新潟県厚生農業協同組合連合会 糸魚川総合病院は1月24日、同院の健康増進課の研究チームと能生国民健康保険診療所、仙台頭痛脳神経クリニックの共同研究による「痛み止めの使いすぎによる頭痛(薬剤使用過多による頭痛、薬物乱用頭痛)有病率調査」の結果を発表した。

  • 薬物乱用頭痛のイメージ

コロナワクチン接種後の待機時間を利用した同調査においては、コロナワクチン接種後の待機時間を利用して、糸魚川総合病院と能生国民健康保険診療所で糸魚川市民を対象にアンケートを実施。

その結果、糸魚川地域では15歳〜64歳の人の2.32%が痛み止めの使いすぎによる頭痛になってしまっていることが疑われた。

同調査では、およそ50人に1人が頭痛に対して適切な治療を受けておらず、痛み止めの使いすぎにより頭痛が悪化している事が示唆される結果となり、これは諸外国の報告とほとんど同じほどの割合とのこと。

一方で、日本においては片頭痛に対する社会の認識は乏しく、片頭痛による社会的経済的損失は重大とされる。頭痛は適切な治療でその生活への支障を最小限にすることが可能な疾患である事からも、今回の調査をきっかけに片頭痛への理解、医療機関への適切な受診、痛み止めの使いすぎによる頭痛の予防・啓発が広まることが期待されるとのこと。

同研究は、神経科学雑誌「Neurological Sciences」への掲載が決まっている。