サントリー食品インターナショナルは2月9日より、水道水などをまろやかな味わいの水に変えるミネラル in ウォーターキャップ「minel」(ミネル)を発売する。担当者は「専用キャップから植物ミネラルエキスを噴射させることで、家庭の水を一瞬で美味しくします」と説明する。
■minelの特徴
minelは、専用のペットボトルに取り付けて使用する商品。手のひらサイズのキャップ1個あたりに2mlの植物ミネラルエキスが入っている。使い方は簡単。専用ボトルに水道水や浄水などの飲用水を約1.5リットル入れ、minelでキャップをし、ひねると中から植物ミネラルエキスがプシュッと噴射されてボトルの水が「新たな美味しさ」に変わる。
植物ミネラルエキスには、塩素臭の低減を目的にした微粉砕竹炭なども配合。またキャップ1個あたり140mgのカリウムも含む。そしてナトリウム、マグネシウム、カルシウムの適度なバランスにより、飲用水を弱アルカリ性ならではのまろやかな口あたりと味わいに変えるという。
minelは1回ごとの使い切りタイプだが、専用ボトルは洗って繰り返し使用可能(交換の目安は3カ月)。サントリー食品インターナショナルでは、まずは専用ECサイトにて2月9日より抽選販売を開始する。
初回限定のスターターセット(キャップ6個セット、専用ボトル1本)は1,380円、キャップ6個セットは1,080円、専用ボトル(約1.5リットル)は300円。当選人数は5,000人で、抽選販売の応募期間は2月9日11時から2月28日23時59分まで。その後、一般販売をスタートする見込みだ。
今回、筆者も実際に試飲する機会を得た。はじめに"水道水のまま"、次に"minelを噴射した水道水"、という順序で飲み比べてみた。なるほど、minelを噴射した水道水は雑味のようなものが消え、飲み口が柔らかくなったのを感じる。水をろ過して飲みやすくする商品は市場にもあるが、成分を添加して水の味わいをマイルドに変化させる商品は珍しい。担当者は「ウイスキーの水割りにも、またお料理にもお使いいただけます」と説明していた。
■サントリーは水と生きる企業
登壇したサントリー食品インターナショナル代表取締役社長の齋藤和弘氏は「サントリーは創業した1899年以来、水と生きる、ということをずっとやってきた企業ではないかと思います」と話し、これまで"水資源の将来"を見据えた森林の保全・再生などにも積極的に取り組んできた、とアピールする。
山崎蒸留所は1923年に建設されており、ウイスキー事業は今年100周年を迎えた。また清涼飲料ブランドのカテゴリでは5年連続売上No.1を誇る(自社調べ)。とりわけ"水"に関しては、ロングセラー商品の「サントリー天然水」シリーズを展開し、ウォーターサーバーも提供している。そんな同社が、なぜいま水をテーマにした新商品開発に取り組むのだろう?
そんな問いかけに、齋藤社長は「従来のやりかたとは違うアプローチで消費者に水を届ける方法があるとすれば、それは我々がやらなくちゃいけない、と考えたからです」と説明する。例えばminelを利用すれば、ペットボトルの水を買い込んでおく必要がなくなる。部屋のスペースを圧迫せず、また買い物も楽になり、飲んだあとに空のペットボトルを捨てる手間もなくなる。齋藤社長は「小さなキャップで、日常生活が変わります」と話す。
ターゲット層については「若い人から、共働き世代、そしてお年寄りまで幅広い世代に。色んなかたに、色んな局面で使ってもらえるのではないでしょうか」とした。
当初は5,000名でテストマーケティングをし、その反応をみながら2年後をめどに、ある程度の規模感まで大きくするイメージを持っている。最後に「サントリーでは、新たな『水の選択肢』を提案していきます。我々の新たな挑戦は、小さな発明です。でも大きな1歩だと考えております」と言葉に力をこめた。