「フレンチ」と聞くと、高級で手の届かないイメージがある人も多いのでは? そんなフランス料理を、もっと気軽に楽しんでもらうことを目的としたイベント「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」が今年も開催されます。9月23日からの開催に先駆け、フレンチシェフと和食料理人による一夜限りのコラボイベント「ダイニングセッション」が行われました。今回はその様子をレポートしていきます。
■「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」とは?
「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」は、日本全国から約550店舗のフレンチレストランが参加し、期間中は誰でも気軽にリーズナブルな価格(2,500円~)でコース料理を堪能できるイベントです。期間は9月23日〜10月16日までの24日間。
今年のテーマは「日本の食文化を応援!トレ・ボン 日本のテロワール」。参加レストランは、わさび・里芋・山菜などの和食材を取り入れたコース料理を提供します。また、2022年から新たにフランス国内の魅力的なエリアに焦点を当てて紹介するそうで、今回のコースの共通テーマは「南フランス」。野菜の肉詰め「ファルシ」や、魚の旨味をたっぷり凝縮したスープ「ブイヤベース」など、南フランスの料理を含んだコースを2,500円からと言う気軽に楽しめる価格帯で味わうことができます。
■一夜限りの特別コラボ「ダイニングセッション」
「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」開催前の9月9日、コンラッド東京にて3名の著名なシェフがコラボした特別コースが味わえるイベント「ダイニングセッション」が行われました。
登場したのは、今、日本のフレンチ業界で特に注目を集めている"フォーカスシェフ"の1人、京都・四条烏丸に店舗を構える「Restaurant ai」のシェフ 相川浩己氏。続いて、パートナー企業であるコンラッド東京内にある「コラージュ」のシェフ 影山拓磨氏、そして、スペシャルゲストとして「銀座小十」店主 奥田透氏の計3名です。
フランス・パリにも店舗を持つ奥田氏は「世界には何百カ国とある中で、食文化が一番色濃く出るのがフランスと日本ではないかなと思っています。せっかくの機会なので、少しだけでも日本の文化を取り入れた料理を楽しんでいただきたいです」と語りました。そんなフランスと日本の魅力を伝える特別コースをここからは紹介していきます。
アミューズブーシュ
大きなスケルトンリーフに隠れていたのは、かぼすを菊の花の形にカットした小鉢。
5つのかぼすの器には、それぞれ異なる種類のアミューズブーシュ。レモン、オレンジなどの柑橘系で香りづけをし、ビストワーズ、クリスピーポテトを合わせ、濃厚なキャビアをのせた「北海道産甘海老とクリスタルキャビア」。りんごとセロリと毛ガニを合わせ、コーンをのせた「山梨県産スイートコーンと毛ガニ」、旨味の強いあけぼの大豆を使用した「蛸とあけぼの大豆の五目煮」などバリエーション豊かな品々です。そのほか、三重県産の「岩牡蠣」、「ホタテと大葉のクスクス」など一品目から驚きが満載。
シャラン鴨のトルテリーニ レモングラスとオレンジ
続いて、和のお椀で運ばれてきたのは、影山シェフによる「シャラン鴨のトルテリーニ レモングラスとオレンジ」。シャラン鴨のコンフィとフォアグラ、フォンを生地で包んだトルテリーニは、ギュっと凝縮された鴨の旨味を味わうことができます。また、下に引かれているオレンジと南高梅のピュールは、コクと酸味をプラスしてくれる最上の脇役。まわりには白ワイン・レモングラスなどを合わせた、エスニック風味の泡のソースが添えられ彩り豊かな一皿です。
小舟に乗った7種類のお造里
続いて、昆布の上にお刺身が乗った大皿がサーブされました。お造里は、伊勢海老の昆布締め、金目鯛、いか、マグロ、ひらめ、かます、うにの7種類。
それぞれのお刺身に合うトッピングで味付けがされているので、何もつけずにいただきます。奥田氏によると、醤油の代わりとなるジュレは昆布だしと塩、柚子を使い、お刺身全体をなめらかな味に仕上げているとのこと。丸くカットされた野菜やからすみなどが調和し、上品な和の味わいが楽しめます。
また、お造里と共に提供されたのは、山梨銘醸とデュカス・パリが共同開発したスパークリング日本酒「七賢 アラン・デュカス スパークリングサケ」。清涼感のある洗練された香りが特徴的で、口に含むと綺麗な甘さと酸味が広がります。スパークリング日本酒とお造里はベストなペアリング!
都萬牛とズッキーニ 甲州オレンジワインのソース
焼酎粕やお茶の葉などナチュラルなエサで育った宮崎県の「都萬牛」を、甲州オレンジワイン、トマトウォーターで作ったソースと一緒にいただきます。
都萬牛は脂がさっぱりとしていて、薄くスライスされているため、程よい歯応え。加えて、肉本来の甘味や旨味を感じることができます。
鱧出汁仕立て 蓮根餅 黒あわび茸 青柚子
淡路島の鱧と、鱧の頭と骨からとった出汁のお椀仕立てが登場。山梨県の黒あわび茸と鱧出汁の美味しいところを楽しめます。蓮根餅は一度蒸してから揚げているので、蓮根ならではのシャキシャキ感を残しつつ、モチモチ食感も味わうことができます。日本料理ならではの心がほっこりする一品です。
山梨県産富士の介のポワレ 栗とクレソン
-
山梨県産富士の介のポワレ 栗とクレソン
山梨県のブランド魚「富士の介(ふじのすけ)」を使用した一皿は、川の流れをイメージした見た目にも美しい盛り付けで登場。フランスの栗とジロール茸、ヘーゼルナッツ、レモンと焦がしバターのソースなどがアクセントとして添えられています。魚と栗を組み合わせる珍しい発想ですが、日本とフランスの秋を表現しているのだとか。
本州鹿ロースト 山椒ソース
-
本州鹿ロースト 山椒ソース
本料理を手掛けた相川シェフによると、宮崎県産の鹿のシンタマ部分を、高温短時間で火入れしていることからジューシーで旨味をよく感じられるとのこと。山椒のソースは、京都の山椒屋のスパイスを使用しているのだそう。
付け合わせのアスパラガスは、そのままのものとスライスしたものの2種類が添えられ、上からはごぼうパウダーをトッピング。実際に相川シェフが現地まで赴き、複数の候補の中から選んだ宮崎県産の鹿肉は、ジューシーで臭みを感じない柔らかな食感でした。
シャインマスカットとフロマージュクリュ ジャスミンアイス
-
シャインマスカットとフロマージュクリュ ジャスミンアイス
山梨県産のシャインマスカットになめらかな口溶けのフロマージュクリュ、清里の牛乳を使った芳しい香りのジャスミンアイスが添えられたデザート。華やかかつ涼しげな見た目で、濃厚にもかかわらず後味はさっぱりしています。
和とフレンチという異ジャンルの料理人3名によるコラボレーションは、普段とは違う非日常の特別な時間に。今回のダイニングセッションは一夜限りではありましたが、「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」は、9月23日から10月16日まで開催されています。手頃なお値段から食べられるとあって、もっと身近にフレンチを感じることができるはず。ぜひ、この機会にフランスの食文化に触れてみてはいかがでしょうか?
※なお、「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」の参加店舗など詳細は専用ページにて確認を