ホンダがミニバン「ステップワゴン」(STEP WGN)でキャンプ用品ブランド「DOD」(ディーオーディー)とのコラボレーションを実施する。クルマでキャンプといえばSUVやキャンピングカーが思い浮かぶが、なぜホンダはステップワゴンのキャンパーを作ったのか。DODとのコラボ車両「ウサップワゴン」を取材してきた。

  • ホンダ「ステップワゴン」とDODのコラボ車両

    ホンダ「ステップワゴン」がDODとコラボ!

ステップワゴンとDODの共通点は?

DODは「Stay crazy」を標榜するアウトドアブランド。「子供みたいに圧倒的な遊び心を持ち続けることで、良い意味でクレイジーな大人を増やし、オフの時間から世の中をゆるくすること」をミッションに掲げる。

コラボ車両「ウサップワゴン」はDODのブランドカラーである「DODタン」に塗られたエクステリアが特徴。バンパーやドアハンドルなどはマットブラックに塗装してある。

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  • ボディカラーは「DODタン」に合わせてホンダが調合したとのこと。バンパーやドアミラーなどのマットブラックとコントラストが効いていてオシャレだ。ボディカラーだけでもカタログに加えて欲しいものだが……。それと、新型「カングー」にちょっと似てる?

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  • ルーフキャリアとリアのラダーも特別装備

  • ホンダ「ステップワゴン」とDODのコラボ車両

    日よけや雨よけに使える幕を引っ張り出せる「サイドオーニング」も装備。幕を展開する様子を見ていたが仕組みはとても簡単で、慣れれば2~3分で準備できそうだった

  • ホンダ「ステップワゴン」とDODのコラボ車両

    タイヤはオフロードに強いヨコハマタイヤ「ジオランダー」に換えてある

ステップワゴンを担当するホンダ広報の野々村宗さんによれば、同社ではクルマをアピールするうえで、従来型の「車種軸」「モノ軸」に加え、体験価値を重視する「コト軸」の展開にも注力したいと考えているそう。ファミリーカーとして買い物や子どもの送り迎えに使われることも多いミニバンだが、キャンプと組み合わせたホンダの提案はステップワゴンの新たな可能性を感じさせてくれる。ギラギラ、オラオラ系の顔が多い国産ミニバンだが、クリーンで温和(?)なフロントマスクを持つステップワゴン(特に「AIR」というモデル)はキャンプ場に乗っていっても違和感(威圧感?)がなく、すぐになじめそうだ。

  • ホンダ「ステップワゴン」
  • ホンダ「ステップワゴン」
  • こちらが「素」の「ステップワゴン」。写真は左が「AIR」(エアー)、右が「SPADA」(スパーダ)。野々村さんによればステップワゴンは受注好調な様子だが、部品供給などの問題により納期が伸びており、1年かかる場合もあるそうだ。ちなみにエアーの販売割合は2割程度らしい

ホンダはステップワゴン発売時、「キャンプグッズをクルマに積んで出かける想定」でクルマの撮影を行ったそうなのだが、その際にグッズを借りたのがDODだった。なぜDODだったのかといえば、キャンプが趣味の野々村さんが自らも愛用しているからという理由だったらしい。

出会いは偶然(?)だったステップワゴンとDODだが、話をする中で両者の共通点が浮上した。「30~40代のファミリー層をターゲットにしていること」と「高級志向というよりシンプルかつクリーンで遊び心のあるデザイン」(野々村さん)であることだ。そのあたりに共感するところもあり、ホンダから提案してコラボが実現したという。なぜ今、コラボ車両を発表したのかといえば、「今年は偶然ですが卯年ですし、キャンプシーズンが本格化する前にお披露目したかった」とのことだった。

コラボ車両は現状、とりあえず外観をカスタムしただけの状態。今後については「お客様と一緒に育てていきたい」という。DODもホンダもSNSをやっているので、いろいろと意見やアイデアを伝えてみるのも面白いかもしれない。コラボ車両を特別仕様車としてそのまま売る計画はないようだが、見た人の反応次第ではパーツやステッカーの商品化はありうるそうだ。