JR九州は、電力需給が逼迫した際に自社設備を活用して需給の安定化に寄与する取組み「デマンドレスポンス」を2023年4月から2024年3月まで実施すると発表した。

  • 筑肥線の車両305系

「デマンドレスポンス」とは、電力の購入者側が保有する設備を「調整力」として活用し、電力の需要と供給のバランスを図ること。今回、JR九州は大阪ガスとDaigasエナジーが実施した電力需給安定化のための調整力電源の公募調達「調整力公募」に参加することで合意したという。

具体的には、電車が減速する際に発生する回生電力を貯蔵し、電車が加速する際の電力として有効利用するための電力貯蔵装置を活用する。通常時は貯蔵電力と購入電力をバランスよく供給して電車を走らせるが、電力需給が逼迫した際は貯蔵電力を積極的に供給し、購入電力を削減する。

  • 電力貯蔵装置によるデマンドレスポンスのイメージ

  • 調整力公募のスキーム

  • 唐津変電所と回生電力貯蔵装置

デマンドレスポンスを実際に行う区間は、筑肥線・唐津線の福吉~西唐津間(約19km)。筑肥線唐津変電所(佐賀県唐津市)に併設された電力貯蔵装置を活用するとのこと。