今回、再びナレーションのオファーを受けたが、スケジュールの都合で担当できないおそれがあった。それでも、「この作品に関わってくださった皆さんのおかげでかなうことができて、奇跡的にナレーションをやらせていただけたので、こうやって声を入れることができて、本当にうれしいです」と、喜びもひとしおだ。

それだけ思い入れが強い作品だけに、読むにあたっては“距離感”を考えたという。

「ここまで自分を重ねて愛美さんを応援しちゃってるから、その姿勢は良くないかなとディレクターさんに確認したら、『そのままの思いを全部投影して大丈夫です』と言っていただいたので、愛美さんを愛する気持ち、星組の方を尊敬する気持ち、そして自分自身を表現することに対しての誇りや、自分がファンの皆さんに思っていることとか、本仮屋ユイカとして感じる思いも、たくさん入れさせていただきました。ただ、『(スタッフに)ナレーションでそこまで気持ちを入れなくてもいいです』と言われたのは初めてです(笑)」

■収録中に何度も涙「自分も“ミニ星組”だと思って」

収録に向けて、読みの練習をした際、「あまりにも感動して、『これ、本番で読めるのかな…』と思うくらい泣いてしまったんです」と心配を抱えながら臨み、実際に本番中は何度も涙があふれてしまった。

しかし、「その悩みを全部取ってくれたのも愛美さんの姿でした」といい、「愛美さんは何かを見つめているとき、それしか目に入っていないような目の輝きがあるから、一瞬も目が離せないんです。真っすぐさとさらけ出す勇気を持っていて、かつ人の心に寄り添える愛情の深さが、美しさになっているんだと思います」と分析。涙で収録が中断してしまうことはなく、「星組の皆さんの熱量の足元にも及びませんが、自分も“ミニ星組”だと思って、気持ちを込めて読みました」と手応えを語った。

2年ぶりに愛美さんの映像を見て、「また愛美さんのショーを見に行きたいです」という本仮屋。だが、実際に対面するのは、「あんなに命を削っている愛美さんのまなざしを頂くことは申し訳ないので、またひっそり見て帰りたいと思います(笑)」と恐縮しながら、「私のこの熱い思いは、ラブレターとしてナレーションに込めているので、きっと放送で受け取ってもらえると思います」と願っている。

  • 思い悩む星愛美さん (C)フジテレビ

●本仮屋ユイカ
1987年生まれ、東京都出身。99年『わくわくサイエンス』(NHK)で芸能界デビュー。01年のドラマ『3年B組金八先生』(TBS)などの演技で注目を集め、05年NHK連続テレビ小説『ファイト』のヒロインに選ばれる。映画・ドラマのほか、『王様のブランチ』(TBS)で情報バラエティのMCも担当した。近年の出演作は『私の夫は冷蔵庫に眠っている』(テレビ東京)、『愛しい嘘~優しい闇~』(テレビ朝日)など。21年から「ゆいか」名義で歌手活動をスタート、現在は『地方創生プログラム ONE-J』(TBSラジオ)のパーソナリティも務める。