福岡市交通局は5日、事前申込制のイベント「地下鉄七隈線延伸 博多駅見学会・延伸区間試乗会」を開催した。今年1月に参加者を募集したところ、9,000名を超える応募があり、定員を3,000名から3,500名に。午前の部・午後の部に分けてイベントを行った。

  • 福岡市交通局が「地下鉄七隈線延伸 博多駅見学会・延伸区間試乗会」を開催。試乗列車は3000A系を使用し、博多駅から天神南駅まで乗車できた

七隈線延伸区間の博多~天神南間は3月27日に開業予定。これに先立ち、新しくできた七隈線博多駅を見学するとともに、空港線と七隈線を結ぶ「動く歩道」などを体験でき、延伸区間を走行する列車にひと足早く試乗できる貴重な機会として、今回のイベントが開催されることになった。

博多駅から天神南駅への試乗列車は3000A系を使用し、30分間隔で4番のりばから発車した。当初は午前の部・午後の部で6本ずつ、計12本を運転する予定だったが、定員が増えたことから2本増便。午前の部は博多駅10時0分発から同駅13時0分発まで7本、午後の部は博多駅13時30分発から16時30分発まで7本、計14本の運転となった。列車1本あたり250名まで乗車可能で、とくに先頭車は多くの参加者でにぎわった。試乗列車の発車に合わせ、局員たちが手を振って見送る場面も見られた。

  • 試乗列車は30分おきに博多駅を発車。運転台後方のスペースに多くの人が集まっていた

  • コンコースの階段・エスカレーター付近に試乗受付を設置。試乗列車の発車後、次の列車に乗車する参加者たちがホームへ

  • 3番のりばに3000A系が展示され、車内も見学可能だった。ホームには3000A系など紹介するパネルも

  • 3000A系の試乗列車が博多駅に到着

  • 前の列車より多くの人でにぎわう車内

  • 局員たちが手を振る中、試乗列車が発車

隣の3番のりばにも3000A系が停車しており、車内を見学可能だった。運転席に座ることもできたため、こどもを運転席に座らせ、車外から撮影する親子の姿も。3000A系のデザインや安全対策を紹介するパネルもホームに置かれてあった。

七隈線のコンコース(地下4階)から乗換通路を通り、空港線ホーム(地下3階)への移動を体験することも可能だった。乗換通路では、七隈線(緑色)・空港線(オレンジ色)を示す大きな案内サインを掲出しており、案内サインの前で記念撮影を行う参加者も。福岡市地下鉄で初という「動く歩道」を利用する人も多かった。乗換通路を通ってエスカレーターを上がると、空港線ホームの近くまで見学エリアに。列車の乗降客が行き交う様子を間近に見ることができた。

地下4階の改札口付近では、普段入れない駅務室の内部も公開。物販コーナーも設けられ、七隈線の車両をデザインしたキーホルダーやエコバッグなどのグッズが販売されたほか、特選色の「はやかけん」も用意された。物販コーナー付近のスペースに「ちかまる」(福岡市交通局のマスコットキャラクター)が登場すると、こどもたちを連れた家族を中心に、記念撮影を希望する列ができていた。

  • 七隈線ホーム・コンコースと空港線ホームを結ぶ乗換通路の「動く歩道」を体験

  • 空港線ホームの手前まで見学エリアに

  • 多くの人が行き交う空港線ホームを見学

  • 駅務室の内部も見学可能だった

  • 改札口付近の物販コーナーで福岡市地下鉄の関連グッズを販売。現品限りという1000系の模型もあった

  • グッズの他に特選色の「はやかけん」も販売

  • 「ちかまる」との記念撮影も人気だった

  • 吹抜け空間に掲げられた懸垂幕を撮影する人も

福岡市交通局は3月27日の七隈線延伸開業に向け、今後も記念事業やイベントを開催する予定と発表している。開業記念グッズとして、3月6日にクリアファイル(300円)、3月27日にラバーキーホルダー(600円)とマスキングテープ(400円)を発売。3000A系をデザインした開業記念「はやかけん」(2,500円)も発売予定となっており、3月26日に空港線博多駅、3月27日に七隈線博多駅の特設ブースで販売される。開業日の3月27日、5時15分から博多駅の七隈線ホームにて一番列車出発式を開催。同日から地下鉄沿線の施設を巡るスタンプラリーも実施される。