今や副業が当たり前の時代になりましたが、その中でも「物販」に興味を持っている人は多いのではないでしょうか。物販は初心者でも始めやすく、コツをつかめば安定的な収益を得ることもできるビジネスです。

そこでこの記事では、副業で物販を始める手順や物販のメリット、デメリットなどを詳しく解説します。「物販が気になっている」という人はぜひご覧ください。

■副業なら「ネット物販」がおすすめ

<ネット物販とは>

物販は以前から大変人気があり、本業のほか、副業として取り組む人も多いビジネスです。最近は在宅時間が長くなったことで、空き時間を利用し物販を始める人がますます増えています。

物販とは、文字通り「モノを販売すること」。物販の基本はこれだけですので、ビジネス経験のない初心者でも理解しやすく、始めるのに特別な資格なども必要ありません。このように、参入のハードルが低いところが物販ビジネスの大きな特徴です。

また、副業で物販を行うほとんどの人が、インターネット上でモノを販売する「ネット物販」を行っています。ネット物販なら、実店舗を構える必要がありませんので、気軽に始めることができますよね。販売のみならず、仕入れも全てインターネット上で完結させるスタイルの人も多いようです。

<物販と転売、せどりの違い>

物販と似た言葉に、「転売」があります。物販とは、先ほど述べたように「モノを販売すること」です。一方、転売とは、「仕入れたモノに利益を上乗せし、さらに他の人に販売すること」を指します。

転売の場合、製造者から直接仕入れるのではなく、小売業者などモノを販売している個人や会社から仕入れを行います。仕入れたモノに利益を乗せ、さらに他に売り渡すため、「転売」と呼ばれているのです。ただし、転売もモノを販売することに変わりはなく、物販の一部ということになります。

では、「せどり」とは何なのでしょうか。せどりとは、「安く仕入れた商品に利益を上乗せして高く売り、その差額を収益とするビジネス」のことです。元々は、古本の転売をせどりと呼んでいましたが、現在では、せどりと転売はほぼ同じ意味として使われています。

■ネット物販を始める4ステップ

副業でネット物販を始めるなら、まずは何をすればいいのでしょうか。ネット物販の始め方を、4つのステップで解説します。

1.まずは不用品の出品で慣れる

インターネットでモノを売る経験が全くないのなら、まずは家の不用品などを出品し、ネット物販に慣れてみましょう。着なくなった洋服や使わなくなった子どものおもちゃ、ゲームなどが自宅に眠っていないでしょうか。断捨離も兼ね、家の中を探してみましょう。

不用品を販売するなら、フリマアプリの「メルカリ」やオークションサイトの「ヤフオク! 」などがおすすめです。不用品の販売で利益が出れば、今後の物販ビジネスの資金にもできますね。まずは「どうせ捨てるなら」と気楽に出品してみましょう。

2.販売するプラットフォームを決める

ネット物販の流れがつかめたら、次に、商品を販売するプラットフォーム(サービス)を決めましょう。たとえば、転売をする場合は「メルカリ」や「ヤフオク! 」「Amazon」などが向きますが、ハンドメイド作品を売るなら「minne」のようなハンドメイド販売専用のプラットフォームが最適です。

まずは、自分がどのような商品を販売していきたいのかを明確にし、プラットフォームを決めてみましょう。ネット物販で利用できるサービスについては、後ほどご紹介します。

3.商品を用意する

何をどのプラットフォームで販売するか決めたら、次は商品を用意しましょう。転売の場合はインターネットや実店舗で商品を仕入れ、ハンドメイド作品を売る場合は、商品を制作します。

自分のオリジナル商品を販売したい場合は、「OEM」という方法があります。OEMとは、自社製品をメーカーに委託し、製造してもらうことです。OEMを利用すると、製造コストが抑えられますし、企画や販売に集中することができます。

なお、商品の販売に備え、プリンターや梱包材などもそろえておきましょう。プリンターは、納品書の印刷に使います。商品の画像にこだわりたい場合は、デジタルカメラや照明器具といった撮影道具も準備しておくといいでしょう。

4.商品を出品する

利用するプラットフォームに商品の画像や説明文を掲載したら、いよいよ販売の開始です。商品の詳細がわかりやすいよう、画像はさまざまな角度から撮影したものを複数枚載せましょう。また、重さや素材など画像だけで伝わりにくい部分は、文章で詳しく説明しておきます。

商品の注文を受けたら、注文内容や宛先を確認し、丁寧に梱包して商品を送りましょう。

■ネット物販を行うメリットは?

初心者でも取り組みやすいネット物販ですが、具体的には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

1.少ない資金で始められ自由度も高い

ネット物販は、他のビジネスよりも比較的少ない資金で始めることができます。たとえば、元手資金が1万円しかなくても、まずはその1万円で仕入れを行い、その商品の売上で新たな仕入れを行う…というように、「利益を再投資」して売上を膨らませることも可能だからです。

一方、資金に余裕がある場合でも、まずは少額の仕入れで試し、コツをつかんだら一気に仕入れを増やして大きな利益を得る…ということもできるでしょう。

リスクを抑えながら小資金で始めたり、自分で仕入れを調整したりできる自由度の高さが、ネット物販の魅力の1つです。

2.安定収入が得やすい

ネット物販は、コツをつかんでしまえば、安定収入を得やすいというメリットもあります。売れる商品の特徴や傾向がわかれば、あとはリサーチと仕入れ、販売を繰り返すだけだからです。

また、インターネットでの買い物は、右肩上がりに需要が増え続けています。物販ビジネス参入者が増えても、意外と「ライバル過多で全く稼げない」という状態にはならない点もポイントでしょう。

3.自分のペースで取り組める

時間に縛られず、自分の好きな時に取り組めるのもネット物販のメリットです。たとえば、通勤電車の中でもスマホを使い、商品のリサーチ、仕入れ、商品説明文の記載、注文確認などができます。

商品画像の撮影や商品の梱包、発送などは自宅から行いますが、スキマ時間をうまく使えるようになれば、まとまった時間のとれない人でも問題なくこなせるでしょう。なお、利益が大きくなってきたら、外注を雇い作業を任せるという方法もあります。

■ネット物販を行うデメリットは?

一方、ネット物販には以下のようなデメリットがあります。

1.費用や時間がかかる

ネット物販は、少ない資金から始めることも可能ですが、全く費用をかけずスタートすることは難しいでしょう。商品を販売するには、パソコンやインターネット環境、プリンター、梱包材などが最低限必要となるためです。

また、いずれはスキマ時間に済ませられる作業でも、やはりはじめのうちは時間をかけて慣れる必要があります。ビジネスがある程度軌道に乗るまでは、意識して時間を確保するようにしましょう。

2.売上を出すにはノウハウが必要

ネット物販は初心者でも始めやすいですが、きちんと売上を出すにはノウハウが必要です。転売なら売れる商品のリサーチ方法、自分でネットショップを立ち上げる場合は、集客のノウハウも不可欠でしょう。

ネット物販へ参入するハードルは低いですが、何の知識もないまま利益を得るのは難しいです。売上を出すには、ノウハウを身に付けることが欠かせないと心得ておきましょう。

3.在庫が売れ残るリスクがある

売れる商品をしっかりリサーチしていても、時には売れ残ってしまう場合もあるでしょう。たとえば、リサーチでは売れると判断できたので仕入れたのに、販売までに相場価格が下落してしまうケースなどです。

中には在庫を抱えないネット物販の方法もありますが、在庫を持って販売する場合は、こうしたリスクがあることを知っておきましょう。

■ネット物販で利用できるプラットフォーム

最後に、ネット物販ができる主要なプラットフォームをご紹介します。

・メルカリ

手軽さを重視するなら、フリマアプリのメルカリがおすすめです。全ての作業がスマホ1台で完結し操作も簡単なため、初心者でも安心して始めることができます。不用品の販売が多い印象のメルカリですが、輸入品の販売など本格的なビジネスで利用する人も多くいます。

登録や出品は無料でできますが、販売時に商品代金の10%の手数料がかかり、売上金の振込には1回あたり200円の手数料がかかります。

・ヤフオク!

レアな商品、プレミア商品などを販売するなら、ヤフオク! を利用しましょう。ヤフオク! はオークション形式で取引が進み、価格が競り上がっていくためです。

ヤフオク! の出品者には落札システム利用料がかかり、「Yahoo! プレミアム会員」の人は落札価格の8.8%、それ以外の人は落札価格の10%が引かれます。

・Amazon

日常の買い物に欠かせない存在となったAmazonですが、個人で商品を出品することもできます。特に、「FBAサービス」を利用すると、商品の保管から注文処理、梱包や発送まで全ての作業をAmazonが請け負ってくれるため、非常に便利です。

FBAサービスの出品方法には大口出品と小口出品があり、大口出品の場合は登録料として月額4,900円がかかります。

・BASE、カラーミーショップ

「自分だけのオリジナル商品をネットショップで販売したい」という人には、BASEやカラーミーショップなどショップ作成サービスの利用がおすすめです。

BASEは初期費用・月額費用が無料ですが、商品が売れた時に決済手数料として3.6%プラス40円がかかります。カラーミーショップは、同じく初期費用・月額費用は無料で、商品が売れた時に1個あたり6.6%プラス30円(Amazon Payの場合6.5%プラス30円)の手数料がかかります。

・minne

ハンドメイド作品を販売するなら、まずはminneに登録しましょう。minneでは、アクセサリーや小物のほか、家具や手作り食品など幅広い商品が販売されています。

月額使用料は無料ですが、販売手数料が9.6%かかります。

■知識を身に付けネット物販で収益を得よう

今回は、ネット物販についてご紹介しました。ネット物販は初心者でも始めやすいビジネスですが、実際に売上を出そうとすると、そう簡単ではないことに気づくでしょう。しかし、しっかりと知識を身に付け経験を重ねれば、本業以上の収入を得ることも夢ではありません。

ネット物販が未経験の人は不用品の販売から、経験のある人は、どのような商品をどのプラットフォームで販売するのか決めてみましょう。