paizaは12月20日、「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」の結果を発表した。同調査は、2018年および2022年の「paizaスキルチェック」のうち、ランクが測定できるテストのみを抽出。その受験回数を言語別に算出し、ランキングを比較した。

  • 社会人の学習で人気が高い言語ランキング(2018年、2022年の比較)

まず、社会人における学習で安定的に人気が高い言語は、1位「Python」、2位「Java」3位「PHP」、4位「JavaScript」であった。

「Python」はデータサイエンス、数値計算、機械学習系のライブラリが充実しており、AIや統計処理、研究などでよく使われる。一方で、「読みやすさ・わかりやすさ」を重視した言語でもあり、初学者でも学びやすく、社会人・学生ともに人気となっている。

「Java」「PHP」「JavaScript」は、いずれも企業の開発現場で広く用いられており求人数が多い言語で、現場でのニーズの高さが社会人の学習意欲を高めていると考えられる。

また、同調査では「Go言語」「Kotlin」の学習人気が特に伸びている傾向が見られた。「Go言語」はGoogleで設計された言語で、シンプルで処理速度が早いなどの利点がある。「Kotlin」はAndroidアプリの開発でよく使われるため、求人数が増加している事が影響していると考えられる。

人気が下降傾向にあるのは、「Ruby」。現状では求人数は減っていないものの、学習では他の新しい言語や業務上でより実用性が高い言語の学習に人気が移っている可能性が考えられるという。

学生の学習でも、社会人同様に「Python」と「Java」は人気が高いものの、「C++」や「C」「C#」が上位にあがるという特徴が見られた。これは、学校の授業で学習するユーザーが増えていることや、競技プログラミング、ゲーム開発などで利用するために学んでいる可能性が考えられるとのこと。

  • 学生の学習で人気が高い言語ランキング(2018年、2022年の比較)

転職で企業からニーズが高い言語においては、1位は「JavaScript」、次いで「Java」、「PHP」、「Python」と続いている。また、2020年〜2022年にかけて特に企業ニーズが高まっているのは、「TypeScript」「Kotlin」「Go言語」となっている。

  • 転職で企業からニーズが高い言語ランキング(2020年、2022年の比較)

「TypeScript」は、もともと企業ニーズが高い「JavaScript」の上位互換言語で、「JavaScript」の知識があればそのまま利用することができるのが特徴。「Kotlin」や「Go言語」のニーズが高まっている理由については、使い勝手の良さが考えられるという。

2022年の言語別の平均年収ランキングでは、学習人気、企業ニーズともに伸びている比較的新しい言語「Scala」「TypeScript」「Go言語」がトップ3となった。特に、「Scala」は2020年と比べて平均年収が約72万円もの大幅アップとなっている 。

  • 転職における言語別の平均年収ランキング(2020年、2022年の比較)

「paiza転職」の登録者で3言語の基礎知識がある人は、「Scala」は1.0%、「TypeScript」は2.6%、「Go言語」は2.4%。希少なスキルを持つ人材を獲得するために企業が年収を上げている事が考えられる。

一方で、「C++」や「C」は2020年と比べて平均年収が各約44万円、約46万円と大きく減少している。理由としては、「C++」では学習経験者が多い(学生の学習人気言語3位)ため、経験が浅い若手人材の採用が進んだ事が考えられている。