『LOVE LOVE あいしてる 最終回』吉田拓郎が見せた“最後のテレビ”への熱量　CPが明かす興奮の舞台裏

• あいみょん　(C)フジテレビ

ゲストの打ち合わせをする中で、拓郎から毎回出てきた名前は、あいみょんと木村拓哉。最後のテレビ出演ということで思い入れが強く、2人とも出演が実現しただけに、「拓郎さんもいろんなことが1個ずつ決まっていくたびに『それはうれしいね』と喜んでくれました」という。

しかし木村は、拓郎の指名があったことを伝えても、「そんなに接点ないですよ」「なんで僕なんだろう?」と、なかなか信じてくれなかったのだそう。それでも、出演を快諾すると企画に全力で取り組む姿が印象的だったという。その一例が、KinKi Kidsや拓郎らと歌いたい楽曲を歌う恒例企画「LOVE LOVEなうた」の選曲だ。

「拓郎さんの最後や、KinKiの25周年ということで視聴者に向けて自分ができることは何だろうというのをすごく考えてくださって。個人的に思い入れのある曲はいっぱいあるけど、この記念すべき回にやるのはそれじゃないとすごく悩んで悩んで、最後にたどり着いたのが『硝子の少年』をバックで踊るというアイデアでした。しかも、当時バックダンサーをやっていた生田斗真さんと風間俊介さんと一緒にバックで踊るという、KinKiの25周年や番組を盛り上げる演出だったんです。これも『Sayonara あいしてる』と同じようにここでしか見られないスペシャルなものだし、僕らから木村さんに『バックダンサーをやってください』なんて絶対言えないじゃないですか(笑)。だから、木村さんからのアイデアですごいものが生まれたなと思いましたね」

木村はバックダンサーに徹するつもりだったが、KinKi Kidsの「せっかくだから木村さんと一緒に歌いたい」という希望もあり、最終的には木村も歌唱参加することに。木村＆拓郎というパートの見せ場も作ることができ、「ものすごくいい撮れ高になりました!」と手応えを語った。

■“いつも通りに楽しく終わらせようね”という雰囲気

改めて、吉田拓郎という人物の印象を聞いてみると、「本当に無邪気で、ピュアな方ですよね。レギュラーをやっていた当時、1回目が終わったときから常に辞表を持ち歩いて、“いつでも辞めてやる”っていう気持ちでやっていた、というような話を聞きましたが、そのくらい、自分の曲がった生き方はしたくないという芯がありながらも、すごく自由奔放なところがあって。番組を見てても、ゲストの話題から脱線して面白くなるのって、だいたい拓郎さんがきっかけだったりするんですよね。今回もそういう瞬間がありましたけど、改めて自由奔放や無邪気なところが拓郎さんの魅力だなと思いました」と語る。

トークの収録で、ゲストとKinKi Kidsが盛り上がっている中、右端で腕を組んで話を聞くのに徹しつつ、いざという時に金言を放つポジションは、今回の放送でもレギュラー当時の雰囲気そのまま。さらに、「ちょっと口の悪い“拓郎節”というんですかね(笑)、ああいう感じも随所に出てましたね」と、その個性が存分に出ていた。

KinKi Kids、吉田拓郎、篠原ともえの4ショットトークも、番組が26年ずっと続いていたかのように、全くブランクを感じさせない関係性を見せていた。ラストは、拓郎もKinKi Kidsも笑顔で、「しんみりした感じにはしたくないから、“いつも通りに楽しく終わらせようね”という雰囲気がありました」というが、その中で当時一番陽気なキャラクターだった篠原が見せる涙に、グッとくるものがあった。

• (C)フジテレビ

今回で最後のテレビ出演と宣言している拓郎だが、収録では「ハワイに行く番組だったら参加したいな」と、冗談と思えないくらい何度も発言していた。

実は、拓郎にとってハワイは特別な地。かつて『徹子の部屋』(テレビ朝日)に出演した際、妻の森下愛子が、拓郎とKinKi Kidsらのハワイロケに同行し、その仕事現場の華やかさを見て女優業に復帰したという経緯を明かしている。それだけに、三浦CPは「なかなか番組で海外ロケに行くというのは最近難しいところがありますが、何か考えたいですね」と、今後への期待を述べた。

• 三浦淳チーフプロデューサー