JR四国は26日、鉄道事業の旅客運賃の上限変更認可申請を国土交通省へ行ったと発表した。100kmまでの運賃について、賃率によらない「対キロ区間制運賃」を新たに導入するほか、定期旅客運賃の割引率を見直し、一部区間の特急料金改定なども行う。2023年春の実施を予定している。

  • JR四国が運賃改定の申請を行ったと発表

普通旅客運賃は、100kmまでの運賃について「対キロ区間制運賃」を導入し、他の交通機関を考慮した運賃水準で設定。101kmからの運賃は、現行と同様にキロ数に賃率を乗じて算出し、200kmまでに適用する賃率を3円引き上げる。201km以上に適用する賃率は据え置き、改定は平均12.51%で申請した。

定期旅客運賃は、普通旅客運賃の改定額に加え、割引率の見直しを実施。通勤定期は現行の割引率を改定し、1カ月の割引率を現行の平均52.9%から、改定後は平均48.0%とする。6カ月の割引率は現行の平均58.8%から、改定後は平均53.2%に。通学定期は大学生用の1カ月の割引率を現行の平均74.7%から、改定後は平均73.2%で申請した。

中学生・高校生用の通学定期は、申請が認可された場合に届出を行う予定で、高校生用の1カ月の割引率を現行の平均76.9%から、改定後は平均76.2%に見直し、中学生用の1カ月の割引率を現行の平均81.6%から、改定後は平均80.8%に見直す予定だという。全体の改定率は、通勤定期が平均28.14%、通学定期が平均22.43%となる。

その他、一部区間の特急料金を改定する届出を行う予定。25kmまでの区間について、自由席特定特急料金を現行の330円から450円に改定。指定席特定特急料金は特定を廃止し、1,070円から1,290円として、A特急料金と同額とする。50kmまでの区間について、自由席特定特急料金は特定を廃止し、現行の530円から760円として、A特急料金と同額とする。それ以上のキロ帯に関して、料金改定を行うことは加重な負担となることや、都市間輸送はバス等との競争が厳しいことも踏まえ、改定は行わない。

  • 一部区間の特急料金について改定の届出を行う予定

特定運賃については、今回の運賃改定が認可された場合、廃止の届出を行う予定。1996(平成8)年の運賃改定で、地方交通線の運賃表を廃止し、新たに擬制キロ制を導入した際、改定率が高くなる区間における激変緩和の目的で特定運賃を導入し、改定率の低減を図っていた。特定運賃の導入から25年以上が経過し、激変緩和策の役目を終えたと考えられることから特定運賃を廃止し、通常の運賃計算方法を用いるとのこと。

特別企画乗車券「トクトクきっぷ」は、今回の運賃改定が認可された場合、改定分相当を引き上げることを基本に、きっぷごとの固有の事情も勘案して発売額を決定し、届出を行う予定。JR他社に関連する見直しについては、決まり次第、発表するとしている。