パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda」は3月1日、ITエンジニア職に関する「doda ビジネスパーソンと企業の転職意識ギャップ調査」の結果を発表した。

調査は1月20日~27日、転職を検討している又は興味がある20~30代のITエンジニア職未経験者・微経験者・経験者200名(各年代100名、以下「個人」)、およびITエンジニア職人材の獲得経験がある20代~60代の人事担当者200名(以下「企業」)を対象にインターネットで行われた。

  • ITエンジニア職に対する興味関心度・重要度ついて

    ITエンジニア職に対する興味関心度・重要度ついて

個人に対し、ITエンジニア職に対する興味関心度について聞いたところ、94.5%が「興味・関心がある(とても+やや)」と回答。また、ITエンジニア職の採用重要度が「高い(とても+やや)」と回答した企業も96.5%にのぼった。

また、ITエンジニア職として働くことや採用についての意向を尋ねたところ、1年前と比べて「興味度や重要性が上がった」と回答したのは、個人72.5%、企業80.0%という結果に。個人に対し、興味や関心度が上がった理由を聞くと、「働き方が魅力的に感じた」「コロナの流行によって在籍している業界の景気が冷え込んでしまったから」「グローバルに職場を探せるので国内から出る機会をつかみたいと思ったから」など、働き方改善への期待や、業種を跨いだ異職種転職を含めたキャリアプラン拡大への期待などが見られたほか、「手に職をつけられそう」「需要がなくならなそう」という回答も多く、経済状況を反映した理由もITエンジニア職への就労ニーズに見受けられる結果となった。

  • 「ITエンジニア職」人材の確保方針と対象の内訳について

    「ITエンジニア職」人材の確保方針と対象の内訳について

続いて、企業に、ITエンジニア職人材を確保するにあたっての採用方針を教えてもらったところ、「中途採用で、実務経験者」が最多の84.0%と、実務経験者の採用が圧倒的に多いことが明らかに。しかしながら、一方で「中途採用で、実務経験はないが、軽微なエンジニアスキルがある人材」が52.0%で続いたほか、「未経験者の採用」も16.0%に上るなど、未経験者・微経験者への採用の広がりがうかがえる結果に。

また、実務経験者以外の採用を行っていると回答した企業へ、採用時に重視・優遇する経験や知識を尋ねたところ、「他社での経験値に期待」「IT以外に秀でた能力や実績」「自己改善に意欲的な姿」など、前職で身に着けた知見や経験をITと絡めた課題解決につなげたいという期待が伺えた。

  • 未経験・微経験で「ITエンジニア職」として働く場合の業務内容について

    未経験・微経験で「ITエンジニア職」として働く場合の業務内容について

次に、「ITエンジニア職」未経験者と微経験者へどのような業務に従事したいか、また企業へは各業務の未経験者・微経験者の採用実績を尋ねたところ、未経験者・微経験者ともに「Webエンジニア」(未経験者 27.4%、微経験者 36.6%)が最多となった一方で、採用実績は「社内SE」(未経験者 16.1%、微経験者 36.3%)がTOPに。「主に自社の課題解決を目的にシステムを導入・改修・運用する『社内SE』は、ビジネスへの理解力が重要となるため、ITスキルや実務経験が浅い対象者でも活躍しやすい傾向にあるよう」と同社。

また、「ITエンジニア職」に求められる・求めるスキルについて聞くと、未経験・微経験者ともに「現在トレンドなプログラミング言語、フレームワークの習得」(未経験者 24.7%、微経験者 16.9%)を求められていると考える人が最も多く、それ以降も技術的なスキルが上位に。しかし、企業が最も求めていることは「コミュ二ケーションスキルの向上」(25.0%)であり、個人と企業とのギャップがうかがえる結果となった。