第一三共ヘルスケアは、ブルーライトによる肌への影響に関する認知や対策の状況を確認することを目的に、ブルーライトに関する意識調査を実施した。同調査は2022年11月5日~6日の期間に全国の20代以上の男女400名を対象にインターネットにて行われたもの。

  • ブルーライトから連想するものは「スマホ・パソコンなどのデジタル機器」が89.3%と大多数。

まず、ブルーライトから連想するものについて聞いたところ、89.3%が「スマホ・パソコンなどのデジタル機器」と回答。次いで「テレビ」(23.0%)、「LEDライト」(15.5%)と続くが、圧倒的に「スマホ・パソコン」を連想する人が多いことがわかった。また、「太陽光」を連想した人はわずか3.8%となり、大多数はブルーライトと太陽光が結びついてないことが判明した。

  • ブルーライトの同時間における照射量について、7割以上が「スマホ・パソコン>太陽光」と誤解。

ブルーライトはスマホ・パソコンからも発せられているが、照射強度が格段に高いのは太陽光。しかし、今回の調査では、ブルーライトの同時間における照射量について、「太陽光」より「スマホ・パソコン」の方が多いと回答した割合は73.8%に上り、多くの人がブルーライトの照射強度を「スマホ・パソコン>太陽光」と誤解していることがわかった。

  • ブルーライトの影響が最も大きいものとして、「太陽光」と回答をした人はわずか2.8%。

続いて、ブルーライトによる影響が最も大きいと思うものを聞いたところ、89.0%が「スマホ・パソコンなどのデジタル機器」と回答し、「太陽光」と回答した人はわずか2.8%のみだった。このことから、発せられるブルーライトの強度が、スマホ・パソコンより太陽光の方が高いことを知らない人が多く、ブルーライトに対する正しい理解が進んでいないことが浮き彫りになった。

  • ブルーライトによる影響として、「肌への影響」を連想する人は1割程度。

ブルーライトの影響として連想するものは、「視力」(73.3%)が最も多く、次いで「眼精疲労」(73.0%)、「ドライアイ」(40.0%)の順となり、「目への影響」を連想する人が多いことがわかった。
一方、「肌の老化」「肌のしみ」といった「肌への影響」について連想する人は1割程度にとどまり、ブルーライトが肌の光老化促進の原因となることがほとんど知られていない状況にあることが明らかになった。

  • 太陽光による肌への影響の認知は約9割に上るも、そのうち太陽光に含まれるブルーライトによる肌への影響を意識する人はわずか1割程度。

次に太陽光による肌への影響については、91.1%が「あると思う(とてもあると思う+まああると思う)」と回答し、広く認知されている。しかし、太陽光による肌への影響が「ある」と回答した人のうち、ブルーライトによる肌への影響(肌の老化・肌のしみ)を連想する人は1割程度にとどまり、太陽光の中にブルーライトが含まれていることがほとんど認知されていない状況だ。

  • ブルーライトの対策として「目のケア」を行っている人は4人に1人以上いるものの 「肌のケア」を行っている人は2.3%のみ。

ブルーライトの対策については、半数以上(54.0%)が「特にケアしていない」と回答している。何かしらの影響があることを理解しつつも、実際にケアしている人は多くない。また、ケアの内容を見ると、「ブルーライトカットメガネの使用」(27.3%)、「長時間スマホ・パソコンを使用しないようにする」(16.0%)といった「目のケア」を行っている人は一定数いるが、「ブルーライト対策のための肌ケア」を行っている人はわずか2.3%のみであった。また、「長時間太陽光に当たらないようにする」という回答も14.0%にとどまり、ブルーライト対策としての肌ケアが浸透していない実態が明らかになった。

日差しが強い夏の時期には、日焼け止めなど「UVカット対策」をしている人も多いと思うが、「紫外線」と「ブルーライト」では光の波長が異なるため、一般的なUVカット剤ではブルーライトは十分に防げない。また長時間浴び続けると肌の光老化につながり、しみ・しわの原因になる。

  • 【参考情報】 スマホ・パソコンからどのくらいのブルーライトを浴びている?

ブルーライトの照射量としては、「太陽光」が最も多いものの、多くの人が認識しているように「スマホ・パソコン」からもブルーライトが放出されている。そこで今回、1日にブルーライトを浴びている時間に関しても調査した。

まず、「スマホ・パソコン」の利用時間について聞いたところ、3人に1人以上(34.5%)が「平日1日5時間以上利用する」と回答。また、寝る前のスマホ利用については、75.3%が「寝る30分前まで使っている」と回答し、多くの人が寝る直前までブルーライトを浴びていることがわかった。さらに、登校や出社などの外出で「太陽光」に当たる時間も含めると、起きてから寝るまで、わたしたちは1日を通して長い時間「ブルーライト」を浴びていることがわかる。

  • ブルーライトの影響を正しく理解して、日々のスキンケアの中でも対策を。

第一三共ヘルスケア・研究員によると、「太陽光」のブルーライト強度は「スマホ・パソコン」よりも圧倒的に高く、ブルーライトは紫外線と波長が近いが、より長波長であることから、紫外線よりも肌の奥まで到達し、一般的なサンスクリーン剤では防ぎきれないとのこと。

今回の調査結果からもわかるとおり、近年ではLEDライトなどの照明機器にブルーライトを使用するようになったことから、「ブルーライト=デジタル機器」のイメージを持つ方が多くいるが、実際には「太陽光」にも多くのブルーライトが含まれる。

ブルーライトに当たることで、肌に炎症が生じ、しわの原因となるコラーゲンの低下やしみの原因となるメラニンの産生促進を誘発することが研究結果により明らかになった。さらには、好中球といわれる免疫細胞にも働きかけ、それらを殺してしまうことがわかった。そのため、ブルーライトはしみ・しわなどの肌の光老化を誘発するだけでなく、好中球の細胞死を引き起こし、光老化を促進させると考えられる。

第一三共ヘルスケアが行った研究では、「トラネキサム酸」にはこれらのブルーライトによる光老化促進の要因を抑制する作用があることがわかった。そのため、トラネキサム酸が配合されたスキンケア製品を使うことで、ブルーライトの影響を低減できる可能性があると考えられそうだ。