「〇〇まで」という表現はビジネスシーンを含め、期限などの説明によく使われます。正しく理解していなければトラブルに発展する可能性がありますが、正しい意味や使い方について自信がない、という人も少なくないでしょう。ここでは「〇〇まで」の含む範囲や、その他の期限に関する表現について詳しくご紹介します。

「〇〇まで」が含む範囲とは?

  • 「〇〇まで」に含まれる範囲を知りましょう

    「〇〇まで」に含まれる範囲を知りましょう

例えば「提出期限は明日までです」と言われた場合、
A:今日中に提出する
B:明日中に提出する
のどちらが正しい意味なのでしょう?

ここでは、さまざまなケースで「〇〇まで」に含まれる範囲について詳しくご紹介します。

「〇月〇日まで」といわれた場合、当日は含まれる?

ビジネスシーンにおいて「〇〇まで」という表現はよく使われますが、特に多いのが期日を示すというケースです。そこで気になるのが、例えば「9月10日まで」といわれた場合、当日は含まれるのかという点です。

通常「10日まで」といわれる場合は当日、つまり10日も含まれます。「10日までに書類を提出してください」といわれた場合、10日に提出すればいいのです。

前述の「提出期限は明日までです」と言われた場合は、
B:明日中に提出する
が正しい意味です。

ただし相手が
A:今日中に提出する
だと間違って認識している場合もあります。心配な場合は「明日の何時までに提出すればよいでしょうか?」「明日中に提出する、という認識でよろしいでしょうか?」などと確認するとコミュニケーションロスを防げるでしょう。

ビジネスシーンでは文字通りのその日中はNG?

なお特にビジネスシーンでは、「10日までに提出」と言われた場合、10日の提出先における営業時間内、定時時間内に提出する、という考え方が一般的でしょう。

10日の23:59に提出すればいい、という考え方は、あまり常識的ではありません。

とはいえ不安であれば、こちらも事前に時間まで確認しておくといいでしょう。

郵便の場合はその日必着の意味

また郵便の場合、「10日まで」は通常「10日必着」の意味です。逆算して、余裕を持って郵便に出すようにしましょう。

なおもし「10日消印有効」とある場合は、10日に郵便局で受付をしてもらえれば大丈夫です。

数量や場所などを指し示す場合にも使われる

数量や場所などを指し示す言葉として「〇〇まで」が使われることもあります。数量であれば「10個まで持ち込み可能」や「お一人さま5個まで」といった表現を目にする機会は多いものです。

この場合も期日と同様にその数量まで含まれます。「10個まで持ち込み可能」となっているのであれば最大10個の持ち込みが可能です。「お一人さま5個まで」であれば、一人で最大5個手に入れられます。

場所を示す場合にも「4階まで来てください」といった言い回しが可能です。また「新宿駅から東京駅まで」と表現する場合、新宿駅と東京駅の両方が含まれます。

時間や年齢で使用するケース

時間や年齢を指し示す際にも「〇〇まで」は使われます。

「15時まで利用可能」となっている場合、15時も含まれるため、文字通り15時になるまで利用可能です。年齢の場合も「20歳まで」となっている場合は20歳も含まれます。

「〇〇まで」の使い方を例文で紹介

  • 期限や数量などを間違えないよう、正しい使い方を身に付けましょう

    期限や数量などを間違えないよう、正しい使い方を身に付けましょう

ここからはさまざまな場合に分けて具体的な例文を挙げながら、使い方について詳しくご紹介します。

期限や日付を示す例文

ビジネスシーンにおいて「〇〇まで」が使われる機会が特に多いのは期限や日付を示す場合です。

・来週の木曜日までにこの書類を提出してください

・毎月月末までに請求書の送付をお願いします

・8月10日までに納品をお願いします

・9月までにお支払いをお願いします

・本件の応募期限は年末までです

・恐縮ながら、鈴木は今週火曜日までお休みを頂戴しております

・定期券の期限が今日までなので、明日以降のための定期券を買わなくては

このように、期限や期日、日付を示す際にさまざまな形で「〇〇まで」という表現は使われています。いずれもその日まで含まれるという点はしっかり頭に入れておいてください。

数量や場所を示す例文

「〇〇まで」は数量や場所を示す際にも使われます。この場合の「〇〇まで」の使い方について例文を挙げてご紹介します。

・手荷物は2つまで持ち込むことができます

・この特売商品はお一人さま5つまでの販売です

・この定期券は東京駅から品川駅までの区間で利用できます

・この電車は下関駅まで行きます

このように、数量や場所を示す際にも「〇〇まで」はとても便利な表現として使用可能です。数量や、場所の場合も「〇〇まで」というとその数やその場所が範囲対象に含まれます。

時間や年齢を示す例文

時間や年齢を示す場合の「〇〇まで」の使い方について例文を挙げながらご紹介します。

・大浴場は朝9時から11時までは清掃中のため利用できません

・課題の提出期限は明日の17:59までです

・このオーディションには20歳までの年齢制限が設けられています

・子ども用スペースは12歳まで利用可能です

・〇〇の試験は30歳まで受験できます

・小学生までのお子さまは無料です

時間や年齢の場合も、「〇〇まで」となっている場合はその時間や年齢が含まれます。

「〇〇まで」の言い換え表現

  • 言い換え表現を知ることも大切です

    言い換え表現を知ることも大切です

「まで」以外にも、期限などを示す言葉はさまざまなものがあります。ここでは中でも代表的なものをピックアップして、意味や使い方などを詳しくご紹介します。

「9月まで」「明日まで」など、「まで」はいつまでの範囲を指すのか誤解が多い表現のため、言い換え表現を上手に活用しましょう。

〇〇中

「10日中」など、「10日まで」とそのまま置き換えることができる表現の一つです。こちらも意味は同じで、10日当日も含みます。

つまり「10日中に書類を提出してください」と指定された場合、10日に提出しても問題ありません。

「まで」よりも「〇〇中 」の方が、比較的誤解が少ない表現なので、「あさってまでにご提出ください」と言われた際に「承知しました。あさって中にお送りします」などと、確認に使うのもいいでしょう。

〇〇いっぱい

「10日まで」「9月まで」といった期日を表現する場合の置き換え表現として「10日いっぱい」「9月いっぱい」といった言葉もあります。意味は基本的に「〇〇まで」と同じですが、その日や月などが終わるまで、というニュアンスをより強調したい場合にも使われる表現です。

ないし

数量を指し示す言葉として使われる場合「ないし」も置き換え表現の一つです。「1ないし10」というと1から10までのすべての数字を含むという意味になります。

また数量ではなくものを指し示す場合は「AないしB」といった形で表現されることがあります。こちらは「AとB両方」という意味です。「ないし」が使われる場合、指定されている対象はすべて含まれるという点を頭に入れておくようにしてください。

「〇〇まで」の英語表現

  • 英語表現もしっかり身に付けましょう

    英語表現もしっかり身に付けましょう

近年では業界を問わずグローバル化が進んでいることもあり、英語でのコミュニケーションが求められるシーンも増えています。

ここでは「〇〇まで」の英語表現をご紹介します。

by

「〇〇まで」を表す英語表現はいくつかあります。 一つは「by」です。「by 〜」で「〜まで」という意味です。

例えば「Please reply me by tomorrow」は「明日までに返事をください」という意味になります。

till, until

「till」「until」も「〇〇まで」の英語表現として使われる言葉です。「till」と「until」の意味はほぼ同じですが「till」の方がややカジュアルな印象です。

「till 〜」「until 〜」で「〜まで」という意味があります。ただし気を付けたいのは、「by」は指定の日時までならいつでもいい、というニュアンスなのに対し、「till」「until」は、指定の日時まで継続してずっと、というニュアンスの言葉であることです。

例えば「You have to be there till 3pm」の場合は、「3時までにあそこに到着しなければならない」ではなく、「3時までずっとあそこにいなければならない」という意味です。

「〇〇まで」の意味を正しく理解して使いこなそう

今回は「〇〇まで」の意味や正しい使い方などをご紹介しました。「〇〇まで」という表現はビジネスシーンや日常会話などさまざまな場面で使われています。

期日や範囲、数量、年齢などを指し示す場合、意味を正しく理解していないと思わぬトラブルに発展する恐れがあります。それぞれのシーンで適切に使いこなせるように、正しい使い方をしっかり覚えておきましょう。