公開初日を迎えたVシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』の舞台挨拶が10日、都内・新宿バルト9で行われ、主演を務める仮面ライダーライブ/五十嵐大二&仮面ライダーエビル/カゲロウ役の日向亘、仮面ライダーデモンズ/門田ヒロミ&ムラマサ役の小松準弥ほか主要キャストが登壇。『仮面ライダーリバイス』の集大成というべき本作の見どころや撮影裏話を笑顔で語り合った。
『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』は、2022年8月に最終回を迎えた特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』、そして同年12月公開の映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』の“その後”を描いたスピンオフ作品である。凶悪なテロ組織「アリコーン」によって少年少女が次々と誘拐・監禁され、平和維持組織ブルーバードに属する五十嵐大二、そして門田ヒロミたちが救出任務にあたった。しかしヒロミが被害者のひとり・留美を連れ去ったと疑いをかけられ、指名手配される事態が勃発。真相を探る大二は、ヒロミそっくりな姿をした謎の男・ムラマサに遭遇する……。
本作の主人公・仮面ライダーライブ/五十嵐大二、そして生真面目な大二とは性格が正反対で自由きままな悪魔、仮面ライダーエビル/カゲロウの2役を演じる日向亘は「大事に決めようか!」と大二の名セリフを叫び、観客を大いに沸かせた。
本作のもう一人の主人公、正義感の強い仮面ライダーデモンズ/門田ヒロミと謎の男ムラマサの2役を演じる小松準弥は「わが全身全霊をかけて、世界を守る!」と叫びつつ挨拶し、優しそうな笑顔をのぞかせた。
ヒロミと行動を共にする謎の少女・留美を演じる芹沢凜は「おじちゃん、誰?」と、劇中の印象的なセリフを発しつつ挨拶した。
アリコーンのリーダーを務める危険な男・染井俊一郎を演じる伊万里有は「俺……誰?」と芹沢のセリフをもじって絶妙なボケを放ち、劇中の邪悪なイメージをみじんも感じさせない人柄のよさを示した。
『仮面ライダーリバイス』テレビシリーズでは仮面ライダーリバイに変身して邪悪な敵と戦い、本作では大二に兄として優しい声をかける役割を担った五十嵐一輝役の前田拳太郎。登場直後、「一気に行くぜ!」と一輝の決めゼリフを放った後、「(このセリフを言うのも)これが本当に最後かもしれない」としみじみ噛みしめる光景が見られた。
続いて、今回のスピンオフ作品でメインを務めることになった日向と小松の現在の心境が語られた。
日向は「これまで1年半もの間、拳ちゃん(前田)が『リバイス』という作品を背負い、共演のみんなを引っ張ってくれていたので、最後は僕と準さん(小松)でビシッとした作品を届けたいと思った」と、『リバイス』の主演を務めあげた前田の労をねぎらい、手渡されたバトンをしっかり握って走りきろうという強い意志を示した。
小松もまた前田が駆け抜けた『リバイス』の1年半を称えつつ、「彼が背負ってきた主役という重圧を、こんどは僕たちが負わなければならないという覚悟がありました。しかし、隣にいつも日向がいてくれるので、心強かった」と、頼もしい相棒・日向の存在があってこそ、作り上げることができた作品だったと胸を張った。
撮影現場で、小松とのコンビネーションがどうだったかを問われた日向は「役の中でこうしていこうとか、話し合ったりはしなかったのですが、真夏の猛暑の中での撮影を乗り切るため、お互い励まし合いました」と、過酷な撮影の日々を送る中、お互いのよい部分を褒め合い、伸ばしていくよう努めたことを明かした。
小松も「ポジティブキャンペーン(笑)。今日のここ良かったぞとか、明日も頑張ろうね!とか、励まし合っていました」と、お互いを信頼し合い、精神的に支え合いながら撮影に臨んだと語った。
日向、小松の頑張る姿を現場で見ていた前田は「2人とも『リバイス』で絆を深めた大切な仲間なので、このような形(Vシネクスト)で『リバイス』の物語をしめくくってくれるのが嬉しかった。今回の映画には、2人の頑張りが詰まっています」と2人を絶大にリスペクト。この言葉に感動した日向は、前田に「ありがとう!」と嬉しそうなリアクションを返した。日向、前田のやりとりを見た小松は「ああ、いい時間だなあ」と心底幸せそうな表情で率直な感想を述べた。
心を閉ざしていた留美だが、どんなことがあろうとも自分を守ってくれるヒロミを信頼し「おじちゃん」と呼んで慕っている。劇中での留美の注目シーンを聞かれた芹沢は「ラーメン屋で、ヒロミさんに“メンマ”をぶちこむところです」と答え、周囲の爆笑を誘った。
伊万里が選ぶ本作の名シーンは、一輝と大二が風呂に入っているシーンだという。これについて日向は「僕らは1年半、裸をさらけ出してきたからね!」と、銭湯を舞台にした作品らしく、裸で湯船に入るシーンを多く撮ってきたことをふりかえり、さらには今回の入浴シーンがドラマ的に非常に重要だということも強調した。
伊万里はまた「首の皮膚が弱いのか、劇中では赤くなっていましたね。意外と肌が弱いのかなあ」と意味深な言葉を言って、劇中での染井が大二・ヒロミにとってかなりの脅威になることを予想させた。ステージ上の気さくで明るい伊万里を見た日向は、客席に向かって「このあと映画を観たら、今の伊万里さんとのギャップでびっくりすると思いますよ!」と、劇中の染井がいかに凶暴・兇悪な人物なのか、期待を大いにあおった。
日向が大二とカゲロウの2役を演じているように、小松もヒロミの他、謎の男ムラマサの2役を演じることになった。大二・カゲロウ・ヒロミ・ムラマサが絡むシーンで、小松は「4人いるシーンだけど、実際には2人しかいない。不思議な体験だなあと思った」と、ひとつの場所で2種類の演技をしなければならない「2役」の部分を見どころとした。
日向は印象に残っているシーンとして、留美が監禁されている場所に大二とヒロミが乗り込み、染井と対峙するくだりを挙げた。ここで4人がそろい、すぐ仲良くなったという話をした直後、そのシーンにまったく関わっていなかった前田の寂しそうな態度を観て「ごめん!」と謝るひと幕もあった。
伊万里は小松と現場で初めて出会ったときのことを克明に記憶しているという。それは、伊万里がお腹をこわしており、トイレに行きたかったからだった。小松は伊万里との初めて対面した際「気さくに話してくれて、めっちゃ優しそう。仲良くなれるだろうなあと思って、会話もすごく盛り上がったんです。でもそのあと『ゴメン、トイレはどこ?』って聞かれてね(笑)」と、伊万里のコンディションが悪かったため、会話の盛り上がりに制限がかかったことを明かした。
芹沢は撮影で楽しかったことについて「伊万里さんのおじさんギャグがすごく面白かった」と笑顔で語った。役柄では大二やヒロミと敵対する凶暴な悪役なのだが、実際はギャグの好きな優しい人物であることが、最年少キャストの芹沢から打ち明けられた。
「10年後に『リバイス』キャストがふたたび結集し、作品を作るなら?」という夢を語るコーナーでは、日向がノリノリで「大前提として、10周年記念作品はぜひやりたいですね」と意欲を燃やし、伊万里は「僕は通行人Aで出演したい」と言って笑わせた。やがて前田が「みんなで変身はしたいな」とライダーならではの希望を語ったら、小松は「『リバイス』は家族がテーマの物語だから、五十嵐3兄妹のうち誰かが家庭を持ち、その子どもがライダーに変身するとかいいかもしれません」とナイスなアイデアを提案した。芹沢は「10年後の留美を演じるのもいいですけど、まったく別な、悪役なんてやってみたいです」と言うと、伊万里から「敵にメンマをぶちこむ?」という合いの手が飛び、ステージも客席も大きな笑いに包まれた。
最後にマイクを握った小松は「今日はみなさんの声をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました!」と、マスク着用の上で発声可能ルールになった今回のイベントをふりかえりつつ「この作品はリバイスの集大成として、みんなが1年間の経験や思い出、すべてをぶちこんでいます。今回、映画が公開できるのは、みなさんがこれまで僕たちを愛してくださったこそ。みなさんへの感謝の気持ちを込めて撮影してきました。引き続き仮面ライダーを愛してください!」と挨拶し、つめかけた『リバイス』ファンたちにこれからも変わらぬ仮面ライダー愛を持ち続けてほしいと願った。
続いて日向は「『リバイス』はいったんここで終わるかもしれないけれど、仮面ライダーの歴史はこれからもずっと続いていきます。僕が「長い歴史の中の一人」になれたことが何より誇らしく思います。僕たちはこれから、それぞれの道で頑張っていきます。そして、10年後にみんなで再会して、なにか作品を作れたりしたら最高にいいなと思います。ファンの方々には、ずっと温かく見守っていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました!」と、澄んだまざなしを客席に向けて挨拶し、大盛り上がりのイベントをしめくくった。
Vシネクスト『リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ』は、全国劇場で2月10日より期間限定上映。2023年5月10日にはBlu-ray&DVDが東映ビデオから発売される。
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