帝国データバンクは10月6日、「脱炭素社会に向けた企業への影響」に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は7月15日~31日、1万1,503社を対象に、インターネットで実施した。
脱炭素社会の進展は、今後の自社の事業にどのような影響があるか尋ねたところ、「プラスの影響」(14.0%)は、2021年に実施した同様の調査から0.8ポイント減少した。一方、「マイナスの影響」は同3.4ポイント増の19.5%。「影響はない」は、1.2ポイント減の33.8%となっている。
脱炭素社会の進展により「プラスの影響」があると考えている企業の主な業種は、「金融」(23.3%)が最も多く、「農・林・水産」(22.6%)や「電気機械製造」(22.3%)が続いた。
一方、「マイナスの影響」 では、ガソリンスタンドなどを含む「専門商品小売」(55.8%)が1位だった。「自動車・同部品小売」(42.2%)、「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(35.8%)、「運輸・倉庫」(35.5%)は全体より15ポイント以上高くなっている。
電気自動車(EV)の普及は、今後の自社の事業にどのような影響があるか聞くと、EVの普及が「プラスの影響」とした企業は前回調査から1.1ポイント減り12.3%だった。「マイナスの影響」とした企業は同1.1ポイント減の13.8%、「影響はない」は1.6ポイント増の42.3%だった。
EVの普及により「プラスの影響」がある企業を主な業種別にみると、「電気機械製造」(29.8%)が全体(12.3%)を17.5ポイント上回っている。また、「家電・情報機器小売」(25.4%)や「自動車・同部品小売」(22.9%)は全体より10ポイント以上高かった。
「マイナスの影響」 では、ガソリンスタンドなどを含む「専門商品小売」(50.8%)は、全体(13.8%)を37.0ポイント上回った。また、「自動車・同部品小売」(43.1%)、自動車や自動車部品メーカーを含む「輸送用機械・器具製造」(39.8%)、「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(32.3%)なども多くなっている。
EVの普及による「自動車関連業種」への影響に限定すると、「プラスの影響」とした企業は16.5%、「マイナスの影響」は46.5%、「影響はない」は13.2%だった。