日本テレビ系ドラマ『ブラッシュアップライフ』(毎週日曜22:30~)の小田玲奈プロデューサーが、16日に放送された同局のトーク番組『イントロ』(同25:25~)に出演し、脚本のバカリズムや主演の安藤サクラの魅力などを語った。

  • ドラマに出演もするバカリズム=日本テレビ提供

安藤サクラ演じる平凡な女性・近藤麻美がひょんなことから人生をゼロからやり直すことになる“地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディー”の同ドラマ。小田Pと脚本を手がけるバカリズムは以前から一緒に作品を作ってきたが、今作が生まれたきっかけについて、「『生田家の朝』というZIP!の朝ドラマで初めてバカリズムさんとご一緒したときに、“いつか夜のGP帯のドラマでご一緒したいですね”と話していて。それからバカリズムさんにいろいろな企画をご提案をいただいた中で、“これがいい”と思い日本テレビに出した企画が通った。でもバカリズムさんからしてみたら“これが通ったの?”というものだったみたいです」と語る。

そんなバカリズムの脚本家としてのすごさを聞くと、「書くスピードが速いんですよ。とにかく1話書いてみます、みたいな感じでパッと書き上げる。しかも、いま台本は8話ぐらいまで出来上がっているんですけど、8話に出てくることをすでに第1話で言ってたよね、というのが山ほどある。最後どうなるかは決めてなかったのに、全て計算していたみたいに。すごい方だなって改めて思いました」と感服した。

また、バカリズムの脚本家としての視点に驚かされるといい、「今まで誰もそこを描いてなかったけど、みんな必ず一度は思ったよね、みたいなことをドラマにする天才。『人生をやり直す女性の話』というと一見壮大な感じだけど、実際に書いていることは日常にもほどがある(笑)」。

まるで日常をそのまま切り取ったかのような自然な会話劇も魅力の1つで、「たぶんこのドラマを見た方は、一体どこまでが脚本でどこからがアドリブ?と分からなくなるぐらい、その場で思ったことをしゃべっているように見えるかもしれないですが、意外と一語一句台本。台本で10ページのシーンなどがあるので、台本を渡された女優さんたちは“ウワーッ”ってなりそうに思うんですが、実は皆さん、説明ゼリフを1個覚えることのほうがよっぽど大変で、こういうセリフはわりとスムーズに覚えられるって言う。それを書ける脚本家はなかなかいないと思います」と解説した。

  • バカリズム(左)と安藤サクラ=同

一方、主演の安藤については、「ほんとに近藤麻美を生きているように自然」と、そのナチュラルな演技を絶賛。あーちん(安藤)、なっち(夏帆)、みーぽん(木南晴夏)の幼なじみ3人娘の距離感や緩さも絶妙で、「3人のあだ名も幼なじみ感があるし、ナチュラルで、ずっと会話を聞いていたい、いとおしい」と、本当の幼なじみのような3人のやりとりを楽しんでいるという。

主人公が33年前に戻って人生を0歳からやり直すため、劇中に映り込む小道具にも、「分厚いテレビの上にVHSが置いてあって、手書きで『家なき子』とか『古畑任三郎』とか書いてある。昔はそうだったよなぁって」とこだわりが。

他にも、たまごっち、光る携帯アンテナ、プロフィール帳、ゲームボーイアドバンスなど、子どもに戻った麻美が手にするアイテムは、当時本当に流行ったものばかり。「あっという間に通り過ぎちゃうシーンだけど、本当にあった物のほうが懐かしい気持ちになれるから」と重視している。

“地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディー”というキャッチコピーは、バカリズムが考案。そこには、「例えば、染谷将太さんが演じる福ちゃんは、今はラウンドワンで働いている設定で、本物のラウンドワンの制服を着て演じている。ほんとにラウンドワンに許可を得てやっているから、すごく説得力があるし、応援したくなるし、私たちが呼吸している世界と地続きになっていると感じる」と、ドラマを見る人の世界とドラマの世界とがつながっているからこその“地元系”だと力説した。

  • 染谷将太=同

最後に、ドラマをさらに楽しむためのポイントを聞くと、「何げないシーンにも全部意味がある! 第1話でびっくり仰天の伏線の張り方をしている。冒頭で妹の遥(志田未来)が何げなく言ったり、途中で3人娘たちがカラオケで何げなく話していたことが、信じられないぐらい何げない伏線になっている」と説明。第1話のラストで怒涛の伏線回収劇が展開されたが、「1話の中で回収されるだけじゃなくて、全話を通しても何げない伏線を張っている。来週の第3話では、第1話で映っていた“あのこと”が2周目の人生で違う動きを始める、びっくりする展開が待っています」と予告した。