メルセデス・ベンツが新型「GLC」発表! 全方位型の正常進化は成功した?

メルセデス・ベンツ日本がSUV「GLC」の新型を発売した。まずは2.0Lディーゼルターボエンジンのマイルドハイブリッド車(MHEV)「GLC 220 d 4MATIC 」の1グレード展開で、価格は820万円。予約注文の受け付けは3月16日に始まっており、納車は2023年3月下旬からを予定している。

メルセデス・ベンツが発表した新型「GLC」

後輪操舵のおかげで小回り性能向上!

GLCは「GLK」の後継として登場したSUV。初代は2016年に日本上陸を果たした。今回が初のフルモデルチェンジだ。

新型GLC発表会に登壇したメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長によると、同社ではGLCを含め計12モデルのSUVを展開中で、販売台数の約4割を占める。GLCは発売以来、日本におけるモデル別販売台数でトップ20に入り続ける人気車種で、世界ではGLKからの累計で計260万台以上が売れたメルセデスのベストセラーSUVだという。2022年だけで約35万台が売れたそうだ。

新型GLCは「先代のよさを残しつつ正常進化をとげた」(上野社長)モデルであるとのこと。同社営業企画部の上野麻海部長によると、まずはディーゼルを販売するがプラグインハイブリッド車(PHEV)や高性能バージョンAMGも導入する予定。ただ、時期までは聞けなかった。

左がメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長、右が上野麻海部長

正常進化というだけあって、新型GLCは一見すると大きく変わっていない。ボディサイズは全長4,725mm、全幅1,890mm、全高1,635mm。先代比で全長は50㎜増、全高は5mm減となる。全幅が広がらなかったのは日本の道路で乗ることを考えると朗報だ。

新型GLCはオプションで「リア・アクスルステアリング」を装着すると、ハンドル操作に合わせて後輪が独立して曲がるようになる。車速が遅い時には前輪と逆方向に曲がるので、小回り性能が高まる。具体的にいえば、最小回転半径は同オプションを装着すると5.1ｍで先代比500mm減となる。ちなみに、同オプションを装着しなくても5.5ｍで先代比100mm減だ。

横に大きくならなくてよかった

フロントマスクは「AMGライン」(オプション)を装着するとグリルが「スターパターン」になる。メルセデス・ベンツのエンブレムでおなじみの「スリーポインテッドスター」をちりばめたようなデザインで、同パターンを採用するSUVはGLCが初めてだ。

左が通常のグリル、右が「スターパターングリル」

インテリアはリアルウッドを使った高級感あふれる仕立て。「レザーエクスクルーシブパッケージ/AMGレザーエクスクルーシブパッケージ仕様」ではブラックのウッドにアルミニウムのラインが入り、豪華でありながらクールな印象になる。

ラグジュアリーな内装も特徴だ

新型GLCには一足早く乗ることができたのだが、一般道でも高速道路でも全くもって快適なクルマだった。高速道路を走っているとユサッユサッと揺すられる場合もあるのだが、これが不快ではなく、むしろゆったりとクルージングしている感じで心地よい。ディーゼルエンジンと聞いていたのに、ちっともうるさくないし振動もほとんど感じない。高速道路を設定した速度で走り、前にクルマがいる場合は追従してくれる「ACC」という機能の完成度は、いろんなクルマで試してきたがメルセデスが間違いなく最高峰だ。車線の中央をバシッとキープして走り続けてくれるので何の心配もいらない。

東京と千葉の木更津を往復した試乗では試せなかったのだが、新型GLCはオフロード性能が大きく向上しているそうだ。車両の傾きや路面の勾配などをひと目で確認できる新開発の「オフロードスクリーン」をメディアディスプレイに表示できたり、走行モードに「オフロード」が追加になっていたりするので、いろいろな路面で力を発揮してくれるはずだ。オプションの「AIRMATICサスペンション」を装着すれば、「オフロード」モード選択時に車高が15mm上がり、「スポーツ」モード選択時には逆に15㎜下がるようになるという。