原泰久氏による漫画『キングダム』は、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載中の中国史を題材とした作品です。

2012年よりテレビアニメ化され、2024年1月からは第5シリーズの放送が予定されています。また、実写映画化もされており、2019年4月には『キングダム』が、2022年7月には『キングダム2 遥かなる大地へ』が公開されました。2023年7月にはシリーズ第3弾『キングダム 運命の炎』の公開も予定されています。

紀元前、春秋戦国時代の中国という混乱の世を描いた本作には、多くの名セリフが登場しています。そこで今回は、マイナビニュース会員男女512名に『キングダム』に登場する名言についてアンケートを実施しました。

『キングダム』名言ランキング

マイナビニュース会員に『キングダム』に登場するセリフの中で印象に残っているものを聞いてみたところ、ランキングはこのような結果になりました。

1位「人の持つ本質は 光だ」【エイ政(えいせい)】(13.9%)
2位「最後まで戦うぞ秦の子らよ 我らの国を 絶対に守りきるぞ!!」【エイ政】(11.7%)
3位「戦は“数”じゃねェ “人”だ」【信(しん)】(8.4%)
4位「中華を分け隔てなく 上も下もなく 一つにする」【エイ政】(7.4%)
5位「“弱さ”があるから本当の“強さ”を知れるんだ」【河了貂(かりょうてん)】(5.2%)
6位「私は“絶対に勝つ戦”以外興味はない」【王翦(おうせん)】(4.2%)
7位「共に中華を目指しましょう 大王」【王騎(おうき)】(3.9%)
8位「全部上手くいく」【桓騎(かんき)】(3.6%)
9位「苦しいんなら俺の背を見て戦え 俺の背だけを見て 追いかけて来い!!」【信】(2.6%)
9位「“法”とは願い! 国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」【李斯(りし)】(2.6%)
11位「成し遂げぬわけにはいかぬじゃないですか!!」【渕(えん)】(2.3%)
11位「この死地に 力ずくで活路をこじあけます 皆の背には常にこの王騎がついてますよ」【王騎】(2.3%)
11位「命の火と共に消えた彼らの思いが全てこの双肩に重く宿っているのですよ」【王騎】(2.3%)
14位「………気にするな 俺はもう何度もお前につかまっている」【エイ政)】(1.9%)
14位「戦に慈悲は無用なれど奪い取った地にある民は奴隷に非ず 虐げることなく自国の民として同様に愛を注ぐこと」【王騎】(1.9%)
14位「あなたほどつらい経験をして王になる者は他にいません だから きっと あなたは誰よりも偉大な王になれます」【紫夏(しか)】(1.9%)
17位「飛信隊のために無茶をやるんだ」【羌カイ(きょうかい)】(1.3%)
17位「………もしお前らが本気で死んだ奴らのことを想うのなら奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!!」【信】(1.3%)
19位「そうじゃねェだろ 俺達はみんなてめェの足で立って戦ってんだ」【信】(1.0%)
19位「どんな理由であろうとクソヤロォは絶対許さねェ!! 相手が千人将だろうが将軍だろうが王様だろうが関係ねェ!! それがこれまでもこれからもずっと変わることのねェ俺の戦り方(やりかた)だ!!」【信】(1.0%)
19位「お前が羽ばたけば俺もそこにいる 信… 俺を天下に連れて行ってくれ」【漂(ひょう)】(1.0%)
19位「火を絶やすでないぞォ」【ヒョウ公(ひょうこう)】(1.0%)
23位「ガキ二人で胸高鳴らせた誰より強くてかっこいい天下の大将軍に… 俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」【信】(0.6%)
23位「悪いが宜しく頼むよ みんな」【蒙恬(もうてん)】(0.6%)
25位「お前がこの先他人のために何かできたらそれは私にとっても大きな意味をもつ どんなに些細なことでもいい……受けた恩恵を次の者へ」【紫啓(しけい)】(0.3%)
25位「豆つぶには豆つぶなりの強さがある すき間を抜く身軽さがあり結集すれば決して砕けねェ石にもなる!」【信】(0.3%)
25位「だってそれはこの期に及んでじーさんに一発逆転の好機が生まれたって話だろ! ケンカってのは最後に立ってた奴の勝ちだ」【信】(0.3%)
25位「心が渇いてねぇから略奪も凌辱も必要ねェんだ そんなことやんなくても 飛信隊はどこの隊よりも心が潤ってんだ」【尾平】(0.3%)
29位「勇猛と無謀は違う そこをはき違えると何も残さず早く死ぬ………」【縛虎申(ばくこしん)】(0.0%)
29位「………これからもお前はそうやって大勢の仲間の思いを乗せて天下の大将軍にかけ上がるんだ」【尾到(びとう)】(0.0%)

心に残る一言だらけ! 『キングダム』の名言・名セリフ一覧

ここからはランクインした『キングダム』の名言や名セリフが生まれたシーン、名言に寄せられたコメントなどを解説していきます。

1位「人の持つ本質は 光だ」【エイ政(えいせい)】

1位は、国王・エイ政のこの言葉です。

長きにわたり対峙してきた呂不韋との戦いに終わりが見えた頃、2人は天下についての考えを述べ合います。人をコントロールして天下を収めると言う呂不韋に対して、政はこの言葉を返すのでした。

もともと地獄のような暮らしをしていた政ですが、紫夏(しか)との出会いによってはじめて人間に光を見いだすことができました。人の闇にのまれかけた政が言うからこそ、希望が感じられる一言となっています。

・「シンプルな言葉で好きです」(男性41歳)
・「希望を持てるすてきな言葉だと思った」(女性50歳)
・「光の中に希望を見いだしその希望に向かってバトンをつなぐ様を表すかのような言葉には涙が出ました」(男性43歳)
・「感動した」(男性50歳)
・「言葉に重みがありとてもカッコいいと思う」(女性50歳)

2位「最後まで戦うぞ秦の子らよ 我らの国を 絶対に守りきるぞ!!」【エイ政】

2位に選ばれたのは、合従軍対秦との戦いで激戦地となったサイにて、民衆の士気を最大限にまで引き上げたエイ政の言葉です。

戦力のない当時のサイに、合従軍を迎え撃つ力はありませんでした。しかしサイが破られれば、秦が滅亡する可能性が濃厚に。そこで大王の政は自らサイに赴き、住民を鼓舞するのでした。住民を“秦の子”と呼び、彼らに視線を合わせる政は立派な国王となっていました。

・「政の王としての素質やリーダーシップ性を一番表わしているセリフだと思います」(男性29歳)
・「セリフ聞いて鳥肌がたった」(女性37歳)
・「王の覚悟と民主への愛を誓った言葉で感動した」(女性68歳)
・「内容に共鳴した」(男性33歳)

3位「戦は“数”じゃねェ “人”だ」【信(しん)】

戦場での本質を見抜いた信(しん)のこの言葉が3位に選ばれました。

呂不韋という強敵と対峙する以上、エイ政側は苦難の連続でした。ある時、無謀ともいえる作戦に対して、万の軍勢に10人で立ち向かうようなものだという批判の声が上がりますが、信はこの言葉を返します。

物語を通して、信と政は人間の持つ力を信じて突き進んでいます。数で圧倒されようとも信念が一切ブレないことを示す印象的な名言です。

・「人を信じることが難しくなった現代において、命をかけて信じることの大切さを教えてくれる言葉」(男性64歳)
・「心にグサッと刺さった」(女性46歳)
・「信の大ファンなので、このセリフは印象に残っています」(女性40歳)
・「このセリフを見て確かにそうだと思ったのでとても印象に残っています」(男性62歳)

4位「中華を分け隔てなく 上も下もなく 一つにする」【エイ政】

呂不韋との直接対決の場でエイ政が語った国家の理想が4位にランクインです。

当時、中華統一なんてことは多くの人が非現実的な夢物語として受け止めていましたが、政は本気で中華を一つにまとめようと考えていました。

戦国の時代に争いがなくなることはないことは百も承知。それでも政は、次世代で争いがなくなるように、自分の代で中華統一を果たそうとしていたのです。未来を見据えた国王らしい名言でした。

・「壮大な目標に向かっていく姿が感じられた」(男性44歳)
・「乱世の時代において大きな夢を短い言葉でまとめた言い回しが今も強く印象に残っている。すばらしい言葉だと思います」(男性58歳)
・「決して順風満帆な人生を送ってきていない政の思いがこもったセリフ」(女性42歳)

5位「“弱さ”があるから本当の“強さ”を知れるんだ」【河了貂(かりょうてん)】

5位にランクインしたのは、初陣を終えて落ち込む弓使いの仁(じん)に、軍司・河了貂(かりょうてん)がかけたこの言葉です。

仁は弓使いの名手として援護射撃を任されましたが、自分の弓は確実に敵の命を奪うと確信すると恐怖で手が震えてしまうのでした。河了貂は仁が抱える胸の内を察し、この言葉を掛けました。自分の作戦で多くの犠牲が出ることの苦しみを受け入れた河了貂だからこそ言える名言です。

・「よく耳にするセリフでも、それを言っているキャラクターによって心に響く名言になる」(女性46歳)
・「やさしさの本質を感じる」(男性46歳)
・「現代にも通じる言葉だと思いました」(男性60歳)

6位「私は“絶対に勝つ戦”以外興味はない」【王翦(おうせん)】

蒙ゴウ(もうごう)の副将である王翦(おうせん)が、廉頗(れんぱ)との戦いの際に言った言葉が6位となりました。

王翦は王を目指す野心家でありながら、心理戦を得意とする冷静さも持ち合わせています。そのため山陽での戦いの際、決して不利ではなかったにもかかわらず相手の挑発に乗ることなくこの言葉を残し撤退しました。

一見逃げ腰な言葉にも見えますが、あまたの戦術と勝利への強い執着がある王翦だからこそ成立する言葉と言えるでしょう。

・「絶対に勝つという強い気持ちに感動」(男性56歳)
・「王翦らしさがよく出ている」(男性55歳)
・「使う時を考えないと……という言葉ですが、王翦が言うととにかくカッコイイ」(女性60歳)

7位「共に中華を目指しましょう 大王」【王騎(おうき)】

昭王にのみ仕えていた六大将軍の最後の生き残りである王騎(おうき)が、エイ政に忠誠を誓ったことを示す言葉が7位にランクインしました。

中華統一を目指す政に、秦王たる素質を感じた王騎は秦軍総大将として馬陽へと出陣します。

王騎は政と信という次世代の希望と出会いますが、残念ながら馬陽の戦いから戻ることはかなわず戦死しました。報告を受けた政は出陣前の王騎とのこのやり取りを思い返し、肩を震わせ涙するのでした。

王騎がどれだけ偉大な人物だったかが伝わり、政とともに涙を流してしまいそうになるワンシーンです。

・「王騎、本当にかっこいい」(男性37歳)
・「なんだかんだでかっこいい」(男性39歳)
・「王騎が好きだからグッとくる」(男性51歳)

8位「全部上手くいく」【桓騎(かんき)】

8位に選ばれたのは、函谷関の戦いで敵へと向かう桓騎(かんき)が言った、部下のためらいを一気に晴らしたこの言葉です。

戦の天才と呼べるほどのセンスを持つ桓騎は、時に残虐な戦術を採用しますが、持ち前のカリスマ性で部下からは慕われていました。戦場で数多くの敵兵に突撃することは計り知れない恐怖や不安が伴うはずです。しかし桓騎は、たった一言で部下を安心させ軍としての士気を最大限まで高めるのでした。シンプルだからこそ心に響く言葉です。

・「自信に満ちている感じがいい」(男性31歳)
・「自分にもよく言い聞かせているフレーズ」(女性48歳)
・「前向きなセリフで勇気もらえた」(男性52歳)

9位「苦しいんなら俺の背を見て戦え 俺の背だけを見て 追いかけて来い!!」【信】

趙国の将軍・慶舎(けいしゃ)との戦いで戦意を失いかけていた部下を鼓舞した信の叫びが9位に選ばれました。

この戦いで飛信隊は、敵兵に押されていました。戦場という場で戦意を失う事は死と直結します。部下の士気が下がったことにいち早く気付いた信はこの言葉を叫び、自らが先陣を切って敵陣へと向かっていくのでした。これにより飛信隊は息を吹き返し、一気に形勢逆転します。信と飛信隊の絆が伝わる場面です。

・「男らしくて頼もしくて格好良い」(男性40歳)
・「揺るぎない決意を感じるセリフ」(男性57歳)
・「がんばる姿に感動する」(男性59歳)

9位「“法”とは願い! 国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」【李斯(りし)】

同じく9位にランクインしたのは、法の番人である李斯(りし)が昌文君(しょうぶんくん)に対して言ったこの言葉です。

昌文君は、法は刑罰によって人を律するためのものと考えていましたが、李斯は法に期待を込めていました。法の番人にふさわしく、法を重要視する重みのある言葉です。

・「高校で世界史選択で春秋戦国時代もよく学んでいたため、法律が国に及ぼす影響を述べたこのセリフがかっこよかった」(女性23歳)
・「法律がすべて正しいとは限らないことをよくあらわした名言だと思う」(男性64歳)
・「古今不変の真理だと感じました」(男性60歳)

11位「成し遂げぬわけにはいかぬじゃないですか!!」【渕(えん)】

11位に選ばれたのは、飛信隊の副長を務める渕(えん)のこの言葉です。

渕は知力も武力も人並みで特に大きな手柄をあげることはありませんが、責任感だけは人一倍ありました。黒羊戦ではその責任感の強さから、激流の河を渡り道を作るという大役を見事に務めあげています。信と河了貂からの強い信頼が、渕にこの言葉を言わせました。

・「信や政や王騎などではなく、地道で損な役回りの星の下に生まれたような渕さんだからこそ重みを感じさせる言葉」(男性59歳)
・「この言葉強烈に心に響きます」(男性75歳)
・「何とも言えない躍動感と現実味のある表現が好き」(男性64歳)

11位「この死地に 力ずくで活路をこじあけます 皆の背には常にこの王騎がついてますよ」【王騎】

数で圧倒する敵軍を前に、死に物狂いで戦うことを強制した王騎(おうき)が部下たちの闘志に火をつけたこの言葉が、同率で11位になりました。

李牧(りぼく)率いる趙軍の兵は王騎軍の約十倍。王騎軍の兵士たちは絶望しますが、王騎は大将としてそんな彼らに一人あたり十人の敵を倒すことを義務付けます。具体的なゴールを示し、さらに後ろには大将軍である自分が控えていると伝えることで、一気に戦場の空気を変えてみせた名言です。

・「正に強いリーダーがチームを勝利に導く熱い言葉です」(男性55歳)
・「王騎のとてもかっこいいセリフとシーンでした」(男性39歳)
・「キングダムで一番好きなのが王騎将軍! この人の強さと魅力はすばらしい」(男性52歳)

11位「命の火と共に消えた彼らの思いが 全てこの双肩に重く宿っているのですよ」【王騎】

同じく11位に選ばれたのは、王騎の強さが理解できないホウ煖(ほうけん)に対して言ったこの言葉です。

1人で山にこもり鍛錬を積み重ねてきたホウ煖に対し、王騎は戦場で何万もの仲間の死を見届け、それを受け止め進み続けていました。天下の大将軍とも言える王騎は、今は亡き仲間の思いも背負い戦っているからこそ強く、彼らを思い続けているからこそ、何万もの兵を束ね先頭に立ち続けられたのでしょう。

・「心にぐっと突き刺さるような印象的な言葉だと思いました」(女性34歳)
・「大将の心意気を感じる」(男性68歳)
・「為政者として忘れがちだが最も大切な点をさとしている」(男性46歳)

14位「………気にするな 俺はもう何度もお前につかまっている」【エイ政】

14位にランクインしたのは、戦でボロボロになった信を受け止めたエイ政がつぶやいたこの言葉です。

合従軍との戦いで疲弊した飛信隊。さすがの信も満身創痍で、今後の希望も見いだせず絶望的な状態でした。そんな信の前に現れたのが政です。

珍しく弱気なまま寄りかかる信を見た政はこの言葉をかけるのでした。王と兵士ではなく、友人としての絆が感じられる胸が熱くなる場面です。

・「かっこいいと思いました」(男性46歳)
・「一瞬キュンとした」(男性46歳)

14位「戦に慈悲は無用なれど奪い取った地にある民は奴隷に非ず 虐げることなく自国の民として同様に愛を注ぐこと」【王騎】

同じく14位には、王騎がエイ政を秦王と認めた時に伝えた言葉が選ばれました。

これは昭王の遺言であったものの、政は教わったことがありませんでした。なぜなら昭王は王騎に、この遺言を伝える相手は昭王の遺志を継ぐ素質がある秦王のみにするよう託していたからです。

そしてその判断を一任された王騎は、先代の王には伝えず政にのみ昭王の遺言を聞かせたのでした。国や人を思う気持ちが次世代につながった瞬間で、その重みが伝わる名言です。

・「これぞ君主の見本となるべき言葉」(男性69歳)
・「一人の人間として、このような気持ちは持ち続けたいと思う」(男性62歳)

14位「あなたほどつらい経験をして王になる者は他にいません だから きっと あなたは誰よりも偉大な王になれます」【紫夏(しか)】

エイ政の命の恩人である紫夏(しか)の死に際の言葉が、同率で14位にランクインしました。

まだ幼い政が趙で経験してきた迫害や虐待を知った紫夏は、命懸けで政を守り趙から逃がそうとします。

しかし、秦の後継者となる政を狙うものからの攻撃で紫夏は致命傷を負ってしまうのでした。それまで敵意しか向けられてこなかった政は、自分を守るため命を懸けた紫夏の姿を見て、感情を取り戻す事ができました。

・「感動的で心に響く言葉」(男性48歳)
・「苦労は包容力を育てる」(男性63歳)

17位「飛信隊のために無茶をやるんだ」【羌カイ(きょうかい)】

復讐のために生きていた羌カイ(きょうかい)の心境の変化が感じられるこの言葉が17位にランクインしました。

信と出会ったころは仲間と打ち解けようとせず、1人でいることが多かった羌カイですが、飛信隊で多くの戦を経験したことで徐々に変化が見えはじめます。そしてついには自ら率先して仲間のために戦うようになるのでした。

いつしか飛信隊が羌カイの居場所となり、生きる意味になったことが伝わる名言です。

・「信のために動こうとする気概が表れている」(男性42歳)

17位「………もしお前らが本気で死んだ奴らのことを想うのなら 奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!!」【信】

山の民にエイ政が処刑されそうになった時の信の叫びが、同率で17位に選ばれました。

かつて山の民は未来永劫、秦と協力関係でいようと考えていましたが、当時の王の死後、山の民は秦から迫害を受けてしまいます。

祖先がつらい目にあわされたことで、その子孫たちは信や政を憎み殺そうとしますが、信の叫びが山の民の暴走を止めたのでした。これを機に、秦国と山の民はふたたび協力関係となっています。

・「信の熱い思いが伝わる」(男性59歳)
・「この作品で亡くなった人たちのことを思い出して泣きそうになった」(女性46歳)

19位「そうじゃねェだろ 俺達はみんなてめェの足で立って戦ってんだ」【信】

19位に選ばれたのは、廉頗(れんぱ)軍四天王・輪虎(りんこ)との戦いで信が言った言葉です。

戦争孤児でいつ死んでもおかしくなかった輪虎は、廉頗に拾われたことで兵士としての才覚を開花させ、四天王の地位にまで上りつめました。

これを天のめぐりあわせだと考える輪虎に対して、信は今まで出会った人の思いを全部背負って自分の足で進んでいくものだと主張します。仮に運命で決められた道があったとしても、自分の意志で切りひらこうとする信の強い思いが感じられる名言です。

・「劇的なシーンで圧倒され感動した」(男性54歳)

19位「どんな理由であろうとクソヤロォは絶対許さねェ!! 相手が千人将だろうが将軍だろうが王様だろうが関係ねェ!! それがこれまでもこれからもずっと変わることのねェ俺の戦り方(やりかた)だ!!」【信】

同率で19位に選ばれたのは、降伏した人間相手に容赦ない行いを働く千人将を許すことが出来なかった信の叫びでした。

階級が重視されるこの世界で当時まだ三百人将だった信が、千人将に反抗すれば厳しい罰が与えられるはずです。それでも信は自分の信念を曲げることはなく、千人将に斬りかかり飛信隊の仲間の前でこう言い放つのでした。

相手が誰であろうと、どんな懲罰が待っていようと、最後まで信念を貫き通し、しかもその姿を自分の部下に示したかっこいいシーンです。

・「戦いのシーンの多い作品の中で、真の信念を感じる言葉」(女性66歳)

19位「お前が羽ばたけば俺もそこにいる 信… 俺を天下に連れて行ってくれ」【漂(ひょう)】

19位は、信とともに大将軍になることを目指していた親友・漂(ひょう)の最期の言葉です。

エイ政の影武者として致命傷を負った漂は、村に残った信の元で息を引き取ります。その際、泣き叫ぶ信に対して漂はこの言葉をかけ亡くなるのでした。早々に亡くなってしまう漂ですが、漂と過ごした幼少期や最期の会話の記憶が、その後も信を支え続けています。

・「親友の信とともに、大将軍を目指して闘い続けていくなか、その夢を信に託していく思いを最大限あらわした心に残るセリフだと思う」(男性53歳)

19位「火を絶やすでないぞォ」【ヒョウ公(ひょうこう)】

同じく19位には、合従軍との戦いでヒョウ公(ひょうこう)が信に言った最期の言葉が選ばれました。

ヒョウ公は六大将軍にも劣らない実力者で、戦場を“燃え盛る大炎”と捉える攻撃的な武将です。

ホウ煖との戦いで戦死してしまいますが、ヒョウ公は死に際に信へこの言葉を遺すのでした。その後信はヒョウ公の思いも胸に、さらなる高みへと駆け上がることになります。

・「ともに中華を目指すという含みがあり、奥深さを感じました」(女性57歳)

23位「ガキ二人で胸高鳴らせた誰より強くてかっこいい天下の大将軍に… 俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」【信】

桓騎(かんき)軍にやられた尾平(びへい)に言った信の言葉が23位に選ばれました。桓騎軍にそそのかされ悪行を働いた尾平を飛信隊から追放した信でしたが、暴行を受け気絶した尾平の元を訪れます。そこで信は、子どもの頃に漂とともに目指した将軍像の話をしました。

子どもの頃の夢を今も変わらず本気で追い続けているからこそ、尾平の行動を許せなかった信のブレない決意が伺える名言です。

・「とても応援したくなる」(女性57歳)

23位「悪いが宜しく頼むよ みんな」【蒙恬(もうてん)】

信(しん)のライバルの1人で、楽華隊の大将を務めた蒙恬(もうてん)の言葉が、同率で23位となりました。

武将としてはおだやかで普段から部下を鼓舞するタイプではない蒙恬。しかしそんな蒙恬だからこそ、絶対に負けられない場面で隊の士気をあげるには、この一言で十分でした。

熱い言葉で仲間を鼓舞する将軍が多いなかで、蒙恬のさわやかさはとても印象に残ります。祖父の蒙ゴウ(もうごう)総大将の影響を受けていることも伝わる名シーンです。

・「自分の中で非常に心を打たれる場面だった」(男性42歳)

25位「お前がこの先他人のために何かできたらそれは私にとっても大きな意味をもつ どんなに些細なことでもいい……受けた恩恵を次の者へ」【紫啓(しけい)】

紫夏(しか)の恩人の紫啓(しけい)が、死に際に遺した言葉が25位となりました。

紫啓は、自分が受けてきた恩はすべて紫夏たちに注いできたつもりだから、紫夏にもそのように生きてほしいと伝えます。人によくしてもらったらその人に恩返しをして完結させるのではなく、受けた恩を次の人につなぐという心温まる考え方を示したすてきな言葉です。

・「とても響く言葉」(男性43歳)

25位「豆つぶには豆つぶなりの強さがある すき間を抜く身軽さがあり結集すれば決して砕けねェ石にもなる!」【信】

同じく25位となったのは、“飛信隊”という名をくれた王騎に対して信が言ったこの言葉です。

王騎は、信に武将の首を取ってくるよう伝えますが、相手方には二万もの兵がいました。それに対して飛信隊はたったの100人。これは完全に王騎からのムチャぶりです。

しかし信は、人数が少ないことを不利と取るのではなく、少人数だからこそできることを即座に考えていました。信にリーダーとしての素質が見えるワンシーンです。

・「かっこよくて印象的だった」(女性47歳)

25位「だってそれはこの期に及んでじーさんに一発逆転の好機が生まれたって話だろ! ケンカってのは最後に立ってた奴の勝ちだ」【信】

信(しん)が蒙ゴウにかけたこの言葉が、25位となりました。

蒙ゴウ大将軍と言えば城取り名人として知られ、信も子どもの頃からその名を聞いたことがある程の有名人です。しかしこの時蒙ゴウは歩兵に変装していたため、信はその正体に気付かず会話するのでした。

廉頗との戦いを前に弱気になった蒙ゴウでしたが、勝ち逃げのチャンスだとどこまでも前向きな信に、背中を押されていました。

25位「心が渇いてねぇから略奪も凌辱も必要ねェんだ そんなことやんなくても 飛信隊はどこの隊よりも心が潤ってんだ」【尾平】

城戸村の頃から信と顔なじみだった尾平の言葉が、同率で25位になりました。

尾平が略奪や虐殺をいとわない桓騎軍にそそのかされたことを知った信は激怒し、尾平を飛信隊から追放します。

しかしその後尾平は、信を悪く言った桓騎軍に反抗し暴行されました。尾平は無法地帯となった桓騎軍に身を置いた事で飛信隊の豊かさに気付くのでした。人を思う信の意思が隊員に伝わっていることがわかる感動的な場面です。

・「とても感動した」(男性53歳)

29位「勇猛と無謀は違う そこをはき違えると何も残さず早く死ぬ………」【縛虎申(ばくこしん)】

29位は、ヒョウ公将軍の配下で千人将を務めていた縛虎申(ばくこしん)の最期の言葉です。

信は初陣で縛虎申の隊に所属し、魏軍と戦いました。大きな犠牲を払い、縛虎申も敵将を討ち取るものの致命傷を負ってしまいます。

撤退を進言する縛虎申に対して、信は勝機がなくても戦い続ける意思を示しますが、この言葉により止められました。特攻好きとうわさされていた縛虎申ですが、攻め時と引き際を誰よりも理解し、仲間が無駄死にすることを避けてきたことが伝わる名言です。

29位「………これからもお前はそうやって 大勢の仲間の思いを乗せて天下の大将軍にかけ上がるんだ」【尾到(びとう)】

信とは幼い頃からの顔なじみで、飛信隊の仲間である尾到(びとう)が死に際に信に掛けた言葉が29位となりました。

信は趙軍との戦いのなか、ホウ煖に圧倒され絶体絶命となりますが、仲間の助けにより窮地を脱します。瀕死の信は尾到に背負われ逃走しますが、実は尾到も深手を負った状態でした。

実際に戦場を経験した2人は、下僕から将軍になることの難しさを実感します。死んだ仲間の力も全て信の力になると伝える尾到は、残酷な現実に負けず、大将軍になる夢を追い続けるよう信に伝えて息を引き取るのでした。

『キングダム』のキャラ別名言

『キングダム』には主人公の信をはじめとする個性豊かなキャラクターたちが数多く登場しますが、ここからはキャラ別の名言を紹介します。今回のアンケートに惜しくもランクインしなかったものも含めてまとめました。

信の名言

  • 「戦は“数”じゃねェ “人”だ」
  • 「苦しいんなら俺の背を見て戦え 俺の背だけを見て 追いかけて来い!!」
  • 「………もしお前らが本気で死んだ奴らのことを想うのなら奴らの見た夢を現実のものに変えてやれよ!!」
  • 「そうじゃねェだろ 俺達はみんなてめェの足で立って戦ってんだ」
  • 「どんな理由であろうとクソヤロォは絶対許さねェ!! 相手が千人将だろうが将軍だろうが王様だろうが関係ねェ!! それがこれまでもこれからもずっと変わることのねェ俺の戦り方(やりかた)だ!!」
  • 「ガキ二人で胸高鳴らせた誰より強くてかっこいい天下の大将軍に… 俺は本気でそういう将軍になりたいと思ってる」
  • 「豆つぶには豆つぶなりの強さがある すき間を抜く身軽さがあり結集すれば決して砕けねェ石にもなる!」
  • 「だってそれはこの期に及んでじーさんに一発逆転の好機が生まれたって話だろ! ケンカってのは最後に立ってた奴の勝ちだ」

エイ政の名言

  • 「人の持つ本質は 光だ」
  • 「最後まで戦うぞ秦の子らよ 我らの国を 絶対に守りきるぞ!!」
  • 「中華を分け隔てなく 上も下もなく 一つにする」
  • 「………気にするな 俺はもう何度もお前につかまっている」

漂の名言

  • 「お前が羽ばたけば俺もそこにいる 信… 俺を天下に連れて行ってくれ」

羌カイの名言

  • 「飛信隊のために無茶をやるんだ」

王騎の名言

  • 「共に中華を目指しましょう 大王」
  • 「この死地に 力ずくで活路をこじあけます 皆の背には常にこの王騎がついてますよ」
  • 「命の火と共に消えた彼らの思いが全てこの双肩に重く宿っているのですよ」
  • 「戦に慈悲は無用なれど奪い取った地にある民は奴隷に非ず 虐げることなく自国の民として同様に愛を注ぐこと」

河了貂の名言

  • 「“弱さ”があるから本当の“強さ”を知れるんだ」

王翦の名言

  • 「私は“絶対に勝つ戦”以外興味はない」

桓騎の名言

  • 「全部上手くいく」

ヒョウ公の名言

  • 「火を絶やすでないぞォ」

蒙恬の名言

  • 「悪いが宜しく頼むよ みんな」

縛虎申の名言

  • 「勇猛と無謀は違う そこをはき違えると何も残さず早く死ぬ………」

李斯の名言

  • 「“法”とは願い! 国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」

渕の名言

  • 「成し遂げぬわけにはいかぬじゃないですか!!」

尾平の名言

  • 「心が渇いてねぇから略奪も凌辱も必要ねェんだ そんなことやんなくても 飛信隊はどこの隊よりも心が潤ってんだ」

尾到の名言

  • 「………これからもお前はそうやって大勢の仲間の思いを乗せて天下の大将軍にかけ上がるんだ」

紫夏の名言

  • 「あなたほどつらい経験をして王になる者は他にいません だから きっと あなたは誰よりも偉大な王になれます」

紫啓の名言

  • 「お前がこの先他人のために何かできたらそれは私にとっても大きな意味をもつ どんなに些細なことでもいい……受けた恩恵を次の者へ」

ビジネスにも使える『キングダム』の名言

ここではビジネスパーソンが今日から使えそうな2つの名言を紹介します。

「全員を兵士と化すのが俺の役目だ」

これは秦の国王・エイ政が合従軍に首都・咸陽のすぐ喉元にある城まで攻め込まれた際に発したセリフです。

この地に住む男たちはすでに戦へと出払っており、残っているのは子どもや女性、老人と戦いには不向きな者たちばかり。それでも、この城を抜かれれば咸陽に攻め込まれ、秦国は滅亡の危機に瀕してしまいます。そこでエイ政は自ら戦地に赴き、子どもや女性たちを「兵士」に仕上げることを決意したのです。

ビジネスシーンでは、窮地に追い込まれたときにこそリーダー自らが先頭に立ち、部下を奮い立たせる必要があります。エイ政のこのセリフを部下の前で言ってしまうと痛い目で見られてしまう可能性が高いため、心の中で反芻するぐらいがよいでしょう。

「何でそこに第四の選択肢がねェんだよ」

李牧率いる趙国を打ち破るべく、列尾を趙国攻略の拠点としようとしていた信たち。あっさり列尾を陥落させることに喜んだのも束の間、列尾を攻め込みやすくさせていたのは李牧の策略で、その上で秦軍を一網打尽にしようと李牧が企てていることに気づきました。

現状で取れる3つの手段のうち、最も最悪な全軍撤退を選ばざるをえない――。大局を見る蒙恬や王賁がそのような結論に至ろうとした際、常人が思いつかないような天才的な戦略でいくつもの武功をあげている桓騎将軍が放ったのがこの一言です。

新規ビジネスのアイディア出しの場などでこのセリフをドヤ顔で言ってしまうと、間違いなく周囲から反感を買いますし、的外れな意見だと失笑されてしまいます。実際にビジネスシーンで使うときは「新たな視点として、●●という選択肢を取り入れてみるのはいかがでしょうか?」ぐらいのニュアンスにするのがよいでしょう。

座右の銘にしてみたい『キングダム』の名言

ここでは、座右の銘として使えそうな『キングダム』の名言・名セリフを紹介します。

  • 「勇猛と無謀は違う」
  • 「“弱さ”があるから本当の“強さ”を知れるんだ」
  • 「境があるから内と外ができ敵ができる」
  • 「自分で戦場を駆け回って学びなさい」
  • 「人の持つ本質は 光だ」
  • 「人の本質は 火だ」

『キングダム』とは?

『キングダム』は、主人公の信(しん)は今は亡き幼なじみと誓った「天下の大将軍になる」という夢を果たすために、国王のエイ政(えいせい)は誰も成し得なかった「中華統一」を実現するために、ともに戦う2人の活躍を描いた作品です。

出会いは最悪だった2人ですが、いつしか身分の差を超えた友情が芽生えます。そして、エイ政は中華統一のため王宮にて、政権を握っていた呂不韋(りょふい)と対峙し、中華の唯一王を目指します。戦場に出た信は多くの仲間との出会いと死別を繰り返し、支え合いながら大将軍への道を突き進んでいきます。

『キングダム』の名言や名セリフを紹介しました

『キングダム』では、死と隣り合わせの戦国時代を生きる彼ららしい熱い思いがこもった名言が数多く登場しています。現代人では想像もできないような激戦の中で生まれた言葉がほとんどですが、人間としてのあり方や社会を生き抜くうえで大切なことを教えてくれる言葉ばかりです。

背中を押してもらいたい時、鼓舞してほしい時、心に余裕がなくなった時、きっと助けになってくれる言葉と出会えるでしょう。目標に向かって走り続ける信と政の物語から、勇気をもらってみてはいかがでしょうか。

調査時期: 2022年11月17日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計512人(男性: 386人、女性: 126人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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