バイクといえばホンダという方、多いんじゃないでしょうか。教習車に採用されるほど乗りやすい性能を持ちながら、デザインはゴツすぎず、どことなくヨーロッパを感じさせるオシャレ風味があるように思います。なんといっても、国内バイクメーカーとして最初に世界に名を轟かせた功績がありますからね。世代を超えて愛されるのもわかります。そこで今回は、1989年までに発売されたホンダの中型、大型バイクの人気ランキングを調査いたしました。たくさんの方に投票いただきましたので、本稿で投票結果を発表していきたいと思います。

みんなが選ぶ「ホンダの中型、大型バイク」ランキングを発表!

1位 CB750F 23%
2位 CB750Four 14%
3位 CBX400F 12%
4位 CBR400F 9%
5位 CB400FOUR 7%

1位 CB750F 23%

バイクメーカーとしては王道ど真ん中をいくホンダですが、数あるモデルの中でも、これは完全に殿堂入りクラスだと思います。1位も納得ですね。そもそも日本の大型バイクのルーツ的存在であるホンダのCB750Fourに対抗すべく、カワサキのZなど競合メーカーのライバル車がつぎつぎに登場。これに押されていたホンダでしたが、技術の粋を集めたレーシングマシンのRCBでレース界を席巻し、再び名をあげます。そしてRCBで培った技術を投入したのが、このCB750Fです。

どことなく欧州の香りを感じるタンクとサイドカバー、テールカウルがつながっているようなインテグレーテッド・ストリームラインと呼ばれるデザインには、もはやため息がでます。教習車としても採用されており、最初に乗った750ccがこのバイクという人も多いのではないでしょうか。レジェンドレーサー、フレディ・スペンサーが米国のAMAスーパーバイク選手権でこのマシンに乗っていて、銀/青に塗装されたこの配色はスペンサーカラーと呼ばれました。しげの秀一先生の漫画『バリバリ伝説』では、高校生ライダーの巨摩郡が赤いCB750F(機種コードFBのキャンディレッド)に乗ってガードレールに蹴りをいれていましたね。

2位 CB750Four 14%

そして、日本のナナハンブーム、いやバイクメーカー勃興自体の火付け役、始祖的存在のCB750Fourが2位。このマシンに負けじと各メーカーがしのぎを削っていった結果、4大バイクメーカーが世界的に知られるようになったといってもいいと思います。

最高時速200km超えは量産バイクとしては世界初で、油圧式ディスクブレーキや4気筒のエンジンなども当時の市販バイクとしては革新的でした。しかもなんとか手が届く価格であったところから大人気に。望月三起也先生の漫画『ワイルド7』の飛葉大陸、石井いさみ先生の漫画『750ライダー』の早川光も、作中でこのバイクに乗っていました。

3位 CBX400F 12%

すいません、1位のCB750Fが殿堂入りと申しましたが、このCBX400Fもそれに値する、伝説オブ伝説のバイクですね。CB750Fourによりナナハンブームが勃興し、それによって起こる事故が社会問題化して1975年に免許制度が変わり、各社中型バイクに注力することになります。中型の並列4気筒マシンとしてカワサキはZ400FX、ヤマハはXJ400Dを出すことなりました。そして、ホンダが満を持して中型バイク市場に投入したのが本機です。

機種名のXよろしく交差するエキパイの美しいこと。今も中古バイク市場では大大大人気で、売れたバイクなのでそれなりにタマ数も残っていますが、なにせ約40年以上前のバイクですので程度のいいものは少なく、価格的には300万円代は当たり前で700万円代なんてのもチラホラという状態。当代きってのプレ値バイクとなっております。

4位 CBR400F 9%

中型全盛の時代にはいると、バイクはマシンスペックで競うようになってきます。当時、自分もバイク雑誌を読み込んでスペックを暗記していた記憶がありますね。そんな中、CBXのエンジンをベースに可変バルブ(REV)を採用して登場した本機は58馬力という度肝を抜く性能でした。

実際、このバイクをフルカウル化したものに本物のレーサーが乗っていたわけですから、そりゃ気分もでます。ライト横のマウントステーが印象的です。しかし、スペックはスペックで塗り替えられてしまうもの。このバイクの半年後にスズキのGSX-Rが59馬力を出して、印象が薄くなってしまったのでした。

5位 CB400Four 7%

やっぱりこれも殿堂いりかしら。いわゆるヨンフォアです。本機の前身モデルであるCB350FOURがいまいち不人気であったため、低いコンチネンタルハンドルを装備したカフェレーサー風のデザインの本機が登場しました。特徴的なタンクのデザイン、右出しの1本マフラーに集合する4本のうねったエキパイなど、まさに時代を越えた美観です。

その後の免許制度などによる市場の変化のあおりを受け短命に終わりますが、後年、そのデザインや性能が見直され大変なプレミアが付くことになりました。佐木飛朗斗先生(原作・原案)と所十三先生(作画)の漫画『疾風伝説 特攻の拓』の鮎川真里が、作中でこのバイクに乗っていました。ちなみに1997年に同名バイク(NC36)が復刻されましたが、これはCB750Fourをモチーフにしていますので、ちょっと違います。同じ名前なのでややこしいですね。

以上、ホンダの中型、大型バイクランキングでした。こうやって並べてみると、本当に日本のバイクの歴史を作ってきたメーカーなんだなと感じますね。どれも中古車がとんでもない値段になっていますし(特にCBX400F)、今回の令和2年排出ガス規制でさらに希少車になってしまったかもしれませんが、もしも乗れる、見れる機会があったら、ぜひその良さを味わってみてください。ほんと、格好いいですから。

●調査概要
調査期間:2022年10月20日~2023年1月13日
有効回答数:121