阪急電鉄は、全線のダイヤ改正を2022年12月17日に実施すると発表した。京都線で2024年に導入予定の座席指定サービスを見据え、現行の快速急行を準特急に変更。平日の朝ラッシュ時間帯および夜間・深夜時間帯を中心にダイヤを見直す。

  • 阪急京都線の快速急行。12月17日のダイヤ改正で列車種別を準特急に変更する

快速急行は京都線で平日の朝ラッシュ時間帯と夕方以降の時間帯、土休日の朝と夜間に運転されるほか、神戸線でも平日・土休日の夜間(22~23時台)に運転されている(平日・土休日の朝にも大阪梅田行を1本設定)。

京都線の快速急行は現在、大阪梅田~京都河原町間で途中の十三駅、淡路駅、茨木市駅、高槻市駅、長岡天神駅、桂駅、西院駅、大宮駅、烏丸駅に停車。神戸線の快速急行は現在、大阪梅田~神戸三宮間で途中の十三駅、塚口駅、西宮北口駅、夙川駅、岡本駅、六甲駅に停車している。12月17日に行われるダイヤ改正で、京都線・神戸線ともに快速急行を準特急に種別変更。京都線では、特急・通勤特急・準特急(現・快速急行)を対象に、2024年から座席指定サービスを開始する予定としている。

  • ダイヤ改正後、京都線で運転される列車種別と停車駅

あわせて女性専用車両を設定する列車について、種別を通勤特急に統一(全線共通)することも発表。よりわかりやすい運用にするとしている。

■平日朝ラッシュ時間帯、10両編成の列車を8両編成に

新型コロナウイルス感染症の影響もあって在宅勤務・時差出勤の導入が進み、鉄道利用に対するニーズが多様化していること、加えて夜間の利用動向も変化していることから、これに対応したダイヤの見直しも実施する。

京都線では、平日朝夕ラッシュ時間帯に10両編成で運転している列車をすべて8両編成に変更するほか、淡路駅に停車する準特急(現・快速急行)の本数を増やし、千里線および地下鉄(Osaka Metro)堺筋線への利便性向上を図る。淡路駅を通過する通勤特急については、平日朝ラッシュ時間帯(6~9時台)に上下各3本を運転するとのこと。

平日21~22時台に大阪梅田駅を発車する京都線の列車は、運転間隔を現行の10分間隔から12分間隔に変更(23時台は15分間隔で変更なし)。最終列車の時刻も一部変更され、大阪梅田駅ではダイヤ改正後、同駅23時45分発の急行が桂・京都河原町方面の最終列車、同駅0時0分発の普通が高槻市行の最終列車、同駅0時10分発の普通が正雀行の最終列車となる(平日・土休日共通)。早朝・深夜の時間帯に運転される快速は急行に種別変更し、停車駅に西京極駅が追加される。

  • 大阪梅田駅、京都河原町駅、淡路駅における各方面の最終列車の時刻

神戸線では、平日朝ラッシュ時間帯に神戸三宮駅から10両編成で運転している大阪梅田行の特急に関して、ダイヤ改正後は神戸三宮駅での増結を取りやめ、全区間において8両編成で運転。大阪梅田駅までの所要時間を短縮する。ただし、神戸三宮発大阪梅田行の通勤特急は引き続き10両編成で運転される。今津線経由で運転される宝塚発大阪梅田行の準急は運転時間帯を約15分繰り上げ、6時台(宝塚駅6時46分発)からの運転とする。

■箕面発大阪梅田行の直通列車は運転取りやめに

宝塚線では、平日朝ラッシュ時間帯に10両編成で運転している通勤特急をすべて8両編成とし、ダイヤ改正に合わせて1本増発。通勤特急の女性専用車両は引き続き8両編成の最後部(宝塚方)車両に設定される。平日朝ラッシュ時間帯に設定されていた箕面発大阪梅田行の直通列車は運転取りやめに。石橋阪大前駅にて、箕面線から大阪梅田方面の接続時間を現行よりも確保するという。

  • 川西能勢口駅を発車する通勤特急(大阪梅田行)の時刻。平日朝に1本増発される

神戸線・宝塚線ともに平日夜間の運転間隔も見直し、21~22時台に大阪梅田駅を発車する列車を現行の10分間隔から12分間隔に変更。23時台に大阪難波駅を発車する列車は現在、神戸線で10~15分間隔、宝塚線で12分間隔の運転だが、ダイヤ改正後は両線とも15分間隔に変更される。

最終列車の時刻も変更され、大阪梅田駅を発車する神戸三宮行の最終列車(急行)は15分繰り上げ、同駅23時45分発に。宝塚行の最終列車(急行)も3分繰り上げ、同駅23時45分発とする。西宮北口行の最終列車(普通)、雲雀丘花屋敷行の最終列車(普通)はそれぞれ大阪梅田駅を0時10分に発車する。

  • 大阪梅田駅、神戸三宮駅など神戸線のおもな駅における各方面の最終列車の時刻

  • 大阪梅田駅、宝塚駅、石橋阪大前駅における各方面の最終列車の時刻