アート引越センターは10月5日、「転勤に対する実態調査」の結果を発表した。調査は7月上旬、過去10年間に転勤経験のある全国25歳~49歳の男女400名(男女既婚未婚別に100名ずつ)を対象にインターネットで行われた。

  • 転勤時の選択(1998年との比較)

    転勤時の選択(1998年との比較)

転勤の際、家族揃って転居したか、単身赴任をしたかを聞いたところ、既婚男性55.4%、既婚女性43.8%が「単身赴任」を選択。既婚者全体では「家族揃って転居した」(45.5%)、「先に単身赴任し、あとから家族が来た」(4.5%)と家族で転勤した人は合わせて50.0%と、単身赴任を選択した人とほぼ同数に。

1998年調査と比較すると、子どもがいる20代~50代男性の単身赴任比率は15.1%と、2022年(54.4%)との差は歴然。20年以上前は「転勤=家族で引越をすること」が当然の時代だったよう。

  • 辞令(内示)を断った経験について

    辞令(内示)を断った経験について

また、転勤の「辞令(内示)を断った経験がある」人は男女全体で14.8%。子どもがいる人に限定すると20.3%、子どもがいない人の場合は11.2%と約9ポイントの差が。一方、転勤辞令(内示)を断った男性の割合を1998年調査と比較すると、1998年は16.7%と、2022年(16.5%)と大きな違いはなく、20年以上前から変わらず、現在も一定の割合で辞令(内示)を断る人がいることがわかった。

転勤の辞令(内示)を受けて最初に思ったことは、1位「次(転勤先)の仕事のこと」(35.5%)、2位「引越のこと」(23.3%)、3位「当時の仕事のこと」(12.3%)という結果に。一方で、子どもがいる人に絞って結果を見ると、1位は変わらないものの、「子どものこと」(22.8%)が2位となった。

また、転居先を決定する際に重視したことを教えてもらったところ、「通勤時間」(51.2%)、「賃貸料」(36.3%)、「駅からの距離」(32.8%)が上位に。近年、単身赴任を選ぶ人の増加もあってか、自らの利便性を優先する傾向にあることがわかった。

  • 転勤後の苦労や悩み

    転勤後の苦労や悩み

次に、転勤後に苦労したことや煩わしいと感じたことについて聞いたところ、「新しい職場での人間関係」(39.0%)や「新しい職場での仕事」(30.5%)が多く、合わせて約7割を占める結果に。一方、「転勤をしてよかったですか?」と聞くと、女性49.0%、男性39.5%が「良かった(とても+やや)」と回答した。

最後に、転勤してみたい都道府県を聞いてみたところ、1位「東京都」、2位「大阪府」、3位「北海道」、4位「福岡県」、5位「沖縄県」と、大都市や観光地が上位に。利便性の良さを重視する人や、せっかく転勤するならプライベートでも楽しめそうな場所に行きたいと考える人が多かった。