JAFは11月24日、6月1日~30日にかけて発生した「猫がクルマに入り込んだことによるトラブル」の救援要請件数を発表。それによると、6月の1カ月間で284件の要請があったという。

  • 6月の日別救援件数

    6月の日別救援件数

6月の1カ月間でドライバーから「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」とロードサービス要請があった件数は、全国で284件。1月に実施した同様の調査では21件であったことから、6月はその13.5倍にあたり、冬よりも春の方が猫がクルマに入り込むトラブルが多いことが明らかに。

6月を日別で比較すると、沖縄・奄美諸島を除いた地域で梅雨入りとなった時期から要請件数が増加しており、猫は水にぬれることを嫌がる・苦手であるため、雨を避けられるクルマの下へ避難したことがうかがえる。

また、猫は日照時間の長い2月~4月や、暖かい6月~9月の間に発情期を迎えるため、6月はちょうど春生まれの子猫が活発に動き始める時期であり、トラブルの件数が多かったと考えられるという。

この結果について、「ねこのきもち獣医師相談室」の担当獣医師は以下のようにコメントしている。

一番の理由はやはり天気だと思われます。
今回のデータをもとに、全国的な2022年6月の天気を調べて照らし合わせてみました。
すると、件数が多い日は全国的に雨、もしくは大雨でした。
梅雨時期の雨は猫にとっては、非常に居心地の悪い状態ということです。猫は水にぬれた場所を好まない生き物というのはよく知られていることではありますが、顕著にみられていると思います。
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“子猫が生まれ(4月ごろ)てから活発に動き始める1~2カ月後(5~6月)の期間”は、特に「落ち着ける隠れ場所」を必要とする猫が多い時期ともいえると思います。
通常、隠れ場所としては暗くて狭い場所を選びがちです。
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― ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師 より

また、“都会では特に、外猫たちの隠れられるような場所がなくなったことも理由としてあるのではないか”との見解も。整理された街並みでは猫が隠れる場所がなくなり、自然にクルマの下に入り込んだり、隠れ場所としてクルマを選ばざるを得ないのかもしれません。

また、都会では特に、外猫たちの隠れられるような場所がなくなったことも理由としてあると思います。本来、野生の猫は、眠るときは敵から身を隠していましたので、隠れる場所は必須です。
家猫の場合には、押し入れや、家具の隙間、こんな所に入ったのというようなせまい隙間が好きな猫は多いです。
そのように隠れられる、軒下や緑の多い公園などが減少している地域で、猫が入り込める場所となっているのだと思います。
― ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師 より

猫が入り込んでいることに気づかずエンジンをかけてしまうと、エンジンベルトなどに巻き込まれるなど、猫が命の危険にさらされたり、車の故障(ベルトの切れ、外れなど)につながることも。

同社は、こうしたトラブルを回避するため、乗車の前はボンネットなどエンジンルーム付近をやさしくたたき、乗車後はエンジンをかける前に数秒静止し猫の気配がしないか確認するといった対策をとるよう注意喚起している。