老後資金を準備するために、預金や積立投資を検討されている方も多いのではないでしょうか?将来、必要なまとまったお金を準備するためには、目標の金額や毎月の積立額など計画を立てて準備することが大切です。今回は、老後資金を準備するために、老後に必要な金額や、毎月の積立額、どんな金融商品でお金を積み立てていくかについて解説します。

◆ゆとりある老後には5000万円あると良い?

2022年現在、年金の受給開始年齢である、65歳以降を「老後」として考えてみましょう。厚生労働省の「平成30年簡易生命表」によると、65歳で95歳以上生きる人の割合は、男性が10人に1人、女性が4人に1人です。

「老後」はこれほど長く、ゆとりある老後生活を送るためには、定年退職後から支給される公的年金だけでは、足りないのが現状です。それでは、ゆとりある老後生活を送るためには、いくらぐらいの老後資金が必要になるのでしょうか。

生命保険文化センターの「令和元年度 生活保障に関する調査」によると、老後にゆとりのある生活を送るための1カ月あたりの平均生活費は夫婦で約36万円です。ご主人様が会社員(第2号被保険者)、奥様が専業主婦(第3号被保険者)のご夫婦が、老後、国から受給する年金額は一般的に、約22万円です。

つまり、老後の生活では、必要な生活費36万円から年金受給額22万円を差し引いた14万円が毎月不足することになります。老後のご生活を30年間(65歳から95歳まで)と考えると、65歳時点で準備しておくべき金額は、5040万円です。

➤14万円×12カ月×30年=5,040万円

こちらは、あくまで生活費のみで計算した結果であり、趣味や娯楽費、介護費用や葬儀費用といった支出額は含まれておりません。実際に、必要な老後資金は、年収や家族構成、日々の暮らし方によって大きく変わりますが、安心した老後生活を送るためには、ご夫婦で5,000万円以上の老後資金が必要になります。

◆25歳、毎月3万円なら積み立て出来ます

それでは、必要な老後資金を準備するために、25歳のご夫婦が今から毎月3万円積み立てをするとします。銀行預金で積み立てると、65歳までの40年間で準備できる金額は、1,440万円です。 老後に必要なお金を準備するために、毎月の積立額を増やす、もしくは銀行預金と比べて金利が高い金融商品を活用してお金を増やす、といった方法があります。

◆65歳までに5000万円貯めるには利回りは?

毎月3万円積み立てをして、25歳から40年間で5,000万円貯めるのに必要な利回りは何%でしょうか?普通預金の金利0.001%と比べて、金融商品を活用して年利5〜6%でお金を増やすことができると、40年間でまとまったお金を準備することができます。

6%必要です

年利6%の運用が必要です。毎月3万円を40年間、銀行預金で積み立てた場合に準備できるお金が1440万円であるのに対し、年利6%の金融商品で積み立てた場合には、約4900万円を準備することができます。毎月同じ積み立て額で将来よりまとまったお金を準備できることを考えると、老後資金の準備により合理的な積み立て方法といえるでしょう。

◆具体的にはどんな手法が良い?

具体的には、投資信託で準備することができます。投資信託には、インデックスファンド(日経平均株価やTOPIXといった指数に連動するよう設計された投資信託)と、アクティブファンド(指数を上回る、リターンを狙った投資信託)があります。

インデックスファンドに投資をする場合、信託報酬(投資信託の運用や管理にかかる費用)が、アクティブファンドと比べて、相対的に安いため、老後資金の準備など長い時間をかけて、お金を準備する人にとって向いています。また、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を通じてインデックスファンドに投資をすることで、20年間運用益に対して税金がかからないため、そういった制度をあわせて活用してもよいでしょう。

投資先を選び、30〜40年間運用することで大きなリターンを狙うことができます。ただし、必ずお金が増えるといった保証はなく、運用実績によって将来受け取る金額も変わってくるため、投資を始める前に慎重に判断をしましょう。

まとめ

ゆとりある老後の生活を送るためには、ご夫婦で5,000万円準備しておくとよいでしょう。経済的に安心した生活を送るためにも、今後より一層、老後資金の準備は必要不可欠になってきます。低金利の今の時代では、銀行預金で準備するだけでなく、投資信託など将来リターンが見込める金融商品でコツコツ積み立てをしていくことがポイントです。そのために、毎月の積立額やどの金融商品で積み立てるかが非常に大切になりますので、分からない方はファイナンシャル・プランナーに相談しましょう。

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー

倉知洋平(くらちようへい)
所属:株式会社マネープランナーズ