NTT都市開発は10月、商業施設「原宿クエスト建替え計画」の新築工事に着手した。竣工は2025年春を予定している。

  • 新生「原宿クエスト」外観イメージ(表参道側)

「原宿クエスト」は、NTTグループの前身である電電公社の総裁公邸跡地に建設されたファッション、カフェ&レストランほかホールを併設した施設。開業以来、原宿・表参道エリアを牽引する施設として営業を続けてきたが、2021年10月10日に閉館となった。

新生「原宿クエスト」は、2020年にJR原宿駅前にオープンした「ウィズ原宿」近くの表参道に面した場所に立地する複合商業施設。地上6階・地下1階の7フロアで構成される。表参道から奥原宿をつなぐことで、都市の奥行きをつくりだし、原宿の新たな魅力を掘り起こすことを目的とする。

低層棟と高層棟で構成し、その間には、表参道から奥原宿をつなぐパサージュ(敷地内通路)を設ける。各店舗が街との調和を図りながらも独立した路面店として個性豊かな世界観を表現できるよう、原宿ならではの施設を目指すという。

  • 表参道と奥原宿をつなぎ、個性的な路面店が連なるパサージュ

高層棟の上層には、テラスやルーフトップから明治神宮や代々木公園、表参道のケヤキ並木を眺められる空間を計画している。

  • 表参道・代々木公園を望む開放的な高層階テラス

施設構成のコンセプトは、「Re: HARAJUKU CULTURE」とし、個性あふれる世界の原宿カルチャーを追求する多様なテナントを誘致する。

表参道側にはフラッグシップストアを誘致。デザインアーキテクトのOMA 重松象平氏は、デュアリティ(二面性)をコンセプトとし、表参道側は垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観、パサージュを抜けた先には、奥原宿のスケール感に合わせた小さな店舗や広場、アートスケープを配置するなど、二面性を持ち合わせた計画としている。

  • 表参道と奥原宿の個性を体現するコンセプトダイアグラム

ランドスケープデザインは、ランドスケープ・プラスの平賀達也氏が担当する。表参道と奥原宿をつなぐエントランスからパサージュにかけては、明治神宮から連続した地層を彷彿させる壁面を設置。表参道や明治神宮からの連続性を感じられる緑豊かな空間の形成をめざす。

新生「原宿クエスト」では、原宿独特のカルチャーやライフスタイルを体現する多様な次世代アーティストたちとの取り組みも展開する。その一環として、反復された文字で画面全体を埋め尽くす芸術実践を続けるアーティストbaanai氏が参画。同氏が描いた原宿を象徴するアート作品は、今後施設のプロモーションとして展開していく予定。