「Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR『放課後ロッケンロール』私立恵比寿中学 VS アンジュルム」の様子。(photo by AZUSA TAKADA)

私立恵比寿中学のメジャーデビュー10周年を記念したライブツアー「Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR『放課後ロッケンロール』」の3公演目が7月26日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で行われ、エビ中とアンジュルムが初のツーマンライブを行った。

「放課後ロッケンロール」はスペースシャワーTVの企画による対バン形式のライブシリーズ。エビ中が全国5カ所のZepp会場にて、毎回異なるゲストアーティストとツーマンを繰り広げる。本来1公演目として予定されていた7月21日の愛知・Zepp Nagoya公演はゲストの超特急がメンバーのコロナウイルスに感染により延期となり、初戦となった7月22日のZepp Nagoya公演では氣志團が、7月25日のZepp Haneda(TOKYO)公演では岡崎体育が、それぞれエビ中とシーンの垣根を越えた相思相愛のライブを展開した。3公演目のお相手は、同じアイドルシーンで活躍するハロー!プロジェクトのアンジュルム。エビ中とアンジュルムの競演は双方のファンから長らく待望されており、当のメンバーたちも喜びをにじませながらステージに挑んだ。

開演前、まずはホストであるエビ中から柏木ひなたと中山莉子が登場し、オープニングMCとしてご挨拶。大のハロプロファンで、アンジュルムの佐々木莉佳子とはプライベートでも親交の深い柏木は、ワクワクが抑え切れない様子でアンジュルムを呼び込んだ。真っ赤にライトアップされたステージにアンジュルムのシルエットが浮かぶと、フロアは大きな拍手の音で包まれる。この日のオープニングを飾ったのは、妖艶なムードを持つラテンナンバー「愛・魔性」。新型コロナウイルス陽性で欠席となった竹内朱莉を除く9人で登場したアンジュルムは、そこからEDM要素の強い「次々続々」へとつなげ、立体的なフォーメーションによるダンスで冒頭から観客を圧倒した。クールなパフォーマンスから一転、MCでは柔和な笑顔で話し始めるアンジュルム。佐々木は「関係者の皆さん、アンジュルムを呼んでくださって本当にありがとうございます」とエビ中との競演実現に感謝の言葉を伝え、「今日は我らがリーダー竹内朱莉がお休みですが、気持ちは10人で、10人分のパワーをお届けします」と宣言した。そして「ここからはエビ中の皆さんへのリスペクトを込めて。それでは聴いてください……『禁断のカルマ』」と意外なタイトルをコールすると、客席からは思わずどよめきの声が漏れる。「禁断のカルマ」はエビ中が2013年に発表したシングル曲だ。アンジュルムはオリジナルに忠実なパフォーマンスでエビ中へのリスペクトを表明した。

間髪入れず「赤いイヤホン」「泣けないぜ…共感詐欺」と前半から連なるビートの強いダンスチューンを連発したアンジュルム。「私たちと高く飛ぶ準備はできてますか?」という煽りから始まった「大器晩成」はハロプロ伝統の“赤羽橋ファンク”の流れを汲むファンクナンバーで、観客はメンバーの掛け声に合わせて一斉にジャンプする。アンジュルムはさらに赤羽橋ファンク「46億年LOVE」を畳みかけ、堂島孝平提供のスカロック「愛すべきべきHuman Life」では9人並んでラインダンス。最後はタオルを振り回しながら「夏将軍」を歌い、フロアを最高潮に盛り上げてエビ中へとバトンをつないだ。

後攻のエビ中はアンジュルムの熱演に応戦すべく、赤羽橋ファンクからの影響色濃い「オメカシ・フィーバー」「トキメキ週末論」の2連発でライブをスタートさせる。この2曲はファンキーなサウンドもさることながら、「46億年LOVE」をはじめとするハロプロ楽曲を数多く手がける児玉雨子の作詞という共通点が。フロアはファン同士の垣根もなく大きな盛り上がりを見せた。「仮契約のシンデレラ」では「柚乃がカボチャの馬車にのり遅れちゃったー」と、コロナ陰性ながら大事をとって欠席となった小久保柚乃を除く8人でのパフォーマンスになることを冒頭の小芝居に取り入れて説明したエビ中。続く「紅の詩」を歌い終える頃には場内の熱気にメンバー全員汗だくで、星名美怜は思わず「ヤバい、サウナだサウナ」とつぶやき、真山りかは「あとは水風呂があれば最高だね」と乗っかる。柏木はInstagramのメンションをきっかけに仲を深めたという佐々木との馴れ初めを明かし、微笑ましいエピソードで双方のファンをなごませた。そして「私たちの曲をカバーしてくれたじゃないですか」とアンジュルムによる「禁断のカルマ」のパフォーマンスに触れ、「やってくれたんですけど……なんかやりたいなあって」と次の流れを示唆すると、エビ中はアンジュルムの「タデ食う虫もLike it!」をカバー。柏木が愛あふれる徹底指導でメンバーに伝授したというダンスフォーメーションで、アンジュルムのリスペクトに返答した。

アンジュルムとの競演にあたり、セットリストの選曲にはいつも以上に頭を悩ませたというエビ中。真山の「自分たちのよさを発揮できる曲を持ってきました」という言葉に続き、後半は「愛のレンタル」「誘惑したいや」「感情電車」と、じっくりと歌を聴かせる楽曲を並べ、アンジュルムのファンにエビ中の魅力をアピールする。YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でのパフォーマンスを話題となった「なないろ」では、小林歌穂が「皆さんにとって大切な人や大切な気持ちがあると思います。それがずっとあなたの中できらきら輝いていますように」と優しいメッセージを伝えた。

最後はハッピーなムードあふれる「Anytime, Anywhere」で締めくくり、エビ中のパフォーマンスは終了。小林と風見和香は去り際に大きな身振りで観客にアンコールを求めるよう促し、観客は即座に応えて拍手を鳴らす。再度登場したエビ中はアンジュルムを呼び込み、総勢17人で並んで記念撮影。「最後までみんなで楽しく、仲よく歌いたいなと思います」と、エビ中の楽曲「永遠に中学生」をエビ中+アンジュルムのスペシャルバージョンで披露した。両グループのメンバーがペアになって挨拶し、最後は柏木と佐々木が手をつないで「ズッ友~!」と宣言。ピースフルな余韻を残してライブは締めくくられた。

スペースシャワーTVでは、この2組によるライブの模様が9月17日(土)20:00より1時間に凝縮してオンエアされることが決定した。

スペースシャワーTV「私立恵比寿中学 Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR『放課後ロッケンロール』私立恵比寿中学 VS アンジュルム LIVE SPECIAL」

2022年9月17日(土)20:00~21:00
2022年9月28日(水)25:00~26:00(リピート)

私立恵比寿中学「Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR『放課後ロッケンロール』私立恵比寿中学 VS アンジュルム」2022年7月26日 Zepp Haneda(TOKYO) セットリスト

アンジュルム

01. 愛・魔性
02. 次々続々
03. 禁断のカルマ(オリジナル:私立恵比寿中学)
04. 赤いイヤホン
05. 泣けないぜ…共感詐欺
06. 大器晩成
07. 46億年LOVE
08. 愛すべきべきHuman Life
09. 夏将軍

私立恵比寿中学

01. オメカシ・フィーバー
02. トキメキ週末論
03. 仮契約のシンデレラ
04. 紅の詩
05. タデ食う虫もLike it!(オリジナル:アンジュルム)
06. 愛のレンタル
07. 誘惑したいや
08. 感情電車
09. なないろ
10. Anytime, Anywhere
<アンコール>
11. 永遠に中学生 / 私立恵比寿中学×アンジュルム

私立恵比寿中学「Major Debut 10th Anniversary 2MAN Zepp TOUR『放課後ロッケンロール』」(※終了分は割愛)

2022年8月22日(月)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
<出演者>
私立恵比寿中学 / ビッケブランカ

2022年8月23日(火)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
<出演者>
私立恵比寿中学 / 純烈

2022年9月1日(木)大阪府 Zepp Osaka Bayside
<出演者>
私立恵比寿中学 / 新しい学校のリーダーズ

2022年9月2日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
<出演者>
私立恵比寿中学 / 石崎ひゅーい

2022年10月17日(月)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
私立恵比寿中学 / and more

2022年10月18日(火)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
私立恵比寿中学 / and more

※2022年7月21日(木)愛知県 Zepp Nagoya 振替公演詳細は未定(出演:私立恵比寿中学 / 超特急)

※記事初出時、私立恵比寿中学・小久保柚乃の欠席理由に事実と異なる記述がありました。訂正してお詫びいたします。