『ザ・ノンフィクション』は、1,000以上のアーカイブの中から名作・話題作の10タイトルを選出し、約3分×3本で構成される日本語ナレーション版『ザ・ノンフィクション 3mn』(語り:斉藤舞子アナウンサー)と、3本を一本化した英語ナレーション版『THE NONFICTION 10mn』(語り:グローバル事業部・秋元優里氏)が、新たに開設した『FUJITV GLOBAL CHANNEL』で配信されている。
そのラインナップは、熱血和尚と傷ついた子どもたちの魂の11年の記録『おじさん、ありがとう~ショウとタクマと熱血和尚~』(2019年6月2日放送)、京都の花街で憧れの舞妓になりたい少女を追った『泣き虫舞妓物語 2022~夢と希望と涙の行方~』(2022年7月10日、7月17日放送)など。作品の選定について、フジテレビの西村陽次郎チーフプロデューサー(以下同)は「海外の方に見てもらうというのが最終的な目標なので、国籍や人種を問わず見てもらえるようなテーマや、京都の舞妓、地下アイドルといった日本独自の文化というのも意識して、まずは10本を選びました」と明かす。
その中でも、借金450万円を抱える人生どん底の地下アイドル・きららさんの人生を追った『しっくりくる生き方』(2017年2月12日放送)が好調な出足を見せており、新設チャンネルながら配信12日目で100万再生を突破。「要因はまだ詳しく分析できていないのですが、やはり力のあるコンテンツだなと思いました」と驚きを語った。
■別プラットフォームでも配信へ「“ドキュメンタリー新時代”を」
今回の世界配信は、『ザ・ノンフィクション』の作品が、毎年のように海外の映像賞を受賞していることも後押しになっているが、海外で評価される理由については、「国や人種によって文化や価値観の違いは当然あると思いますが、『ザ・ノンフィクション』が描いてきた家族や人間関係といったものは、人類に共通して普遍的なものだと思うんです。その海外の人にも通じる芯の部分と、『ザ・ノンフィクション』という番組が持つ魅力が重なって、共感していただいているのではないかと思います」と分析。
それだけに、「この1週間ではまだ日本国内のユーザーが多いのですが、やはり海外に向けて発信したいという思いがあって多言語にこだわっているので、この先どこかでブレイクスルーしたいですね」と力を込めた。
第2弾の配信については、「まずは第1弾の反応を見てというところになりますが、権利処理をすればすぐにでもできるので、個人的にはやりたいと思っています」と意欲。今後、別のプラットフォームでも配信展開を計画しており、「サッカー日本代表の森保監督が『新時代を見せてくれた』と言っていましたが、『ザ・ノンフィクション』に限らず、日本発のドキュメンタリーも“ドキュメンタリー新時代”をつくるべく仕掛けていければ」と展望を語っている。