料理レシピサービス「クックパッド」は、その年を象徴する食・料理を選出する「食トレンド大賞2022」と、翌年に流行の兆しがある「食トレンド予測2023」を12月7日に発表しました。来年はどのような料理が流行るのでしょうか? 発表に先駆けて行われた試食会で、来年の食トレンド予測の入賞料理を味わってきました。
2022年の食トレンド大賞はSNSを発端に注目を集めた「韓国風やみつき卵」
今年で6回目の発表となる「食トレンド大賞」は、レシピサービス「クックパッド」の検索・アクセスログデータ、ニュースメディア「クックパッドニュース」や、食ビジネスの専門メディア「FoodClip」の反響、SNS・各種メディアで話題となったトピックス、有識者が注目する動向などを元に、クックパッドが独自に選出しているアワードです。
今年の大賞に選ばれたのは「韓国風やみつき卵」。韓国風の味玉で、韓国では甘辛くニンニクの効いたタレがやみつきになるほど中毒性が高いことから「麻薬卵」とも呼ばれ、2022年初旬ごろからTikTokで注目が高まり、人気YouTuberが紹介したと同時に人気に火がついたと考えられています。
日本でもネーミングのインパクトの強さや、安価な材料で手軽に作れることから人気が加速し、クックパッドではレシピ検索頻度がこの1年で約40倍も増加する結果となったのだそうです。
入賞は、韓国で定番のミニおにぎり「チュモッパ」、価格が手ごろで冷凍保存しやすい「鶏手羽元」、豆腐の水分を抜いて乾燥させた高タンパクの「豆腐干」、生ドーナツや生カヌレなどの「生食感スイーツ」の4つ。今年を代表する注目料理は、物価高騰の影響や昨今の韓国ブーム、健康志向の高まりから高タンパクなおかずやSNSが発端になるものが受賞する結果となりました。では、2023年はどのような食が流行るのでしょうか? 来年の食トレンド予測の入賞料理を紹介します。
2023年は代替食品が一般化?「食トレンド予測2023」
「食トレンド予測2023」は、5つの食・料理が選ばれました。
「米粉」
もちもちとした食感を楽しめる「米粉」は、価格が高騰する輸入小麦の代替として注目を集めています。メジャーなお菓子やパンだけでなく、お好み焼きなどの主食に活用している人も増加していることから、米粉料理も広がりを見せていくと考えられています。
実際に「米粉」を使って作られたお好み焼きを食べてみると、見た目は従来のお好み焼きとは変わりないですが、焼き目はパリッと、中はもちもちとした食感のコントラストが楽しめます。味はそこまで変わりはないのですが、腹持ちは抜群。レシピを見ても普段のお好み焼きと工程は変わらないので、気軽に挑戦できそうです。
「ポチャ」
「ポチャ」とは韓国の飲み屋屋台のこと。最近では、韓国ドラマで飲むシーンの定番として登場する「ポチャ」の雰囲気を味わえるアイテムが販売され、おうちで「ポチャ」気分を楽しむ人が増えているそうです。物価高で外食を控え、家での食事の楽しみ方が多様化しているだけでなく、円安の影響で海外旅行を控えている人もいることから、おうちで韓国気分を味わう「ポチャ」がトレンドになっていくと予想されています。
「ロゼ料理」
韓国で今流行中の「ロゼ」が日本にも上陸し注目を集めています。「ロゼ」とは牛乳や生クリーム、ケチャップなどを合わせたロゼカラーのソースで、トッポキやラーメンに絡めたものが定番ですが、最近ではロゼパスタなど韓国料理以外のメニューも登場しています。
韓国料理の赤いものは辛い印象がありますが、「ロゼ」はクリーミーな味わいで辛さも抑えられていて食べやすく、マイルドな味わいを楽しめます。子供でも食べやすい味付けなので日頃の食卓にも取り入れやすく、これからさらに浸透していきそうです。
「豆ヌードル」
「豆ヌードル」は、えんどう豆、大豆、ひよこ豆などの豆から作られた麺のこと。原材料が豆のため、生活習慣病のリスク低下など健康面でメリットがあるほか、地球環境の保護・食糧問題の解決にも役立つといわれています。最近では、小麦麺の代替品として注目が高まっていることもあり商品数も増加。糖質制限や高タンパク質の食事など健康意識の高い人にとって新しい選択肢として期待されています。
今回試食で頂いたのは黄えんどう豆を100%使用したZENB noodle(ゼンブヌードル)。原材料が豆100%といわれると、豆の独特な香りとプチプチと麺が切れてしまうのではないかと思っていましたが、食べるとモチッとしていて、何もいわれなければ豆だと分からない味わいと食感でした。プレーンで食べると豆の味や香りがするそうなのですが、しっかりとした味のものと合わせると違和感は全くありません。通常の麺より値段は高めですが、体のためにお財布に余裕がある時に試してみたいと思える商品です。
「プヂン」
イタリアのマリトッツォやフランスのカヌレがブームになったように、海外の伝統的なスイーツが来年も注目を集めると予測されています。中でも「プヂン」は、すでにマニアの間で話題になっているブラジルのスイーツです。卵、牛乳、練乳ベースのやや固めのプリンがココアスポンジの上にのった2層仕立てで、濃厚な味わいが特徴なのだそう。日本では定期的にプリンブームが巻き起きているため、次はブラジルのプリンがブームになるかもといわれています。
一口食べてみると普段食べているプリンよりも弾力があり、味がしっかりとしていました。練乳が入っているからかクリーミーで濃厚な味わいで、カラメルの代わりとなるココアスポンジの苦味との相性がよく、そのコンビネーションを楽しんでいるうちに、あっという間にペロリと完食してしまいました。最近では平成レトロブームや、硬めプリンがトレンドになっていることから、第3次プリンブームとして納得の味わいでした。
2023年のトレンド予測のうち3つが韓国由来と、引き続き韓国グルメがトレンドになると考えられています。また、2022年と同様に健康志向の高まりや物価高騰から代替食品に切り替える動きが加速していくかもしれません。円安や値上げで苦しい中ではありますが、その中でも賢く食や料理を楽しむ方法が生まれそうな2023年。気になる食トレンドを見つけた人は試してみてくださいね。