ウルトラマンシリーズ最新作『ウルトラマンデッカー』のキャスト・監督・楽曲アーティストが大集合した豪華イベント「ウルトラマンデッカーSPECIAL NIGHT」が25日、「ウルトラヒーローズ EXPO 2022 サマーフェスティバル IN 池袋・サンシャインシティ」にて開催された。

ステージには主人公アスミ カナタを演じる松本大輝をはじめGUTS-SELECTメンバーが勢ぞろいしたほか、メイン監督の武居正能氏、そしてオープニングテーマ担当のSCREEN mode(勇-YOU-、雅友)、エンディングテーマ担当の影山ヒロノブも登場し、両アーティストによる生歌唱パフォーマンスも実施された。

  • 上段左から武居正能監督、影山ヒロノブ、ウルトラマントリガー、テラフェイザー、勇-YOU-(SCREEN mode)、雅友(SCREEN mode)、下段左から黄川田雅哉、宮澤佐江、村山優香、ウルトラマンデッカー、松本大輝、大地伸永、小柳友

『ウルトラマンデッカー』は『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』(2021年)の続編。人類を襲う未知の脅威「スフィア」に対抗するべく、地球平和同盟TPUにより新たに編成されたエキスパートチームGUTS-SELECTと、彼らに味方する光の巨人・ウルトラマンデッカーの活躍が描かれる。

開幕と同時に現れたのは、アスミ カナタ隊員役の松本大輝、そしてキリノ イチカ隊員役の村山優香。2人はオープニングテーマ「Wake up Decker!」を熱唱し、つめかけたファンからの熱い手拍子を受けながら激しいダンスを踊った。マイクの不備により松本の歌声が拾えないという重大なアクシデントがあったものの、「生歌をファンのみなさんに届けたい」と精一杯のパフォーマンスを見せた松本の頑張りに、いきなり感動させられた。

「Wake up Decker!」2コーラス目からは2人組音楽ユニット「SCREEN mode」が登場し、迫力の生歌唱を披露。その後ろからは、ムラホシ タイジ隊長を演じる黄川田雅哉ほか、GUTS-SELECTメンバーが勢ぞろい。左端には、第1~3話をはじめ本作の主要エピソードの演出を手がけたメイン監督・武居正能氏の姿も見える。

GUTS-SELECTメンバー、および武居監督はこのイベントに備え、エクササイズを採り入れた軽快かつダイナミックなダンスを練習したそうで、SCREEN modeの歌と演奏を大いに盛り上げる効果を担った。

ステージにはウルトラマンデッカーが登場。しかも、基本形態のフラッシュタイプ(写真)だけでなく、怪力自慢のストロングタイプ、超能力戦法を用いるミラクルタイプもさっそうと姿を見せ、ファンの注目を集めた。

松本演じるカナタはGUTS-SELECTの新人隊員で、目の前にあることに全力で取り組むひたむきさを持つ好青年。宇宙浮遊物体スフィアに取り込まれ危機に陥ったのをきっかけに、ウルトラマンデッカーへの変身能力を得る。しかしカナタがデッカーに変身できることは、GUTS-SELECTのAIユニット「HANE2(ハネジロー)」しか知らない秘密である。

カナタ、リュウモンと同じくGUTS-SELECTの新人隊員イチカを演じる村山。イチカは小柄だが、機敏で小回りのきくスポーツウーマン。性格や主義の違いから衝突しがちなカナタとリュウモンの間に入り、新人トリオの要となる存在。

GUTS-SELECT新人トリオのひとり、リュウモン ソウマを演じる大地伸永。リュウモンは常に冷静で、感情をあまり表に出さないクールな性格。熱血漢のカナタとぶつかることが多いが、戦いの中でお互いの良いところを認め合い、共に成長を遂げていく。

宮澤佐江が演じるカイザキ サワはGUTS-SELECTの副隊長。新人隊員たちにとって「お姉さん」的存在で、穏やかなムラホシ隊長に代わって厳しい言葉を用いることもある。対怪獣用戦闘艇ナースデッセイ号の操縦&オペレーターを務めている。

小柳友が演じるアサカゲ ユウイチロウ博士は、TPU技術部に属する科学者。GUTS-SELECTが戦闘で使用するメカニックを開発し、メンバーの元へ届けにやってくる。

かつてTPU訓練学校の校長を務め、新たに編成されたGUTS-SELECTの隊長となったムラホシ タイジは、黄川田雅哉が演じている。穏やかな性格で、誰に対しても敬語を用いて優しく接しているが「微笑みを浮かべながらメガネを外す」しぐさを見せるときは、ムラホシが怒っているサインであるという。

トークコーナーでは、メンバーと武居監督が、現在放送済みの第1話から第6話までの中から思い出に残る名シーンを挙げていくことになった。松本は、第1話での初変身シーンをリクエストし、通常の隊員服姿ではない「私服」での変身シーンが印象に残っていると話した。また、村山、大地、宮澤、黄川田、武居監督はそろって第2話のラストシーンを挙げ、ムラホシ隊長がカナタ、イチカ、リュウモンを新隊員に任命し、5人が全員そろうまでの一連の映像を観返した。村山は「めちゃくちゃ感動しませんか? 大好きなんです、このシーン。一緒にテレビを観ていた母も泣いていました」と、母娘でオンエアを観ながら改めて感動していたことを明かした。大地は「初めてGUTS-SELECTの制服を着たとき、背筋がビッと伸びていい緊張感があった。これからこの5人で頑張っていくぞという思いがシーンに表れていました」と、ユニフォームがかもし出す良い緊張感について語った。

スクリーンに上映された名シーンに合わせて、松本がカナタの動きを再現し、宮澤にツッコまれる楽しい一幕もあった。

宮澤は第2話ラストシーンについて「第1話と第2話を比べても、たった1話なのに3人(松本、村山、大地)の顔つきがたくましく変わっていたのが良かった。また、隊長がさらっと放った一言から、どういう人物像なのかがわかって、魅力的に思えました」と、各キャラクターの人間味が深く描かれていたことを取り上げた。黄川田も同シーンをふりかえり「GUTS-SELECTが産声を上げた瞬間。ここからみんながどんな風に成長するのか、今後が気になります」と、新人隊員たちの可能性について期待をかけるコメントを残した。

厳しい訓練の日々を重ねて、ようやく念願の隊員になることができた第2話のラストシーンを観ながら、感慨深げな表情を浮かべる大地、松本、村山。

武居監督は第2話のラストをふりかえって「5人が制服姿でそろった最初のカットで、撮っているときに『GUTS-SELECT、できあがったな!』と実感した思い出深い場面です」としみじみ語ったのち「このシーンを撮る直前に、脚本の該当箇所をぜんぶ書き直しているんです。新人3人が今やるべきことをやるっていうほうが、彼ららしいと思って。チームのアットホーム感にこだわり、改訂してあのようなシーンになりました」とシーンのこだわりポイントを語り、黄川田たちを驚かせた。

続いてのトークテーマは「ここでしか聞けないウラ話」。武居監督が選んだのは第2話、カナタとリュウモンが主張の違いから激しく対立するシリアスなシーンだった。2人の言い争いにイチカが割って入るカットを、村山が真剣なまなざしで見つめている。武居監督は「大地がテンションを高めすぎて、このシーンで泣いちゃったのをよく覚えている。思わず『ここ泣くとこじゃないから』って冷静に言ってしまった(笑)」と、大地の演技にかける熱意のほどを明かしていた。

黄川田は、第6話でのムラホシとサワの会話シーンについて「辻本貴則監督の回なんですけど、この場面で僕が佐江ちゃんの横を通り過ぎながらセリフを言うんです。目の前で言えばいいのに(笑)。とてもトレンディっぽい芝居というか、あれ? 僕はいまウルトラマンを撮ってるんだよね……と思ってしまうくらい、楽しい演技をやらせてくれる監督。正統派のカッコよさや、泥くささが魅力の武居監督とは違った面があり、いろいろな楽しみを与えてもらいました」と、監督の個性によって芝居の方向性が変わることに楽しさを感じていると語った。

宮澤は第5話のラストシーン、エレキング(エリー)が巨大化しないための飼育方法をレクチャーする映像を挙げて「メガネをかけ、教師になったつもりで撮影しました」と、ふだんのお姉さん風な印象のサワ副隊長ではなく、作り込んだ「教師」キャラで撮影に臨んだことを説明した。

さらに宮澤は「テレビ画面にカンペ(スケッチブック)が映り込みますけれど、あれはミスで映っちゃったんじゃなくて、隊長がわざわざ持ってくれているんです」と、カンペを手にしているのが黄川田であることを打ち明け、ムラホシ隊長とサワ副隊長のよきパートナーシップについて語った。

大地は第5話でのエレキング大暴れシーンについて「撮影したのが冬で、あまりの寒さに活舌が悪くなって困った。オンエアを観たとき、台本では2、3行くらいあった自分のセリフが途中で切られていて、あれは活舌が良くなかったからなのかな……と思い、印象に残っています」と、寒い時期の撮影で口の動きがままならず、演技に苦労したというウラ話を披露した。松本は第6話冒頭で、地底怪獣パゴス出現の前兆というべき「金色の虹」が出るシーンをリクエストしたが、手違いからそれとは違うシーンがスクリーンに出てきてしまった。松本は「ロケ撮影の現場で、本当に金色の虹が空に浮かびあがり、スタッフがザワザワしていたんです。写真を撮りましたから、SNSに上げておきます!」と、特撮ではなく実際の空に金色の虹が出るといった不思議な現象をスタッフと共に体験したことを明かした。

続いては、ムラホシ隊長がイチカを「まっすぐの天才」、リュウモンを「見つめる天才」と評したように、キャストと武居監督たちが相互に「天才」の称号を与えるというコーナーに突入した。キャストはボックスの中に入っているハネジローフィギュアに書かれたサインが誰のものなのかを探った上で、本人に何の天才なのかを伝えることになった。黄川田は松本に「トイレの次の人のことを考える天才」、宮澤は武居監督に「日焼けの天才」、村山は宮澤に「女性として完璧な天才」、松本は黄川田に「気配りの天才」または「グミ配りの天才」、大地は村山に「ストイックの天才」、小柳は大地に「悩める天才」、武居監督は小柳に「頼りになる天才」と、それぞれ個性的な天才の称号を捧げ、互いの評価についていろいろなリアクションを取り合っていた。

『ウルトラマンデッカー』8月27日放送の第7話では、ウルトラマントリガー/マナカ ケンゴ(演:寺坂頼我)が登場し、デッカーと共に強敵と戦うビジュアルが公開されている。ここで松本による第7話予告ナレーションの生アフレコが試みられ、そのカッコよさに会場全体が大きな拍手に包まれた。

そして、寺坂頼我から『デッカー』キャスト陣に寄せられた手紙をMCが代読するコーナーへ。寺坂は「指を口元にあてて、スマイル、スマイル!」とケンゴの得意ポーズを盛り込みながら「こうして手紙を綴って、改めて僕が先輩ウルトラマンになったんだなと強く実感しています。27日放送の『デッカー』にも先輩として登場します。気が付けばケンゴは31歳になりました。でも、寺坂頼我はまだ22歳です!」とケンゴの設定年齢が30歳を超えたことに対する驚きを示しつつ「会場にお集まりのみなさん、そして配信をご覧になっているみなさん、いつもウルトラマンの応援をありがとうございます。何度もみなさんのパワーに助けられてきました。どんな時も立ち上がれました。みなさんはウルトラマンを応援する天才! これから先も胸を張って応援してほしいです」と、底抜けに明るいケンゴそのままの調子で、ウルトラマンを愛し、応援してくれるファンに感謝の思いを伝えていた。

続いて、ウルトラマンデッカーがウルトラマントリガーから託されるという新装備「ウルトラデュアルソード」の紹介が、玩具商品を手にした松本によって行われた。ソードから発する音声ギミックがはっきり聞こえるよう、村山がマイクを各部分に近づけるという名アシストを行っていた。

いきなりステージに恐ろしい咆哮が響いたと思った直後、スフィア合成獣「スフィアレッドキング」が襲来した。GUTS-SELECT隊員たちの顔に緊張が走る。武居監督が危ない!

そこに、ウルトラデュアルソードを構えたウルトラマンデッカーが登場し、スフィアレッドキングとの凄絶なる戦いが展開した。

ウルトラデュアルソードを手にしたウルトラマンデッカーの勇姿。

続いて、本イベントで初公開となるTPU最高技術の結晶「電脳魔人テラフェイザー」が、アサカゲ博士(小柳)に導かれてステージに出現した。

テラフェイザーはGUTS-SELECTの強力な新戦力として、アサカゲ博士によって開発されたロボット型兵器。AIによる自律制御で動き、背中のユニットに貯蔵された特殊な粒子をエネルギーに変換し、巨大な敵に応戦する。

右腕にクローアーム、左手にビーム砲、上半身に一撃必殺の粒子砲を放つショルダーアーマーを装備。テラフェイザーはウルトラマンデッカーと力を合わせ、強力な怪獣に挑んでいく頼もしい味方ではないかと思われる。

ここで突然、GUTS-SELECTのAIユニット・ハネジローことHANE2が登場し、テレビと同じくカナタとの威勢の良いコミカルなやりとりが見られた。

いつものハネジローの声(土田大)と少し印象が違う?と思ったら、ハネジローを抱えた影山ヒロノブが中央から姿を見せた。ここでのハネジローはなんと影山による「アテレコ」だったのだ。

松本は、エンディングテーマ「カナタトオク」の作詞・作曲・歌唱を務めた影山と初めて対面したことで感激し、心から嬉しそうな表情をのぞかせた。

影山はかつてロックバンド「レイジー」として『ウルトラマンダイナ』(1997年)のエンディングテーマ(後半)「ULTRA HIGH」を担当した実績があり、『ダイナ』の系譜を受け継ぐ本作『デッカー』のエンディングを依頼された経緯を明かした。「カナタトオク」については「武居さんから、最初は失敗もたくさんするけれど、みんなと力を合わせて成長をしていくカナタの応援歌を作ってほしいと頼まれました。一生懸命作りました。自分としてはベストな曲ができたと思っています」と、武居監督からの要望を受けつつ、自分の思いを強く込めた楽曲の出来栄えについて自信をのぞかせた。

「カナタトオク」を熱唱する影山。曲の間、出演者はステージやランウェイを自由に歩き出し、大勢のファンたちの拍手に応えていた。

曲が最高に盛り上がる中、ふたたびSCREEN modeの2人もステージに集合。

マスコミ向けのフォトセッションでは、キャスト陣と武居監督、2組のアーティストが思い思いのポーズを取った。デッカーの必殺技・セルジェンド光線のポーズを構える者もいた。

SCREEN modeのボーカル担当・勇-YOU-は「このたび、デッカーの3タイプ(フラッシュ、ストロング、ミラクル)それぞれのテーマソングを歌わせていただくことになりました!」と発表し、客席を大いに沸かせた。「タイプチェンジテーマソングミニアルバム」CDは、2022念12月7日に発売されるという。

盛りだくさんな内容だったイベントもいよいよラスト。マイクを手にした黄川田は「『デッカー』はまだまだ始まったばかり。これからどんどん面白くなっていきます。一回観るだけではなく、二回、三回と観てもらって、いろいろな発見をしていただけたら嬉しいです」と、ひとつのエピソードを繰り返し観ることによって新しい発見ができる「リピート視聴」を推奨した。

黄川田の挨拶の直後、マスコミにも事前に知らされなかった正真正銘の「サプライズ」イベントが行われた。8月13日生まれの宮澤と、8月29日生まれの小柳の誕生月を祝し、キャストと武居監督から花束が贈呈された。そしてSCREEN modeと影山からは、バースデーソングの贈りものが届けられた。

黄川田から花を受け取って歓喜した宮澤は「撮影は終了しましたが、テレビでみなさんに観てもらって作品は完成します。みなさんのパワーが私たちとデッカーの支えです。最後まで応援をよろしくお願いします!」とコメントし、作品を応援してくれるファンの存在が何よりも大きいと力強く語った。

大地から花を手渡され、笑顔をたたえた小柳は「34歳になります。ほんとうに嬉しいです! ありがとうございます。みなさんには最後まで『デッカー』を観ていただきたいと思います!」と、1話完結でありながら連続ドラマとしての面白さをも備えている『デッカー』を最終回まで観続けてほしいと願いを込めて挨拶をした。

村山は「デッカーナイトに出演できて嬉しく思います。そしてSCREEN modeさん、影山ヒロノブさんの生歌も聴けましたし、友さん、佐江さんのお誕生日もお祝いできて、ほんとうに幸せな一日でした!」と挨拶し、楽しいイベントに参加できた喜びをあらわにした。

大地は「大勢のみなさんの前で、キャスト全員揃ってイベントができて嬉しいです。今後も『デッカー』はもっともっと盛り上がっていくので、放送を楽しみにしていてください!」と挨拶。今後、『デッカー』の物語がどんな風に発展していくのか、期待を大いに煽った。

松本は「今日はこんなにたくさんの方たちが来てくださって、びっくりすると同時に嬉しかったです! 影山ヒロノブさん、SCREEN modeさんに目の前で歌っていただいて、いい思い出になりました。これからの『デッカー』はいろんな展開が起きて『これってもしかして……こういうことだったのか』みたいな伏線回収とかもありますので、引き続き応援をよろしくお願いします。放送をご覧になった日には、ぜひご感想をSNSでつぶやいてください。見てますから(笑)。本日はどうもありがとうございました!」と、大勢のファンに『デッカー』を楽しんでもらいたいという願いを込め、感謝の気持ちを伝えた。

イベントの締めくくりは、SCREEN modeのお2人の演奏・歌唱による「Wake up Decker!」(ワンコーラス)。登壇者のうち松本とデッカーだけが残り、ファンに向けて大きく手をふる姿が印象的だった。

『ウルトラマンデッカー』は毎週土曜日午前9:00~9:30、テレビ東京系6局ネット他で放送中。

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンデッカー製作委員会・テレビ東京