キリンビール、スプリングバレーを中心にクラフトビール市場拡大へ

キリンビールは1月13日、「2023年事業方針発表記者会見」を開催。ウィズコロナでの新たな生活様式が徐々に定着し、経済活動の再開によりビール類市場は前年比約102%と18年ぶりに対前年プラスで着地。また、ビール市場は7年ぶりのプラス着地となった。

(左)キリンビール執行役員マーケティング部長山田雄一氏、(右)キリンビール代表取締役社長堀口英樹氏

冒頭、キリンビール代表取締役社長堀口英樹氏が登壇。2022年販売実績については、業務用の回復とクラフトビールの伸長により、2年連続でビールカテゴリーは前年プラスに。今度も「人と人のつながり」や「多様な価値観と個性」を意識した消費者行動はより進んでいくと予測しており、同社は変化する消費者マインドにしなやかに対応していきたいと堀口氏。

2023年の取り組みについては、昨年に引き続き「ブランドと人材を磨き上げる」テーマに「一番搾り」「氷結」など強固なブランド体系の構築、「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」を中心とした新たな成長エンジンの育成を進めるとのこと。2023年もビールカテゴリーに注力し、ビール計では前年比約1割増の販売数量を目指す方針だ。

クラフトビールカテゴリー創造への取り組み

続いて、同社執行役員マーケティング部長山田雄一氏が商品戦略について説明した。

「一番搾り」は、2023年1月に2年ぶりのリニューアルを実施する。麦のうまみが向上し、後味の雑味・渋みが軽減され、飲みやすい後口を実現。パッケージは全体の印象を明るくすることで、「おいしい」「高品質」イメージを強化する。

発売からの累計販売本数4億本(2022年末時点)を突破し、定番として定着した「一番搾り糖質ゼロ」は、2022年のリニューアル以降高リピート率を獲得。成長へのポテンシャルがあることから、今後も「一番搾り」とともにマーケティング活動を強化していくとのこと。

また、ビール市場では、クラフトビールカテゴリーが市場成長をけん引しており、シルクエール＜白＞の発売によりクラフトビールカテゴリー間口は過去最高水準に。2023年はカテゴリーの魅力を伝える広告の投入やクラフトフェスティバルの開催、「クラフトノンユーザー」にクラフトビールをより知ってもらうための土壌を形成していく。

さらに、2022年12月にスプリングバレー豊潤＜496＞をリニューアル。ディップポップを増量、ポップ比率を調整することで、よりバランスのとれた飲み飽きないおいしさを実現したそう。スプリングバレーシルクエール＜白＞は2023年1月にパッケージをリニューアルする。