女優の内田理央が主演を務めるBS松竹東急の土曜ドラマ『お父さん、私、この人と結婚します!』が15日(毎週土曜23:00~)にスタートする。同作は娘・なぎさ(内田)の結婚をめぐって父・慎太郎 (升毅)、母(美保純)が、元ホストやプロレスラー、フランス語講師、怪談師といった毎週異なる娘の“彼氏たち”と繰り広げるドタバタ劇を描いた1話完結型のホームコメディ。

今回は内田に、笑いあり涙ありのコメディに仕上がったという今作の魅力、共感した主人公の仕事観・恋愛観、30代に突入して1年経った今の心境を聞いた。「年々人生が楽しくなっています」――その理由や、仕事をするうえでのモットーとは。

  • 女優の内田理央 撮影:宮田浩史

    女優の内田理央 撮影:宮田浩史

■笑いあり涙ありのコメディ

――台本を読んだときには「アイデアが面白くて一気に読んだ」とのことですが、今作のどんなところに面白さを感じましたか。

娘が両親に毎週違う彼氏を紹介するコメディだと聞いて、どんな彼氏たちが登場するんだろうと思っていたら想像以上にバラエティに富んでいて。「結局この子はどんな人と落ち着くんだ!?」と最終回まで気になってしまうというアイデアがすごいと思いました。感動的な回やぐっとくる台詞もあって、笑いあり涙ありのコメディになっています。

――撮影方法としては毎回決まった場所を舞台に展開する“ワンシチュエーションコメディ”ということで、一風変わったドラマになっているんですよね。

海外ドラマのような仕上がりになっているのですが、演じる側は大変なんだと知りました(笑)。カメラを長回しにして話し続けるので、1話を撮ると30分の舞台をやりきったような感覚になります。撮影の記憶がなくなるくらい体力を使いましたが、それだけに達成感を味わえました。

――父親役の升毅さん、母親役の美保純さんの印象を教えてください。

がっつり共演したのは今回が初めてです。ベテランの役者さんなので最初は緊張していたのですが、お2人ともすっごく楽しい方で! リハーサルの時点でこの2人と一緒なら大丈夫だと確信し、本番も本当の家族のような安心感の中で撮影できました。

――登場する彼氏たちの中で、特にインパクトがあった彼氏は。

鳥越裕貴さん演じる彼氏です。その回だけはお父さんの上司からの縁談という形なのですが、なぎさとしてはすごく嫌で(笑)。その彼氏はお父さんを罵ったり、お母さんをおばさんと言ったり、部屋を散らかしたりやりたい放題。実はその行動には理由があるのですが、こんな彼氏嫌だ! という感情が強く心に残ってます。

――内田さん自身も嫌だと思うような彼氏なんでしょうか。

絶対ヤダ!(笑) 家という空間に自分の嫌な人がいるって不快な気持ちになるんだなと思いました。なぎさは毎週キュンキュンした顔を見せるのですが、その回はずっとムスっとしています。

■結婚と仕事のバランスはそれぞれが選ぶこと

――逆に彼氏候補を勧められるという変化球パターンもあるんですね。内田さんが演じるなぎさはどんなキャラクターですか。

雑誌の編集のお仕事をしていて、そこで出会った人を好きになって、結婚したいと家に連れてくるのですが、すぐ次の人に気持ちがいっちゃうという。熱しやすく冷めやすいタイプの女の子です。仕事と恋愛に関する考え方が自由で今っぽくて、自分と似ているところが多いなと思いながら演じました。

――どんなところを似ていると感じましたか。

結婚したからと言って仕事を辞めないといけないわけではなくて、もっと自由に家族で話し合って決めればいい。女性は家庭に入らないといけないという昔の固定観念にとらわれないところや、どんな国籍やどんな職業の人にも分け隔てなく接しているところが素敵だなと思いました。

――内田さんも分け隔てなく人と接することができるタイプですか。

「人類皆友達」じゃないですけど、細かいことを気にせずに人と接するところは似ています。ただあまり簡単に人を信用できないタイプなので、すぐに彼氏を家に連れてくるなぎさはすごいなと(笑)。

――「結婚したからと言って仕事を辞めないといけないわけではない」という考えにも共感しましたか。

それぞれの生き方によって選ぶことだから、皆がそうだからこうしなきゃ、誰かに言われたからこうすべきっていう周りの意見は気にしなくていいんじゃないかなと思います。