挨拶は人間関係を潤滑にする最低限のマナーですが、世の中には挨拶しない人がいます。当たり前のように挨拶する側からしてみれば、なぜ挨拶しないのかと腹立たしく思うこともあるでしょう。しかし、挨拶しない人にもそれなりの理由があるのかもしれません。
この記事では、挨拶しない人の理由や心理について解説しています。挨拶することのメリットやしないことのデメリットについても触れているので、参考にしてみてください。
挨拶しない人の心理
自分から挨拶しない人が、挨拶しないその理由を簡単にまとめました。挨拶することは人として大事かつ最低限なマナーのひとつですが、自分からはしたくないというからには、何かしらの理由があるのかもしれません。
過去に嫌な思いをした
自分から挨拶しない人は、挨拶することで過去に嫌な思いをした可能性があります。
例えば、自分から挨拶したのに返してもらえなかった、真面目に挨拶していることを馬鹿にされたなどの経験があると、また同じような目に遭いたくないと思い自分から挨拶するのをためらってしまうでしょう。
プライドが高い
なかにはプライドが高くて、自分からは挨拶しないという人もいます。
このタイプは「相手は自分より下だ」「自分から挨拶する必要はない」と余計なプライドを持っているために挨拶しません。また、挨拶されれば返すタイプもいますが、そのプライドがなくなることはなかなかありません。
無視されるのが怖い
「挨拶して無視されたらどうしよう」と考えてしまって挨拶できない人もいます。
前述した過去に無視された経験があるタイプだけでなく、単に自分に自信がないことから「無視されてしまうかも」と不安に思うタイプもいます。
恥ずかしい・照れくさい
自分から挨拶するのはなんだか恥ずかしい、照れくさいと考えてしまい、挨拶しない人もいます。
確かに親しい間柄だと「こんにちは」「こんばんは」といったかしこまった挨拶をするのは、なんだか恥ずかしく感じられるかもしれませんね。このような気恥ずかしさ・照れくささが先んじて挨拶できない、という人もいるのです。
挨拶する習慣がなかった
これまでの人生で挨拶する習慣がなかった、という人もいます。義務教育の過程で自然と身につくと思われますが、不登校だったり通信制の学校に通っていたり、もしくは海外の学校で育った帰国子女だったり、という可能性もあります。
また、学校で挨拶の習慣があっても、家庭で挨拶の習慣がなかったために身につかなかった、ということもあるでしょう。
挨拶されても挨拶しない人の心理
自分からではなく、他人から挨拶されても頑なに挨拶しないという人にも理由があるようです。
合理性を優先している
挨拶されてもしない人は、合理性を優先している場合があります。つまり、「挨拶を返してもメリットがないから挨拶をしない」と考えているタイプです。あまり相手の気持ちを配慮できるタイプではないでしょう。
嫌いな人だから
挨拶されたけれど嫌いな人だから挨拶を返したくない、という人もいます。気持ちは理解できなくもないですが、社会人として少々子どもっぽい態度ともいえますね。
自信がない
自信がない人も、挨拶を返さないことがあります。これは、自信がないあまり、挨拶を返すことに怖じ気づいている可能性があります。
コミュニケーションをとりたくない
人とコミュニケーションをとりたくないから挨拶を返さない、という人もいます。極力コミュニケーションを避けたがり、他人と目線を合わせようとしないので、職場や学校でも浮いてしまう傾向があります。
聞こえていない
単純に、挨拶されても聞こえておらず、挨拶を返さないというパターンもあります。この場合は完全に悪気があるわけではなく、挨拶する側の声が小さかった可能性もあるので、落ち着いてもう一度声をかけてみましょう。
挨拶しない人との付き合い方
挨拶しない人と付き合っていく方法をお伝えします。挨拶しない人にも理由があり、挨拶することに価値を見出せなければ挨拶しないでしょう。それでも職場や学校では共に関わらなければならないこともあります。そのようなとき、どのように対処すべきかを3つにまとめました。
見返りを求めない
挨拶しない人に対しては、見返りを求めないようにしましょう。挨拶しない人から挨拶は返ってこないという前提のもと、挨拶は返ってこなくても自分からの挨拶は怠らないようにします。
見返りは求めずに自分は挨拶をすると決めて、挨拶が返ってこなくても深く気にしないのがおすすめです。
自分のためと割り切る
挨拶をすることは自分のためと割り切ってみましょう。挨拶が返ってこないと気持ちが沈むかもしれませんが、だからといって自分も挨拶しないでいると仕事や生活に支障をきたしてしまいます。
挨拶すれば少なくとも自分にとってはメリットがあります。あくまでも自分のメリットのために挨拶している、と割り切ると気持ちよく挨拶できます。
どうしても気になるなら挨拶しない
挨拶して返ってこないのはどうしても気になる、という場合は無理に挨拶する必要もありません。
自分から挨拶しない、挨拶を返さないという人に対し、挨拶する側が神経をすり減らす必要もないでしょう。挨拶をしない人に対しては周囲もあまりよく思っていないことが多いので、その人に挨拶しなかったからといって周りの人に引かれてしまうということはないと考えられます。
挨拶が返ってこなくても挨拶できる、心の余裕があるときだけにするといいでしょう。
挨拶することのメリット
挨拶することのメリットを大きく2つご紹介します。挨拶しない人は、挨拶することのメリットを理解できていないか、そこに価値を感じていないのかもしれません。
人間関係が良くなる
挨拶をすると、人間関係が良くなります。挨拶するだけで本当に良くなるのか、と疑ってしまう人もいるかもしれません。しかし、挨拶するだけで、他人とスムーズに関われるようになります。
挨拶すると、基本的に相手に好印象を与えます。前述したような挨拶をしない人でない限り、大抵の人は挨拶をすれば返してくれます。
会話のキャッチボールができればより親密な仲になれますが、人によっては共通の話題がないか、それほど親しくないために話す機会がほとんどない、という人がいます。
その点、挨拶はすべての人の共通言語です。相手とどのような関係性であれ、手軽に言葉のキャッチボールができます。文章だけのコミュニケーションも増えてきている現代ですが、そのような時代だからこそ人と人が声を出して言葉を交わすことはお互いの距離を縮める一歩になるでしょう。
言葉のキャッチボールが頻繁に行われれば、それまで疎遠だった人とも自然と距離が縮まりますし、良好な人間関係を築きやすくなります。
性格が良いという印象を与えられる
挨拶には、性格や社会性が表れます。そのため、挨拶をする人は概ね明るく、コミュニケーション力が高い印象を与えます。
また、自分から積極的に挨拶する人は、自分が他人に与える影響を理解している社会性のある人物と思われるでしょう。挨拶は、「あなたのことを認識しています」と相手の存在を認める行為でもあります。誰だって、他人に存在を認めてもらえたら嬉しいでしょう。 挨拶をする人は、人が喜ぶことを進んでやるという人格の持ち主だと思われやすくなるのです。
挨拶しないことのデメリット
挨拶しない人にはメリットこそないものの、デメリットはあります。大きく2つに分けてご紹介します。
人間関係が悪くなる
挨拶しないと人間関係が悪くなります。前述したように、挨拶することで良好な人間関係を築きやすくなるので、その逆で挨拶しなければ人間関係を築きにくくなります。
挨拶しない人は他人を拒絶しているように見えるので、周囲も話しかけていいのか迷ってしまいます。自然と人が離れることになるでしょう。
1人でいるのが好きで、周囲と距離を置きたいと思う人にはそのほうが良いかもしれませんが、社会で働いていくためには周囲の力を借りることが必要不可欠です。挨拶しないことは、デメリットのほうが大きいといえます。
仕事ができないと思われる
挨拶しない人は、仕事ができないと思われてしまいます。仕事の話をするとき、何かお願いをするときも、いきなり本題に入ったのでは相手も受け入れる準備ができておらず、会話がスムーズに進まない可能性があります。
挨拶をワンクッション入れることで、互いに心を開き受け入れやすい状態が整います。この点を理解せず、自分の都合だけで話を進める人は、仕事ができないと思われるでしょう。
挨拶しない人にも理由があることを知って、上手に付き合おう
挨拶しない人の理由や心理、付き合い方についてまとめました。
挨拶しない人にも、自信がなかったりただ聞こえていないだけだったりと、何かしらの理由があります。性格に難がある、他人を避けるタイプの人でない限りは、挨拶しない人にも理由があることを理解しましょう。
それらを踏まえ、挨拶できることはとても素晴らしいことです。挨拶しない人がいるということも理解しつつ、自分から挨拶できるなら積極的に挨拶するといいでしょう。