日本橋高島屋で3月23日から、開店90年特別企画展「松本幸四郎家 高麗屋展 松本白鸚・松本幸四郎・市川染五郎 -世代をこえて継がれる、ひとつの絆-」が始まりました。

  • 展覧会初日オープン前には松本幸四郎さん、市川染五郎さんのお2人が登場。特別展への想いを語った

2018年に歌舞伎界の大名跡、松本幸四郎家「高麗屋」にとって記念すべき三代同時襲名が行われました。二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎・八代目市川染五郎の3人が、その名とともに受け継ぐ「高麗屋」の精神。そして、3人が舞台で演じた数々の役と物語の世界を、舞台衣裳をはじめ、写真や映像、高麗屋に代々受け継がれてきた逸品などの貴重な展示品を通して、その魅力を存分に体感できる企画展となっています。

見どころはなんといっても、舞台衣裳と舞台写真で魅せる「高麗屋」の歌舞伎。『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」で白鸚さんが演じた松王丸、『一谷嫩軍記』「熊谷陣屋」で幸四郎さんが演じた熊谷次郎直実、そして『信康』で染五郎さんが演じた徳川信康の舞台衣装が目を引きます。

また、高麗屋に代々受け継がれる当たり役である『勧進帳』の弁慶にも注目です。祖父である白鸚さんが最年長記録を塗り替え、父・幸四郎さんは幼少期から憧れ演じた際には涙したほど、高麗屋にとって一つの大きな道標と言える特別な役だそう。会場には、18歳を迎える染五郎さんが弁慶への想いを込めて描いた、約5メートルにもなる力強く独創的な「弁慶」も特別に展示。染五郎さんがずっと抱いてきた弁慶への強い思いが伝わっる作品となっています。

  • 染五郎さんが描いた「弁慶」も特別に展示

会場には公式音声ガイドも用意され、幸四郎さんご本人の声で、展示品にまつわる貴重なエピソードや、高麗屋に代々受け継がれてきた大切な想いが語られます。音声ガイドには染五郎さんのコメントも収録され、ファンにはたまらないスペシャルなコンテンツに。(音声ガイドは1台600円)。

  • 入口のパネルに幸四郎さんと染五郎さんが直筆でサイン

入場無料とは思えないほど豪華で充実した展示内容は、歌舞伎ファンならずとも楽しめるはず。ぜひ「高麗屋」の歌舞伎の真髄を、間近で感じてみてはいかがでしょうか。

■information
「松本幸四郎家 高麗屋展 松本白鸚・松本幸四郎・市川染五郎 -世代をこえて継がれる、ひとつの絆-」
会場:日本橋高島屋S.C.本館8階ホール
期間:3月23日~4月3日
入場無料