• 吉原怜那(左)と蓮見翔

今回の脚本は、ダウ90000主宰の蓮見翔が担当。「いつも舞台ではワンシチュエーションで書かれているんですが、今回もドイツ村っていうすっごく大きなワンシチュエーションですよね。いつも通りの面白さに、ここまでいろんな場所で、自然の豊かなロケーションという映像作品でしかできないシチュエーションで書いてるなと思いました」と、メンバーの視点で印象を語る。

その上で、「蓮見さんは他のメンバーより脚本提供をしていたり、いろんな現場に行ったりしてるから、そこまで初めてだらけの経験ではないのかもしれないですけど、あんまり戸惑っている姿を見ないんです。戸惑っていてもそう見せないようにしているのかもしれないですけど、だからこそ橋本さんと一緒にクリエイティブなものを作れるんだろうなと思いますし、スタッフの皆さんの信頼が厚いんだろうなと思います」と分析した。

  • クランクアップの様子

■学業との両立に苦心「留年しちゃったんです(笑)」

佐久間宣行、東京03・飯塚悟志、いとうせいこう、爆笑問題・太田光など、著名人からその実力を評価する声が次々にあがり、注目を集めるダウ90000。今年に入りテレビ出演も相次いでおり、環境は大きく変わっているというが、学業との両立に苦心しているそうだ。

「今年に入って留年しちゃったんです(笑)。だから、履修を組む上で夜にお笑いライブとかが入ることが多いので、1限と2限を埋めたんですけど、コロナ禍でオンライン授業だから大丈夫だと思ったら、5月くらいに『全面対面授業になります』って言われて、結構絶望しちゃって(笑)。6月末に『ABCお笑いグランプリ』の最終予選が大阪であって、授業の途中で抜けなきゃいけないことがあったり、次の日もスケジュールを空けなきゃいけなかったり。日芸と違って東女はこういう活動を歓迎しているわけではないし、誰も助けてくれないので(笑)、なかなか両立が難しいですね。世の中にはもっと忙しい人もいるので、こんなこと言ってる場合じゃないと思いますし、仕事があってこういう状況になってるというのは、うれしいことではあるんですけど…」

■好きだった演劇とお笑いが両方できる場がダウだった

日芸の外から唯一、ダウ90000に入ったのは、東大落研として出場した大学お笑いサークルの大会で、ダウ90000の前身・はりねずみのパジャマを見て面白いと感じ、東大落研の先輩とYouTubeのコント撮影に参加したのがきっかけ。そこから出入りするようになり、ダウ90000が結成されるときに、自然と入る流れになったそうだ。

元々子役をやっていた経験もあり、「好きだった演劇とお笑いが両方できる場があるといいなと思っていた矢先に、蓮見さんに声をかけてもらったので、『自分のやりたいことができるから、これはいいや!』と思って」と参加。当初はゲスト感覚で、一番年下なのもあって他のメンバーには敬語だったそうだが、次第に打ち解けていった。

東大の落研や日芸のダウ90000と、お笑い活動のために外へどんどん踏み出す行動力を見せる吉原。学業との両立に苦戦しているが、きちんと卒業した上で、「ダウ90000一本で活動していきたいです」と先を見据えている。

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●ダウ90000
蓮見翔、園田祥太、飯原僚也、道上珠妃、上原佑太、忽那文香、中島百依子、吉原怜那による8人組。「はりねずみのパジャマ」を前身とし、主宰の蓮見と日本大学芸術学部出身のメンバーを中心に、2020年9月に旗揚げ。第2回本公演『旅館じゃないんだからさ』で、脚本の蓮見が「岸田國士戯曲賞」の最終ノミネートに残り、ダウ90000としては今年7月に行われた「第43回ABCお笑いグランプリ」で決勝進出を果たすなど、演劇界、コント界で注目を集める。