2018年に「スーツに見える作業着」を開発した「WWS/ダブリューダブリューエス」(以下、 WWS)は、 "カカトが踏める"本革ビジネスシューズ「ボーダレス本革シューズ」を「Makuake」で8月3日より先行販売した。

アシックス商事が展開する「texcy luxe/テクシーリュクス」と共同開発した本製品で、作業着スーツ発祥のボーダレスウェアブランドWWSは、新たに靴レーベル「WORKWEAR SHOES」を立ち上げ、靴業界に本格参入する。

マクアケ東京本社で3社共同記者発表会が実施され、本プロジェクトの経緯や商品詳細などが語られた。

  • 「ボーダーレス本革シューズ」

■革靴でのあるあるシーンが開発の原点

WWS は2018年3月から世界初となる機能性とファッション性を両立させたスーツ型作業着を軸に、季節やシーン問わず着用できる高機能、かつシンプルなデザインを追求したボーダレスウェアを販売しているブランド。

独自開発の新素材「ultimex/アルティメックス」を用い、高機能性とフォーマル要素を兼ね備え、場所・時間を問わず着用できるビジネスウェア商品を展開している。コロナ禍でも毎日洗濯ができて動きやすいといった特徴が好評を博し、累計販売着数は2022年5月で17万着販売、法人の導入数は1,800社を達成した。

  • 記者発表会中にマクアケでのプロジェクトがスタート、右はマクアケの松岡宏治氏

WWSの企画・販売を行うオアシスライフスタイルグループの関谷有三氏は、今回の商品の開発背景について語った。

「もともと私どもの『スーツに見える作業着-WWS-』に最も合う靴を作ろうというところから始まっています。私どものスーツは365日洗濯機で洗えて、非常に着心地も良く、タフで、さまざまな業界のボーダーを超えてきた服ですが、『この服に合う靴って何か?』ということを考えました」

WWS愛用者には、一般的なスーツと同じように革靴にも「脱ぎ履きしにくい」「足が疲れやすい」「長距離移動やデスクワークに不向き」といったネガティブなイメージを持つ人も多かったようだ。

「僕自身も窮屈なのがイヤで履き心地の良いスニーカーを愛用していたんですが、ここ一番の商談の場面、大事な会食、急な冠婚葬祭の出席など、革靴が必要な場面はたくさんあります。そのたびにクローゼットの奥から革靴を引っ張り出してきて靴擦れしながら履くことがストレスで……。革靴のネガティブイメージを覆すような革靴をつくれば、新たな市場を作ることができると考えました」(関谷氏)

そんな関谷氏が、1日中履いていても快適な本革ビジネシューズの共同開発を持ちかけたのが、アシックス商事の「テクシーリュクス」。

「ビジネスなのにスニーカーのような履き心地」をキャッチフレーズに、過酷なビジネスシーンの中で履き心地、歩き心地の良さを追求した革靴を2009年秋から展開し、累計出荷足数は620万足(2022年6月末)を突破するブランドだ。

「ビジネスシューズでさらなるイノベーションを生み出し、すべての革靴嫌いの方が毎日履きたくなるような商品を今回目指しました。最大の特長は"カカトが踏める"ことです。僕が革靴を履いていて一番イヤなシーンは、新幹線と飛行機でした。窮屈なので革靴の紐を解いて脱ぐんですが、(履き直すのが面倒で)トイレもつま先立ちみたいになって行くという(笑)。デスクワークも革靴を長時間履いていると、足も疲れるし、蒸れてニオイの原因になります。なので、サッとすぐ脱ぎ履きできる革靴として、容易くカカトを踏めることを最大の特長としています」

アシックス商事の荒巻真央氏は「カカトを踏むのはシューズメーカーとしては、やはりご法度でございます(笑)。ただ、ビジネスシューズだからこそ、というのが革新的なところで。踏んだ状態で歩いていただくのは困りますが、やはりリラックスしたいシーンもありますので、一緒に開発をさせていただきました」とのことで、具体的な開発面の苦労などを語った。

従来、革靴の多くはカカトのホールド性を確保するためヒールカウンターという芯が入っているが、本商品ではその芯を抜き、簡単に曲がる設計に。脱ぎやすさと同時に、カウンターを抜くことでカカトのホールド性が損なわれても、歩行時などに足が抜けにくくする工夫をさまざま施しているという。

「カカトを潰しても違和感がなく、ヒール部分を引き上げ歩くときに抜けないよう、何度も試し履きして、カットの角度の調整を重ねてきました。また、ヒール部分の裏地にナイロンと相性のいい不織布を滑り止めとして使っています。中敷も本来このクラスではカップインソールを使いますが、縁が上がっていて踏んだときに当たってしまうため、クッション性の保ちながら貼り付けることで、快適さを確保しています」(荒巻氏)

また、歩きやすいソールなど各所に「テクシーリュクス」ならではのハイテク素材を使い、より高い履き心地や快適性を追求。こうしたディティールなどの調整に1年以上の歳月をかけたという。

靴ベラ不要で履けて、フォーマルなシーンや足元をリラックスさせたいシーンなど、あらゆるシーンを一足でまかなえるという“ボーダレス”なビジネスシューズの開発にあたり、関谷氏は「フェイクレザーでカカトを踏めるようなビジネスシューズはありますが、今回こだわったのはやはり本革です。革靴が好きな人にも愛される革靴ということにこだわりました」とも語っていた。

「Makuake」でのリターンには「ボーダーレス本革シューズ」はもちろん、WWSのシャツやスーツとのセットも用意。「Makuake」の早割でおトクに買える仕組みになっている。また、新ブランドの立ち上げを記念し、8月5日~10月7日の間、WWS Flagship Store新宿にて「ボーダーレス本革シューズ」の試着ブースを設置するという。