――そんなトラコを演じる橋本愛さんの印象を教えてください。

鈴木:アップダウンがなくていつもほがらかで安定していて、本当に立派な方だなと思います。

美村:実年齢より大人っぽく見えますよね。

鈴木:朝スタジオに入ると、違う場所でメイクしていて姿が見えないときも「ワハハー!」って明るい笑い声がいつも聞こえてきます。主役が明るくいてくれるってとても大事なことで、私たちは心強いです。

板谷:愛ちゃんは子どもたち含め誰とでも仲良くなっていて、とにかく壁がない人です。

――改めて、それぞれが演じるキャラクターがどんなお母さんなのかを教えてください。

板谷:どのお母さんも子どもを一番に考えている、子どもを信じているところは共通していますよね。

美村:真希は“毒親”っぽいから、知恵ちゃんは早く逃げたほうがいいんじゃないかなって。反省してもまた同じことを繰り返してしまうタイプのような気がします。知恵ちゃんに合わせて真希も成長しないと、追い抜かれるどころか置いてけぼりになって足を引っ張っちゃうんじゃないかってちょっと怖いときがあります。

鈴木:里美さんはふわふわしているけど、逆に守(里美の18歳の息子。演:細田佳央太)がしっかりしていていいバランス。6話のラストで「あんたが守ってくれてるんだね」という台詞があったのですが、こんなにふわふわした母でもちゃんと息子は育つんだなと。そこには非常に共感しました。

板谷:子どもに頼ったほうが楽ですよね。うちも高志(智代の12歳の息子。演:阿久津慶人)に任せようっていうスタンス。

美村:なるほど! きっと真希にはその視点がまだないんですよね。「私がなんとかしなきゃ」ってコントロールしようとしているのかもしれません。

――31日放送の7話では、初めてお母さんと子どもたちが6人で集まるシーンがあるとのことですが。

美村:新鮮でしたね。

鈴木:子どもたち3人が集まることが今までなかったですもんね。

美村:年の違う子どもたちが仲良くしていて、すごくリラックスしていました。

板谷:いつもと全然違う顔してた! 子ども同士でしか見せないようなかわいい顔をしていて、見ていてうれしかったです。阿久津くんもひょうきんな面が出てたなぁ。

美村:知恵ちゃんが仕切ってて、お兄ちゃん2人が見守るような関係でしたね。

――この先の展開では、トラコ先生を見ていてつらくなるシーンもあるとお伺いしました。

鈴木:つらかったね。痛々しくて。

美村:泣きそうになっちゃいました。

板谷:ハグしなきゃって。ほっとけないですよね

――まだ皆さんは結末を知らないとのことですが、どんな展開を期待していますか。

美村:私はトラコ先生、福多くんの「正しいお金の使い方」が知りたいです。そして2人が報われているところが見たい。

鈴木:実際の社会でも根本的なところで皆が生活しやすいような世の中になればと思うのですが、そのために必要なのは仕組みなのかマインドなのか、何かしら光や道筋が見えるような展開になればうれしいですね。そして子どもたちにとって合格することが幸せなのかどうかが知りたい。守は今お父さんやお兄ちゃん、お姉ちゃんをビックリさせるために東大を目指していますが、それが目的で本当に幸せになれるのか……。

美村:3人の合否は気になりますよね。

鈴木:合格率100%のトラコ先生が100%じゃなくなるかもしれないし。

美村:私たち家族は、トラコ先生が目的を達成するためのエサだったわけじゃないですか。

一同:エサ(笑)。

美村:一番大きなものを釣り上げたあと、どうするのか。最後にトラコ先生から何が出てくるのか楽しみです。

板谷:制作側もプレッシャーですね(笑)。