スプリングバレーブルワリーは10月29日~30日の2日間、スプリングバレーブルワリー東京(代官山)にて「フレッシュホップフェスト2022」のメインイベントを開催する。国産のフレッシュホップでつくったクラフトビール約30種類あまりが自由に飲み比べられるのが魅力だ。2日間(全5回)の入替制で、定員は各回100名限定。現在、公式サイトで事前予約を受け付けている。
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代官山にて「フレッシュホップフェスト2022」が開催。写真は、スプリングバレーブルワリー 代表取締役社長の島村宏子氏(右)と同社 ヘッドブリュワーの古川淳一氏(左)
■3年ぶりの大規模なビールフェスト開催
スプリングバレーブルワリーでは9月1日から11月30日まで、日本ビアジャーナリスト協会、全国のクラフトブルワリー50社、ホップ生産者、各地の販売店や飲食店とともに、今年収穫したばかりの日本産ホップを使ったクラフトビールの魅力を伝える「フレッシュホップフェスト2022」を開催している。そのメインイベントとして今回、スプリングバレーブルワリー東京を会場にした3年ぶりの大規模なビールフェストが企画された。
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スプリングバレーブルワリー東京(東京都渋谷区代官山町13-1 ログロード代官山)。オープンから丸8年が経ち、この年末には累計来場者数が100万人に到達する見込み
当日は3つのコースを用意。10月29日の11時~13時30分 / 14時30分~17時、30日の11時~13時30分にはスタンダードコース(3,000円)とフリーテイスティングコース(6,000円)が、10月29日の18時~21時、30日の14時30分~17時30分にはVIPコース(7,000円)が提供される。フリーテイスティングコース、およびVIPコースでは、その時間帯に提供しているビールをすべてテイスティングできる。また各回ではフードも提供される(VIPコースではフリーフードとなる)。なおすでに満席となった回もある模様。詳細は公式サイトを確認のこと。
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写真はイメージ
スプリングバレーブルワリー 代表取締役社長の島村宏子氏は「フレッシュホップフェストは2015年にスタートしたイベントです。これまでたくさんのブルワリーと共にビール市場を盛り上げてきました」と説明する。ちなみにコロナ前の2019年には、北海道から沖縄まで100社あまりのブルワリーが勢ぞろいしたという。
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公式サイトでは2022年のフレッシュホップビールの特徴をチェックできる
最近は、全国のホップ農家で後継者不足などの課題が表面化してきた。そこでスプリングバレーブルワリーではフレッシュホップフェスト2022を通じて、あらためてクラフトビールの魅力を消費者に伝え、ひいては国内のホップ農場を盛り上げていきたい考え。
島村社長は「現在、全国には652社ほどのブルワリーがあるとされていますが、当日はそのうちの20社ほどの関係者が会場にも足を運ぶ予定です。フェストではホップの違いによる味わいの変化を楽しんでもらって、お気に入りのブルワリーを見つけてもらい、会場の生産者にも会っていただけると嬉しいです。皆さんの感想を直接伝えてもらえたら現場の励みになります」と呼びかける。
■フレッシュホップフェスト2022の楽しみ方
そもそもフレッシュホップとは、どんなものを指すのだろう? スプリングバレーブルワリー ヘッドブリュワーの古川淳一氏に詳しい話を聞いた。まずは前提となる話から。ホップは、苦味、香り、泡の決め手となる。そのため『ビールの魂』とも言われている。収穫後のホップは腐りやすいため、一般的には熱乾燥させて(さらにペレット状に加工して)ビールの原料にしているという。
これに対してフレッシュホップとは、乾燥させない生の状態のホップを指している。上述の通り、収穫後はすぐに鮮度が落ちてしまうが、冷凍保存することでクラフトビールでも使用できるようになった。フレッシュホップでつくったビールは、ホップそのままの香りが楽しめるそうだ。古川氏は「スーッと鼻に抜ける青々しい香りがします。フレッシュホップを使うことで、爽やかさ、華やかさをビールにもたらすことができるんです」と説明する。
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ホップのイメージ(写真はイミテーション)
では、フェストでビールを飲み比べるときの注意点はあるだろうか? 「アルコール度数の低いもの、味の薄いものから飲み始めてもらうと、万遍なくお楽しみいただけます。ビールによってはBU、あるいはIBUと書いてあるものもあります。これはInternational Bitter Unit(国際苦味単位)の略で、苦味の強さを数値化したものです。一般のビールなら20くらい。したがって数値の小さい、苦味の低いものから飲んでいただくと良いでしょう」(古川氏)。
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飲み比べでは苦味の低いものから
ちなみにフレッシュホップフェスト2022では、もつ鍋、炙り鯖寿司、デザートなども用意する予定。古川氏は「ビールの種類が豊富なだけでなく、料理とのペアリングの妙を楽しめるのもクラフトビールならではの魅力です」と話す。
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ビールに合うものと言えばソーセージだが...(写真はイメージ)
これに対し、島村社長も「たとえば柑橘系の香りが引き立つクラフトビールなら、オレンジなどのスイーツと相性が良いですね。スイーツの甘さで満たされた口のなかにビールの爽快さと苦味が加わると、より味わいが深くなります。またハーブを使ったクラフトビールならサラダにも合う。ホップをたくさん使ったクラフトビールなら、生魚を使ったお寿司の生臭さみたいなものも感じずに楽しめます」と応じる。
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考えたことがなかったスイーツ×ビールのペアリング。試してみたい! イベント当日のスイーツは、チョコレートケーキやシャインマスカットパフェなどが楽しめるそう(写真はイメージ)
そして次のように続けた。「いままでビールを喉ごしだけで飲んでいた、そんな人も多いかと思います。でもクラフトビールの魅力を知ってもらえば、ビールの飲み方も幅が広がるのではないでしょうか。フレッシュホップフェスト2022の会場では、クラフトビールと相性が良さそうな料理を探す楽しみも味わってもらえればと思います」