リクルートは8月30日、「外食市場に関する調査」の結果を発表した。調査は7月1日~8日、20~69歳の男女9,666名(首都圏5,590名、関西圏2,614名、東海圏1,462名)を対象にインターネットで行われた。
外食時の人によるサービスへのこだわりについて聴取したところ、「人によるサービスの方がいい・計」の割合が高かったのは、「調理」(68.4%)と「配膳」(50.8%)。反対に「人によるサービスでなくてもいい・計」では、「注文」(72.6%)、「会計」(64.9%)、「片付け」(64.2%)などで高い割合を示したほか、全体的に「人によるサービスでなくてもいい・計」が過半数となっている項目が多く、人によらないサービスがもはや特別ではなくなっている社会状況を反映する結果に。
性年代別にみると、20~40代女性においては「人によるサービスでなくてもいい」と考える項目が多く、50~60代男性と60代女性においては「人によるサービスの方がいい」と考える項目が多く、年齢による差が大きいことがわかった。
続いて、外食のシーンやお店のタイプについて対比的な項目を提示し、それぞれ「人によるサービスでなくてもいい」かどうかを尋ねたところ、「人によるサービスでなくていい」割合が高い外食シーン1位は「一人で利用」(72.9%)、2位は「短時間(1時間未満)の利用」(69.2%)という結果に。
また、対比的な項目間のポイント差に注目してみると、「大衆店」(63.7%)と「高級店」(25.4%)で38.3ポイント差、「日常的な利用」(66.5%)と「特別な利用(記念日等)」(29.8%)で36.7ポイント差と大きく、利用シーンやお店のタイプにより「人によるサービス」のニーズに幅があるよう。
次に、「人によるサービス」にこだわる理由について尋ねたところ、1位「人によるサービスの方が温かみがある」(51.7%)、2位「人のサービスにも対価を払っていると思う」(31.8%)、3位「注文内容について詳しく相談したいときがある」(31.7%)が上位に。対して、「人に代わるツール類の操作が苦手、面倒」(12.1%)、「ツールやロボットによるサービスは放置されているようで印象がよくない」(8.2%)を選択する人は限定的だった。
一方、「人によるサービス」にこだわらない理由としては、1位「いちいち人を呼ぶのが面倒であり、気が引けることもある」(42.4%)、2位「人を介さない方が早いことがある」(38.4%)、3位「人手不足なので仕方がない」(31.6%)が上位に。性年代別では、20~60代女性で「いちいち人を呼ぶのが面倒であり、気が引けることもある」の割合が高く、20・30代女性ではさらに「人を介さない方が早いことがある」「人との関わりやスタッフとの交流は、特に求めない」の割合が高い傾向に。また、50・60代女性では「コロナウイルス感染症等の時節柄、人との接触をなるべく避けたい」の割合も高かった。