様への配慮を忘れずに接客しましょう。そしてクレーマー化したお客様への対処は、担当者1人ではなくチームで対応します。

クレーマーの心理・性格を知って、適切な対応をしましょう。