――「ニコニコしながら嘘をつく二枚舌、三枚舌」と設定されているカグラギの人物像について、どう思われましたか。

最初にギラ/クワガタオージャー(演:酒井大成)と関わるとき、ちょっと「悪い人」っぽい印象を持たれるんじゃないかと思っています。下手をしたら嫌われてしまうかも……。でも、そういうところが面白いキャラクターなんです。

――カグラギを演じていて、楽しいところはどこでしょう。

表向きの行動と違って、心の中で反対のことを考えている、企んでいるという部分を演じるときです。嘘をついているとき、含みを持たせるような微笑みを見せたりして、そういった細かな表現をするとき、楽しさを感じています。

――心に何かを秘めながら、表向きは別なことをしているというのは、「大人」のお芝居だといえますね。

撮影が始まってすぐのころ、上堀内佳寿也監督や脚本の高野水登さんからも「子どもには、ちょっと難しいかも」って言われました。でも同時に「回を重ねるごとにカグラギの良さが出てくる、いい役だから頑張ってね!」と励ましていただいたんです。今まで体の大きさを活かした、豪快な役柄を演じることが多かったのですが、今回の撮影でいろんな方たちから「顔を作るのが巧い」と褒めていただいたんです。思っていることとやっていることに違いがある、微妙な心境の変化がふと表情に現れるカグラギの様子が、面白く映っていればいいなと思いました。

――元ラガーマンの佳久さんだけに、力強いアクションが期待されていると思います。カグラギはどんなアクションスタイルなのでしょうか。

今でも体を動かしたりするのは好きなものですから、アクションにはこだわりたいですね。戦略・知力に長け、最初は争わないのかなと見せかけて、実は戦えばものすごく強いというのは、カッコいいですから。現段階ではまだカグラギの激しい戦闘はないようなので、これから剣を使ったカッコいい立ち回りがたくさんできるよう頑張っていきたいです。

――佳久さんは5人の王様の中では最年長ですね。やはり役を離れると、みなさんを引っ張る兄貴分的立ち位置なのでしょうか。

ぜんぜんそんなことなくて、他の若い仲間たちを背後から「見守る」タイプです。みんな若いのに、率先して動いたり、周囲への気遣いもできたりする。僕としてはただ、見守っているだけで彼らがどんどん成長していくという印象。とても頼もしいです。

――今後、戦隊ヒーローの大好きな子どもたちと接する機会が出てきそうな気配です。佳久さんは子どもがお好きですか?

ラグビーをやっていたころは、子どもたちにラグビーを教える機会が定期的にあって、けっこう人気があったといいますか(笑)。みんな慕ってくれていました。今でもすごく楽しい思い出として、心に残っています。身近にも、先輩や同期の方たちに幼いお子さんがいて、みんな『キングオージャー』の放送を楽しみにしているようなんです。今後イベントなどいろいろな機会で、子どもたちと仲良くなれたらいいな、と願っています。

――最後に佳久さんから、『王様戦隊キングオージャー』カグラギの見どころを聞かせてください。

カグラギは裏と表を使い分けるとか、「民を守る」目的のためには手段を選ばないとか、ヒーローらしからぬダーティな部分が多々あるんですけど、まずはその行動を追っていただいて、彼の真意を確かめてください。回を重ねていけば、カグラギを応援してよかった……と思えるようになりますので、そのとき、さらに愛していただけるのではと期待しています。1年間、頑張りますので、どうぞ熱い応援をお願いします!!

(C)テレビ朝日・東映AG・東映