• 『私のバカせまい史』 (C)フジテレビ

近年の傾向として、若手制作者の育成・コンテンツ開発を目的としたトライアル枠の強化があるが、ここから次のステージに進む番組が出てきた。

フジは、水曜深夜の『水曜RISE!』で6回放送した『私のバカせまい史』を、木曜21時に昇格。誰も調べたことがないせまい歴史をプレゼンする番組で、ギャラクシー賞月間賞の実績も持っており、中村室長兼部長は「昨年10月改編で次のGP帯を目指す番組を開発する深夜枠を作っておりましたが、その中から生まれるゴールデンタイム昇格第1号のバラエティとなります」とアピールした。

テレ東は、月曜深夜の『ドラスティック・マンデー』で放送した『正解の無いクイズ』を、月~水曜(17:30~17:45)という時間帯に編成。平山部長は「通常ですとレギュラー化は深夜枠にするのですが、今夕方帯でやっている『孤独のグルメ』(再放送、月~金木17:45~)の評判が良くて数字が上がっているので、そこにひも付けた感じで、“孤独”前の15分間編成します」と説明し、「まとめてどこかで特番を打つということもやると思います」と示唆した。

■『オールナイトフジコ』も「若手が自由に発想できる場」に

こうした成果が出てきたことを踏まえ、フジでは日曜深夜にも『日曜RISE!』枠を新設し、第1弾として、若手ディレクターと若手芸人がタッグを組む『深夜のハチミツ』を放送。これまでの深夜のトライアル枠は、単発や数回の限定レギュラーだったが、『日曜RISE!』以外の枠も含め、「1クール、2クールと、今までよりも長期にわたった編成」(中村室長兼部長)と、腰を据えて展開していく。また、金曜深夜に生放送する『オールナイトフジ』の復活版『オールナイトフジコ』も、総合プロデューサーの秋元康氏が「若手のクリエイターたちが、自由に発想できる場を作りました」と言うように、制作者の育成という役割を担うことになる。

TBSは、月曜24時台の『不夜城はなぜ回る』を終了し、再びトライアル枠『月バラナイト』を編成。福田健太郎企画総括は「30分枠にしたり、1時間枠にしたり、企画の特性に合った尺で編成していこうと思っています。コンテンツと人の育成は非常に大事だと思っておりまして、この先もコンテンツを生み出していくチャレンジを止めてはいけないということで、流動的で活用度が高い枠を編成させていただきました」と狙いを明かす。

『不夜城はなぜ回る』は、ギャラクシー賞の月間賞を受賞するなど評価が高い番組で、「非常に優れたコンテンツだと思っておりまして、その中で深夜での一定の役割は終えたのかなと考えております。(総合演出の)大前(プジョルジョ健太)ディレクターも、自分で出演しながら自分で編集して自分で演者とも対しながらやっていくスタイルは1つ確立したものができたと思っているので、今後自分が出演しないパターンだとか、幅を広げた演出の方法を見つけていってくれるように期待しております」(福田企画総括)と、新たなステージでの活躍を期待した。

  • 『バラバラ大作戦』新番組の出演者 (C)フジテレビ

テレ朝は、深夜のバラエティゾーン『バラバラ大作戦』を14番組から18番組へ拡大。お笑い界だけではなく、アーティスト、アイドル、スポーツなどさまざまなジャンルの顔ぶれによる10番組が始動する。奥川部長は「スタートから3年半経ちまして、全国ネットに昇格する番組やイベントで成功を収める番組も生まれてきています。この良い流れを受けて、さらなる企画の開発や、若手クリエイターの育成、多種多様な番組をもっとお届けすることで視聴者のニーズに応えていきたいということで、今回増枠として編成しております」と狙いを説明した。